算数苦手女子をどうする?
2012年 11月 09日
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気がついたら、算数は、得意科目というほどではないにしても、しっかり頼りになる科目に成長していました。国語のほうがむしろ、取れるときはすばらしく取れることもあり、沈むときもあり、読めない感じです。算数は、そのどっちもあんまりない…
科目ごとでいうと、理科がいちばんよいようですが、年間平均でいって、算数と国語はそのすぐあとに続いています。安定感ではむしろ算数のほうが上です。
じゃあ、ちっとも算数が苦手ってことないじゃないの…って、いえそういうことではないんです。算数と国語では、これまでにかけた時間の長さがべらぼうに異なります。算数をここまでにするのには、ものすごい元手がかかっているんです。
それでは四年・五年時に、算数がピンとこないタイプの子だった場合に、どうすればいいかについて私見を書いてみたいと思います。
国語苦手男子につきましては、「放置」でも、時が解決する場合があると思います。だから中学受験をパスして、高校受験に賭けるというのはひとつの策ですが、算数苦手女子を放置してその後どうにかなるという話はあまり聞きません。
もちろん、算数・数学がからっきしでも幸せな人生を送っている人はいくらでもいますから、いいっちゃいいんですが(国語の読み書きが不自由なのに比べりゃなんてことありません)。「数学がダメだから」という前提で道筋を選択しなくてもよくなる目があるとすれば、それは、中学受験を利用したテコ入れが絶好のチャンスといえるでしょう。
(その他、中学受験をスキップして高校受験数学に賭ける公文コースとかも考えられるかも)
算数をものすごく得意な科目にするためであれば、難問から逃げてはいけないはずです。解き方の糸口も見えないような問題を前に、うんうん考えて、あぁでもないこうでもない…格闘する時間は、それは無駄ではなく、絶対必要なもの、実力を養成するための肥やしとなる時間だろうと思います。
しかし、算数苦手女子にはそんな時間をかける余裕はありません。算数を「人並み」にするのにたくさんの時間がかかりますから、見て解き方がさっとわからないような応用的、複合的問題は全部飛ばします。
勉強の柱は、この二つです:
(1) 現在なんとか解ける問題を、すらすらになるまで繰り返させること。
(2) 現在あとちょっとで解けない問題の、解き方を示して、なぞらせること。
(1) に大部分の時間を割き、(2) は少しでいいです。感じとして、(2) は最大でも一日に一題、まぁ週に数題で十分です。あとはとにかく(1)。
(2) でやったものについては、翌日、一週間後、一ヵ月後というように、ほとんど国語苦手男子の場合の忘却曲線と戦うがごとき進行で、じわじわと(1)に取り込んで消化していきます。
イメージとしては、守備範囲の中でじっくりと練習を繰り返すと、なぜだか守備範囲が徐々に広がってくる…という感じです。テキストに、取り組めない難問が山のように存在すると、気になるかもしれませんが、気にしないでください。
思い起こせば、五年の四月に「算数、難しい問題からはもう撤退でいきましょ」という記事を書いています。この中で、
> こうやってぬるくいったら、一年後どんなポジションにいるのだろうか…??
と書いていますが、一年後、つまり六年になったころの算数というのは、正答率が高いところをもれなくとり、正答率が低いところはもれなく手付かず、あんまりきれいに分かれているので、「直し」をするところがない(^^;; というようになりました。
偏差値60前後の女子校を狙うならこの戦略で十分で、むしろ算数ではやや稼げるくらいになるかもしれません(注: どこまでいけるかについては個人差がありますが、戦略としては効果的という意味です)。
ちなみに、素質として「算数苦手」な子を、開成・灘の算数が解けるところまで育てる育て方なんかは知りませんよ。そんなものは存在しないんじゃないかなぁ…
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by an-dan-te | 2012-11-09 14:11 | 中学受験 | Comments(17)
激しく同意^^;
>正答率が高いところをもれなくとり
うわ~、そういう子っているんですね~。感動!!だから点数が安定してるんですね。
ドキドキしないでテストの返却を待てますね~^^
こちらは、答えは合ってるのに、解答用紙に書くときの転機ミスもあり・・です(-_-;;
毎回、返ってくるまでドキドキです><
著しく同意。まあ算数嫌いなのに得意と言うのは想像しにくいので、算数が好きなのがまず前提。そうすると難問と格闘するのは厭わないと思いますし、それで成功体験が積み上がれば自然と得意になっていくでしょう。
>素質として「算数苦手」な子を、開成・灘の算数が解けるところまで育てる育て方なんかは知りませんよ。そんなものは存在しないんじゃないかなぁ…
青いバラ…、ですか。素質は目に見えないし、いつ開花するか分からないので…。中受はゴールまでの期間が短いので、素質が(あるとして)開花するのを待つとと言う悠長なことはしていられませんけどね。
「子どものころから算数脳だった(小学校の頃の中受算数が得意だった)から、中学以降の数学も得意で理系」とか、逆に
「中受算数は苦手だったから理系は無理で絶対文系」とか、
一概に言えないと(むしろ逆のケースも多いように)感じます。
将来「文系の大人」になった時に、中受に必要な能力としての算数が得意、ということから直結して、メリットがあるとすれば、
「法律の条文(または、保険会社の約款や、その他何かしらの契約書)を読んで理解することに、比較的抵抗がないかもしれないってことぐらい」(条件整理や読み変えに慣れているから)かなぁと思いますが、どうなんでしょう?
