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「戦場のピアニスト」   

…を、みました。

子どもが小さかったころは、九時に寝かしつけてあとはお茶を入れてテレビをみたりとか、ゆっくり「大人の時間」を過ごすのが楽しみだったんだけど、いまや子どもの寝る時間と親の寝る時間は30分~1時間くらいしか違わない。

しかも、子どもが起きている間は、リビングが勉強または子どもの見たいテレビで占領されているので、ほとんどまったくテレビを見る時間がなくなってしまった。

もともと、そんなにたくさん見てたほうではないと思うが、それでも見たいものは週にいくつかあって、「エンタの神様」「囲碁将棋ジャーナル」「スーパーピアノレッスン」「のだめ」など。

それを、かろうじて、子どもが塾にいっている間とかに細かく消費していっても、まとめて見たい映画とかは見る機会がまったくない。封を開けていないDVDがたまる一方。

そこで、親のストレス解消だって重要!! と思い立ち、誕生日のプレゼントとして、よしぞうにポータブルDVDプレーヤーをリクエスト。いまどき、たいていの人は電車の中用にはワンセグとか買うんだろうけど、とにかくDVDをそのままさっと持っていって見たいのだからしかたがない。

そんなわけで、ここ2~3日かかって、「戦場のピアニスト」を見たんだけど、はっきりいってこれは大失敗…映画が駄作なわけじゃなくて、それどころかとても名作だと思うんだけれど、とにかくこれから会社というときに見るものではない。

あまりにたくさんの人が死んでいくので。。それも、人が人を塵芥のように扱って (今、一瞬、「虫けら」と書こうとしたが、虫けらだって生きているのでこのたとえはあまり適切ではない)、数え切れないくらいの命を奪っていくので、見ていて胸が苦しくなって、気持ち悪くなってしまう。

なのに、結局気になって最後まで見てしまった。ストレス解消じゃなくてストレスフルな映画だった。

昼休み、同僚にこの映画を見た話をしたら、彼女は「私はあの主人公みるとイライラしちゃって~。運命にただ流されていくって感じで、もうちょっと自分で考えてなんとかしろよって」といっていた。そんな見方もあるのか…けど、あの状況で何かほかにできることがあるのか??

本のほうはだいぶ前に読んだのだけど、映画はきっちりと原作に沿って、相当忠実に作ってあって、本を読んだときのイメージがほとんどそのまま、リアルな映像となってたんたんと流れていくようだった。映画的に作り上げたヒーローではなくて、実際の人物なんだから、運命をバシバシ切り開いていくかっこよさがなくたってしかたがない。

スピルマン(本の著者、映画の主人公)は、類稀なる強運の持ち主で(でなければホロコーストの中生き残れない)、それだけではなくて数年間におよぶ絶望的な孤独の中、気が狂わずに自分を保つことができた精神力を持っていたこと自体が十分にすばらしい。加えて、彼のピアニストとしての才能に惚れ込んだ人たちが次々と、自ら危険を冒しながら彼を助けてくれたことが、このストーリーの骨格になっていると思う (その意味で、同僚の言ったことは当たっている)。

本と違っていたところは、クライマックスにドイツ人将校の前で演奏される曲。原作ではノクターン遺作だったが、映画ではバラード1番。静かに始まったあとは、派手な技巧も入れて盛り上げて終わるようにしたかったのかもしれない。ドイツ人将校のその後の言動を観客に納得させる、不思議な神々しさを持つ場面に仕上がっていた。

こういう重い映画は数ヶ月後、日常がストレスフルでなくなってから後に繰り延べることにして、当面は刑事コロンボとか見るようにしようと思う。コロンボなら、話の中で人が亡くなってもショックじゃないんで…

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映画を見た後、ノクターン遺作を弾いてみたことはいうまでもない。バラードとかアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズも弾けたらよかったんだけど(無理)。

by an-dan-te | 2008-10-18 08:22 | 生活

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