数学を勉強しとくと、何がいいの?
2012年 02月 29日

「解答書を借りてきなさい」
お母さんこのくらいはできたんでしょ?? 覚えてないの? …まったく記憶にありません。だって使わないもの。
韓国の天才児の話のときに出てきた、彼が四歳で解いた不定積分も、「あれ、これを t とおいてそれで??」…なんだっけ、とフリーズ。積分なんて仕事でも生活でも使わないものねぇ。
「大人なのにそんなことでいいの?」
「お母さんだけでなくてたいていの大人が忘れてると思うわ」
「…そんなら、数学なんて、そもそも勉強しなくてよくね??」
そんなことはありません。お母さんは、仕事で数学は滅多に使いませんが…(平均出したりグラフ書いたりはいつもやってます。ほとんど算数ですね…)それでも、日々、数学は仕事に生活に生きているのです。
たとえば、
・問題があるときに、それを切り分けしていくとき
・ものごとを厳密に誰かに説明しなきゃいけないとき
・自分と意見の異なる人と議論したり、妥協点を見つけなきゃいけないとき
・調査結果を目でわかるようにしてプレゼンするとき
・ほかの人の調査結果を見て「ダウト」するとき
・不動産取得とか、保育園申請とか、重要な書類を埋めていくとき
・翻訳物の中から誤訳を見つけるとき
ま、とにかく。どんな仕事にも、数学で培ったスキルが生きてるわけですよ。「高校で」、数学やっててよかったなぁってほんとにいつも思います。
場合分けしてグラフを書きながら、最大値最小値を求めるやつとかね。図形の証明問題とか。ベクトルとか。
「ちょっとお母さん、論理的思考や説得はともかく、誤訳を見つけるのって関係なくない?」
ありありです。翻訳物をナナメ読みするだけで、波動の乱れを「はっし」ととらえて、誤訳はきっとこのへんにある!! みたいなアンテナって、やっぱり数学とか勉強したからできるようになったものだと思うの。
先日の、大学生数学調査で、21vertexさんは
> 「偶数と奇数を足す」問題については、『「2足す1は3。4足す1は5だから」など論理的な説明が
> なく理解できない答えもあり』とあるのだけど、確かに論理的ではないけど、これでも本質は尽き
> ていると思いますね。少なくとも「理解できない」はないよな、と思いました。
とコメントしていましたね。私も、「偶数と奇数を足す」に関して「偶数になることも奇数になることもある」なんて選んだ人がいたらそりゃ論外だけれども、正しいものを選び、説明が感覚的なものにとどまった場合は、このことに関して「理解できてない」ということにはならないと思います。実用レベルの理解はあるといってもいいでしょう。
でもその次に、たとえば奇数を表すのに「2n+1 (nは整数)」って表すとその後の話がしやすいとか、人にも理屈が伝わるように説明を書くとか、そういうことをぜひ中高生の間に練習しておいてほしいとは思うわけです。それが、数学を使わない大人になったときも、生活を支えてくれるんだからね。今回の場合、調査をした人たちは、そういうことがいいたかったんじゃないかな。
ある学校説明会で、高校のカリキュラムについて、文理で振り分けて科目を絞る時期を後延ばししたという説明がありました。「早くから科目を絞ると、小さくまとまってしまう感じで」…これは、即物的に、国立を受ける子が少なくなってしまうというような、学校の戦略上のことを言っているのかもしれないけど、そのほかに、幅広い教養を持っていることの意味ってのもあると私は深読みしました。
高校で、あんまり早く数学を捨てたらもったいないですよ。せっかく、人間に生まれたんだから。
にほんブログ村 中学受験 ←ランキング参加しています。
にほんブログ村 中学受験(日能研) ←こちらも参加しています。
▲ by an-dan-te | 2012-02-29 13:16 | 中学受験 | Comments(8)