2013年 06月 02日 ( 2 )   

スクールカーストと女子校   

私が持っている女子校のイメージって、「とことん好きなことがやれる六年間」というのが中心にあります。だから、はなひめにも(なんとなく)女子校を薦めたんだけれど。

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本音をいうと、「いじめが起きにくい(と思う)」というところも重要なポイントだったんです。

でも、「とことん好きなことがやれる」ということについては単純に、女子のアタマ数が多くて、同好の士がみつかりやすいという紛れのない説明がありますけど、それだけじゃないですね…気兼ねがないというか、どれだけニッチなことに没頭していてもそれで白い目で見られることはないというような。それは、いじめが少ない雰囲気とも深く関わることだと思うけれど、それをはっきり表現することができないでいました。

そこへ、「女子校力」(杉浦由美子、PHP新書)という本を読んで、「スクールカースト」という言葉を知り、いろんなものがストンと腑に落ちました。「スクールカースト」というのは、学校のクラス内で、暗黙の地位というものが厳然としてあって、それはかなりの精度で共有されていて、みんながそれに従って生活している、ということです。

たとえば、「桐島、部活やめたってよ」というような小説は、スクールカーストがある状況をうまく描写しているのだそうです。どうりで、世間では売れているのに、私が読んでもちっともおもしろくなかったはずだ(^^;;

女子校は、男子がいないことと、それからスクールカラーがあることで、かなり均質な集団になります。なので、「世間の目」に当たるものがない。容姿とか、何に没頭しているかでのランク付けがなされにくいのです。

「豊島岡はあらゆる種類の女の子がいて共存できる学校といわれています。スクールカーストもいじめもない。オタクの子が描いたホモ漫画がクラスじゅうにまわってきて、それをギャルの子が読んで『微妙に絵がうまくなってるじゃん』なんていったりして、違う種類の女の子たちが認め合って、お互いに干渉しない。まるで楽園のようでした」(この本の「はじめに」に載っている豊島岡卒業生の弁)

スクールカーストがあることと、いじめがあることは「同じ」ではありません。歴然としたスクールカーストがあっても、それに従って整然と生活が行われていて、いじめのようなインタラクションがないということもありえます。しかしスクールカーストはいじめを発生しやすく、またエスカレートさせやすい土壌であることは確かです。詳細を書くと長くなりますので、それについては「教室内カースト(鈴木翔、光文社新書)のような本を読んでいただくとして…

つまり、大きくいうと
「世間」があること→スクールカーストがあること→いじめが起きやすいこと
はつながりがあるのです。そう思ってみると、学校見学や、説明会の際に聞いた話、見た風景などから学校の雰囲気の特徴というものをつかみやすいと思います。

スクールカーストがないのがよい学校ということでもなく、逆にいえば「世間知らず」「KY」にもつながるという弱点があります。良い悪いではなく特徴のひとつの軸と考えるとよいでしょう。
#「弱点」についてはまた別記事で。

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by an-dan-te | 2013-06-02 21:24 | 中学受験

第12首: 恋すてふわが名はまだき(副詞、過去「き」)   

恋すてふわが名はまだき立ちにけり
  人知れずこそ思ひそめしか

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第十首として「忍ぶれど色に出にけり」をご紹介しましたが、歌合わせでこれに負けたのが「恋すてふ」。負けた忠見は落胆して食欲がなくなりついには死んでしまったといういわくつき。いつの時代も、採点競技ってのはその評価が禍根を残すのね。

これも、たいへん優れた歌だと思います。使われている技法は「倒置法」くらい(「~けり」で切れてる)で、シンプルにしみる感じです。

古文学習上のポイントは、「現代語から類推・想像しにくいところ」と考えると、この歌では「まだき」それと「こそ~しか」ですね。

現代語に「まだ」という副詞があるのでつい引きずられてしまいますが、この「まだき」は同じく副詞だけれども意味は真逆というか「早くも」「もう」ということ。なんでこうなった??(^^;;

副詞の意味って、使われすぎて擦り切れるとなんだかずれていくらしいです。つまり、古文と現代文で意味が違う言葉というのは、よく使われている重要単語でもあるし、テストで問題に出しごろでもあるわけですね。

「恋すてふ」の「てふ」も現代語と違いますけど、意味は想像どおりで「という」ということです。「といふ」が変化した連語で、まぁそういうものだといっぺん思っておけばそれで済みます。

「立ちにけり」の「に」はもうめちゃくちゃ頻出で、この歌が負けた「忍ぶれど」にも「出にけり」となってましたね。完了の助動詞「ぬ」の連用形が「に」という没個性的な形になるのでとにかくこれは「にけり」で目に焼き付けておいてくださいね(^^)

「人知れずこそ」は地味にポイントかもしれません。「知る」という動詞がありますが、これは「知ら・ず、知り・たり…」と活用する四段動詞。「知らず」でなく「知れず」となっているので別の動詞…「知れ・ず、知れ・たり、知る、知るる・とき、知るれ・ども、知れよ」下二段活用の動詞です。現代語でいえば「知られる」という意味。

「こそ」と来たら係り結び、「ぞ・なむ・や・か」は連体形で結ぶのに、「こそ」だけは已然形で結ぶ変わり者。已然形になると「お??」という形になる言葉が多いため、これは知らないとわけわかんなくなります。過去の助動詞「き」も、已然形は「しか」という似ても似つかぬ顔をしています。それだけに、「ぞ」とかよりはすごくしっかり「強意」という感じがしますね。

思い初める、つまり、人に知られないように始めた恋だというのになんで知られてしまったのか。という歌です。

[訳読] 恋をするという私の噂は早くも立ってしまった。人に知られないように思い始めたというのに。

百人一首シリーズ、目次

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by an-dan-te | 2013-06-02 09:59 | 中学生活