選択肢のニオイをまじめに嗅ぐ
2013年 08月 31日
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まじめな話、よーくニオイを嗅いでおくのは意味のあることです。
国語の読解問題で、たとえば、「登場人物がそこで引き返したのはなぜか」「本文の要旨に最も合うものは何か」とかね、出題者の作業を考えてみれば、当然、正解が最初に出来上がるでしょう。そして、そのバリエーションを作っていく。どの選択肢にも、「これは違う」というものを混ぜていくことになるわけですね。
出来上がった選択肢、それが四つなのか五つなのかはともかく、並べてよーく比べると、同じような(似たような)ことを言っている部分、違う部分が浮かんできます。
それが見えてきたらあとは各部分が文章のどこに当たるか(あるいは文章のどこに反しているか)を探していけばいいのです。
このようなステップをまじめに考えて、
・選択肢を部分に分ける
・選択肢同士を比べる
・文章の該当箇所を探す
という作業について具体的に説明している本がありました。
読むだけですっきりわかる国語読解力 (後藤武士)
…ついこの間、立ち読みで見つけて即買いしました(^^) この本、読んでみてびっくりしたんですけど、題材として載っている文章が、文学作品などの引用じゃなくて、この著者の書き下ろしなんですよ。だから、文学的にスバラシイ文章かどうかはさておき、そこで説明したいことが明快にわかる具体例になってるんです。どこもかしこも。
親子で「腹をくくって」、読解練習をしようとしたとき、親は「亀の甲より年の功」で答えはわかるんだけど説明ができない、ということがよくあります。国語読解でも、算数の一行題みたいに、考え方の「基本ツール」にあたる部分はあるんですけど、それをあえて説明しなきゃいけないことって、日常生活にはないですから。でもそれを、ぼんやり暗闇でなく明るみに引きずり出しておかないと、おこちゃまな国語苦手男子(それでいて妙に理屈っぽかったり)の説得はしづらいじゃないですか。
そんなとき、親が「予習」しておくのに手ごろな本だと思います。
選択肢のニオイを自信もって説明できるように!!
…この選択肢とこの選択肢はここが違うけれど、文章のココにこう書いてあるから、こっちはダメだよね。
とか。
…どちらもこの文章に書いてあったことだけど、それは例にちょこっと出てきただけで、これは何度もしつこく語られてて、文章の最後の結論部分にも書いてあるからね。
とか。
それと、選択肢についての第一章より、さらにお勧めなのが第二章「四つの対立概念を理解する」のところ。「具体的」←→「抽象的」、「主観的」←→「客観的」とか、そういう対立概念をふまえて文章を読み取る例が載ってます。実はこのあたりが、大人にとっては当たり前で、幼いタイプの小学生にはわけわかんない部分だと思うんです。でもわりと理屈っぽいから、わかっちゃえば国語苦手男子にもヒットするんじゃないかな。
ほんとは子ども自身がこの本を読んでくれると話は早いんだけどね~
決して難解ではなく、いちおう「子どもが読んで理解できる」ことを目指している本で、子どもによっては小学生でも読めると思いますけど。でもまぁ、それができるくらいだったら、国語で苦労してないか(-_-;;
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by an-dan-te | 2013-08-31 14:45 | Comments(4)
中学受験はしてないけど、たぶんそのレベルから国語はつまづいていたはずかなっと思って。
何の役にも立たせられなかったけど。
英語が得意で、国語がからっきし出来ないって一体なんなのでしょうね。
まあ受験国語、学校国語からはやっと解放されたから良いっちゃ良いんだけど・・・
作問者の気持ちもわかって興味深いですね。対立概念の話も。対立概念は別の方の本で読んで、なるほどと思って、子供に知ってるか聞いてみました。読書も国語も好きな子ですが、概念を言語化して思考しているわけではなさそうでした。なんとなくわかっていたことが、言語化されると、すっきりしますね。
高校のとき現代文の先生が自己紹介で、私は00大文学部出身だ!国語の答えは一つだ!とおっしゃたことを思い出します。国語が得意だったので、ずっと感覚で問題を解いていたのですが、その先生の話を聞いて、もやが晴れた気がしました。でも、ちょっと残念な気もしました。一つだけだなんて、テストの話だもんね。
この本も買ったのですね~
「国語入試問題必勝法」を持ってきてくれたのもスケルツオさんだし…
けっこう買っていらっしゃいますね(^^;;
ほんとうにお子さんの国語をどうにかしようと思ったんですね。けど大学受験では、ご本人がどうかしようと思わなければ、さすがにテコ入れのしようがないですね。
文学作品を読むということについては、正解っていうのはないという立場でいいんですけど、入試問題は正解が決まるように作ってあるはずですよね。
私も中学受験のときは「感覚」で解いてたんだろうと思うのですが、大学受験のときは理屈で解くのを習いました。駿台の藤田修一先生でしたか…イイタイコトってやつ。
あれで、すごくすっきりしたんですよね、なんだか。