算数のテストでは、ほれぼれするくらい正答率でくっきり仕分けされた答案を見ることができます。それが不思議なことに、より得意な理科ではそうじゃないんですよ。これ、サービス問題でしょ!! って感じ。地道な練習の量が違うんですかね。
> 毎回、返ってくるまでドキドキです><
私は、またろうの受験のとき、「受験番号書けたかな…」とずっとどきどきしてました(^^;;
算数がほんとに得意な子は、趣味的に好きですもんね。別に、受験に必要だからやってるとかではなくて。
四年五年のときに算数のわかりが遅い子が、中学受験終了までにいきなり才能開花ってことはまぁ、さすがに難しいでしょうね。さらにそこから大学受験のときまでを考えれば、時間も長いですし、算数から数学へのフェーズシフトもあるから、多少の入れ替わりはありますよね。
そうですね、私も中間的なタイプです。
それで、技術者系でない仕事をしてる場合の生活の中ですが、算数はそこいらじゅうに生きていると思います。買い物や料理なんかのプリミティブなレベル(四則計算はもちろん、割合は頻出)から、発想のパターンとその組み合わせ方みたいなところ。差を集めてきてぶっちゃけこれとおんなじ…とか。
微分積分以降の数学は、日常に生きてるかというと、まぁ…哲学的レベルでは、というところかな??
確かに、法律条文を読みこなすのは、物語文読解よりは算数に近いですねたぶん(^^)
算数は社会に較べて覚える量が少ないので、受験校の標準レベルの問題を何度も繰り返すのがいいと思います。
できない場合は、塾の先生や友達や家庭教師に個人的に習うといいと思います。
もしこれでもダメなら文系に進んだ方がいいかもしれません。
中学入試はわかりませんが、灘校にはいるには数1のチャートを3回やるという方法があるそうです。
ぶっちゃけここまで算数出来ない子は、普通は他の科目ももっと出来ないことが多いのに算数以外は問題ないということで。
あの難しい中受算数は(ほとんどの子にとっては)将来何かの役に立つというレベルの話ではない、と思ってます。
あの算数に普通の子が取り組むというのは、極論してしまうと「スポーツ適性のない人までアスリートレベルを目指して(無理・無駄な)トレーニングを高いお金(塾代その他)かけてやっているようなもの」かなと。
(別に中受に算数不要とか、算数の勉強そのものが無駄とかそういう結論ではありません。むしろ未来のエリートを選抜するという意味で、難しい算数は機能すべきと思ってます)
中受算数が「楽しめる」「将来につながる」子なんて、本来的にはごく一握りのハズなのにウチの子も含めた普通の子が悪戦苦闘することは意味があることなのか?って常に思っています。
四捨五入すると偏差値50になる位の女子校でほとんどが私学文系進学してるような所は、もっと算数簡単にしてくれと切に思います。
あまりに算数出来ない子を持つ母の恨み節っぽくなってるので、補足を。
私自身は「算数なんて出来たって役に立たないんだ」とはちっとも思っていないし、ハイパー理系の人たちをすごいな~と単純に尊敬しています。ただ自分の子の適性とは明らかに違っているし、娘の人生には必要ない要素だとも思っています。
同様にNの模試・国語でしばしば出るような物語文読解(思春期の微妙な恋心とか同性の友人への嫉妬・羨望とか)も多くの子には別に今出来なくてもいい問題とも思ってます。
11・12歳の普通の男の子や理系脳の女の子にとっては、どうでもいい話でしょう。
私は子供の頃から少女漫画苦手、愛読するのは男兄弟の読んでる「ジャンプ」だったので、ああいう物語文苦手です。
多分「ウザイ」で終わっちゃう。娘は超得意です。
だから、どういう文章出すのか国語の問題見るだけでも「学校の欲しい子供像」は分かりますよね。
うちには、中受算数を全く勉強することなくN60前後の女子校にうっかり入ってしまった数学苦手な娘がいます。
N60ぐらいで進学が私大文系よりの女子校でも、数学は体系数学でサクサク進んでいってしまう授業に、うちはめまいを起こしそうなんですが、中受算数を一通り勉強しても、数学苦手なお嬢さんだと決して楽ではない授業と定期テストだと思います。(まあN65超の息子の学校に比べるとゆるいことはゆるいんですが)
アンダンテさんの対策は学校に「入るまで」のものとして非常に有効だと思うのですが、「入ってから」はどうなると思われますか?
同じように「基本抑えの難問無視」でいつも平均点付近をうろうろすることになるのか、「算数から数学へのフェーズシフト」を利用して中高6年間でじりじりと上げていくことができるのか?下がっていくのか?
うちは、「算数から数学へのフェーズシフト」のせいで、本人の頑張りではどうにもできない部分が次第に大きくなるような気がしています。いずれにしても大学入試で数学にお世話になろうと思っていないので、どっちでもいいといえばいいんですが…
理解が完璧でなくても、繰り返すことで納得を生むことができるようなんですよね。あんまりサイクルを短くすると「お母さん、これ答え覚えてるけど」といわれたこともありますが(^^;;
私が今いっしょに仕事してる人で、算数/数学だけあんまりにも出来ないんで不思議がられてたって人がいます。その人は、アメリカの大学を出ているのですが、そこで日本の授業とは違うアプローチで数学の授業を聞き、初めておもしろいと思ったとか…TOEICは満点、TOEFLの点数もすごくて、仕事していても、ほんと知性豊かな人で、この人が算数数学そんなにダメだったのって、日本の教育が間違ってたんじゃ…?? と思うことも。
中学受験では基本的に科目の選択もできず、向き不向きにかかわらずあっちもこっちもできなくちゃいけないということでなかなかしんどいんですよね。そのこと自体に意味はある(今はまだ苦手にも付き合うということ)とは思うのですが、でもアプローチの仕方は個人に合わせてできたらいいんじゃないだろうかとも思うんです。
私も、説明会とかで学習内容を聞いて、いやー体系数学が向いてるとは思えないけど、と思ったりすることはあります。
入ってからどうなるか、ですが、私の持ってたイメージだと、別に難問無視で定期試験クリア的には問題ないと思うんですよね。問題になるとしたら理系難関大を目指すのは無理となるかどうか。というのは、昔のJGをイメージしてるからにすぎないので。実際のところどうなるかは、入ってみないとわからないですね。
けど、やっぱり単位は取れるんじゃないですか、難問無視で(^^;;
わざわざ書いて頂き、ありがとうございます(^^)
我が子の場合はここまでハイレベルな話ではなさそう(教え方云々以前に、単純に子供の算数センスがなさすぎ)と思いつつ、Nの「しかくいアタマをまるくする」的アプローチがかえって彼女を混乱させたかもしれない、とは思っています。
一方、国語に関してはNの教材以外手をつけることもなく、テストの解き直し(全部ではなくピンポイントで)だけでそこそこのレベルになったので、塾の選択を誤ったとまでは思っていないのですが・・・
話がそれますが、現代日本の社会・教育の根底には「一つのジャンルで突出している人」を「○○バカ」的にみなす風潮があり、それが日本の足腰を弱くしているんじゃないか?と思うこともあります。
「勉強ばっかりしてるから・・・」とか「サッカーばっかりしてるから」とか否定的に言われますが、ばっかり人間のパワーを総花的な教育でそぐのはもったいない気がします。
> Nの「しかくいアタマをまるくする」的アプローチが
> かえって彼女を混乱させたかもしれない
あぁ、確かにそういうこともあるかも…
タイプによるよね。
> ばっかり人間のパワーを総花的な教育でそぐのはもったいない気がします。
なんか、不得意を克服するまでは得意に手をつけちゃいけないみたいな空気、ですかね。まぁ、またろうはそういうのたいへんだったでしょうけど、いまは「偏ってるのがふつう」環境で快適に暮らしているらしい(^^;;