私学の価値3: 授業
2012年 05月 14日
←授業には何を期待しますか?
いかに、私がJGのとき授業を聞いていなかったかという…(^^;; いや、勉強は、自分でもできますし、予備校もありますし、だから学校の空気がどうであるかという、やっぱり「私学の価値1」に書いたことが、私にとっては一番重要度が高いかな。
そうはいっても、授業というのは、とにかく時間が長いです。私が公立中にいたとき、いじめより何より、一番苦痛だったのは授業です。まったく得るところのない時間を、何もすることができず、ただずっと座って、時計の針が進むのをじりじりして待っていると、ほんっとうに、時間が経つのは遅いです。一時間…二時間…三時間…六時間目までの長いこと。
JGの授業は、好きな授業も、退屈な授業もありましたが、退屈であれば、寝てるとか、内職するとか、なんでもできるので苦痛なことはありませんでした。それに、退屈といったってケタが違います。
ここでいう授業の比較というのは、自分が通った公立と私立、そして、またろうが通った公立中・高専、こじろうが通った私立中(いずれも、参観で見た範囲と子どもが持って帰ってくるものでわかる範囲)、学校説明会などで見学した授業を基にしています。もちろん、違う学校についてご存知の方はまた違った感想をお持ちでしょうけど、さすがに大まかなところ、公立中と私立中で授業が段違いであることは異論がないと思います。
これは別に、私立中のほうがよい先生ばかりいるからとかそんな話ではなくて、生徒が違い、期待されているものが違うからです。私立なら、粒ぞろいとまではいかなくても、どのレベルで授業をするかについてある程度の合意があり、教科書以外の教材を中心に進めていくことも可能ですし、やりやすさがぜんぜん違います。仮に、同じ資質の先生が授業しても、それは当然、違う授業になるでしょう。
私立に行かなくても、公立中からトップ都立を狙えばという考え方はあります。それは、大学でたとえば私立に行ったのと同じ「結果」になればいいと思うのであれば正しいかもしれません。難関大学に入れる資質を持ったお子さんなら、私立に行ってもそのように、公立に行ってもそのようになるということは大いにありそうなことですし、もともとそういう資質がないなら、これまたどちらに行っても同じというのはありがちです。
ただし、公立中からトップ都立を目指すのであれば、とにかく公立中の授業を軸にして勉強していくのではまったく間に合いませんが、かといって授業にはいなくてはいけませんし、授業で展開された内容に沿った勉強もしていかなくては定期テストでの高得点は狙えません。授業と、自分でする勉強(塾を含む)の、ねじれて重なる負担は非常に重いものになります。
そこをくぐり抜けて難関高校に進学するお子さんは、もともと自主自立の精神があるのでしょうが、さらにたくましく育ってよかったという見方もあります。でもやっぱりもったいなくないですか?? 繰り返しますが授業の時間はほんとうに長いですし、「ねじれ負担」は精神を疲弊させます。なんでもかんでも、子どもにとっての障害をあらかじめ取り除くような子育ては批判されるべきかもしれませんが、この疲弊は、私が子どもにくぐり抜けてほしいと思うようなタイプの困難ではありません。
またろうの授業参観で、中一の英語の授業があったとき、クラス内は静かでした。荒れてはおらず…沈滞していました。先生はおそろしく退屈な、テンポの悪い授業を展開しており、ほとんどの子はあんまり聞いてない様子だったけれど、寝ている子もあり、内職している子もありで、昔の公立とは違って「ゆるい」だけ居心地はましかなと思いました。
せっせとノートに何か書いている女の子がいたのですが、その子は教科書本文を左ページに写し、右ページに訳文を作り、ノート下部の線で分けたところには単語の意味などをまとめていました。つまり授業の進行とは関係なく、集中して自分の勉強をしていました。こういう子なら、授業はどうあれ、しっかり学力をつけて高校に進学することでしょう。
でももし…学校の授業が、いきいきと展開され、みんながしっかり参加していて、しかもそれを軸に勉強していくだけである程度しっかりした学力がつけられるようなものだったら、それはどんなに幸せなことでしょう。はなひめも、充実した授業をする学校に行けるようになったらいいなと思います。
ところで、またろうの高専の授業も参観したことがあります。政経の授業も物理の授業もすごくおもしろかったです。またろうは中学のとき、社会の成績がひどかったのですが、高専に入ってから、日本史とか政経とか興味が持てるようになって、いろいろ授業で聞いた話とかもしてくれるようになりました。公立中に行っても、三年後に自分に合う高校(またろうの場合は高専だけど)に行けば、ようやくそこで「生き生きした授業」体験ができるわけです。もっとも、基礎ががたがたなので、大学受験レベルに持っていくのはたいへんです。またろうは受験しないけど。
にほんブログ村 中学受験 ←ランキング参加しています。
にほんブログ村 中学受験(日能研) ←こちらも参加しています。
by an-dan-te | 2012-05-14 12:41 | 中学受験 | Comments(20)
今やっていることが充実していることが、幸福な人生を送る秘訣じゃないかなと思います。そして、それはウチの坊主たちの受験の動機の一つでもあります。
小学校の時通っていた、塾が楽しくてしょうがなかったですよ。
知識欲を満足させてくれる場所があるっていうのはいいですよね。
うちの子も、そういう毎日を過ごせるような中高に入学できるといいな~~。
小4の娘と小2の息子の母です。
フルタイムで仕事をしているのですが、子供の学校について大変興味があり、いつもブログを拝見しております。
低学年のうちは、自宅で毎日一緒に勉強をしていましたが、小4になったら塾へと考え今年2月から通塾させています。
子供は今のところ楽しくがんばっていますが、これから先どうなることやら。。。
大変勉強になる内容のブログで感謝しています。
これからも色々教えて頂けるとうれしいです。
正直、私自身公立中学の授業で楽しかった記憶はあまりないです。理科くらいかな。英語なんてホント最悪でした。私立のほうが先生にも自由度がありそうですよね。英語で教科書以外に洋書を読んだりする学校があるとか。
しかし、この私立の授業の良さをどうやって夫に伝えるか…。それが問題です(>_<)
私も私立に通っていましたが、あまりに英語の授業が多すぎたのと、つまらない授業で英語が大嫌いになり、大学受験は散々でした。大学に入って英会話を習い、英語の楽しさに目覚め、英検1級まで取得しました。日本の英語教育って未だに発展途上のような気がしますが、楽しく身に着く英語教育をしている学校はあるのでしょうか?
こちらのブログを拝見していると、私立はバラ色のように感じてしまいますが、あまり期待せず受験されたほうがよいように思います。
授業内容・・・なるほど~。でした。 本当に、知識不足な母です^^;
小学校の授業参観を見る限り、我が子はすごく退屈そうに見えます・・・。
それが、公立中でも続くって事ですね。(長男の場合)
次男のついでに受けた塾のテストの結果を見て先生に言われた、「勉強は出来るから、今から(現6年生)中学受験の勉強をしてそれなりの学校に入るより、高校受験でいい高校に入った方がいいかもしれません。」って言葉を真に受けていたけど、違うのかな~。
ちょっと考え始めるのが遅かったですネ^^;
子供の授業参観に行っていましたが、英語以外はとても楽しい授業でした。
英語は文法を教えなければいけないので大変なのでしょうか?
一番おもしろかったのは社会でしたが、子供によると評判が悪かったそうです。
もしかしたら授業はおもしろくても試験の点数にむすびつかなかったのかもしれません。
うわー。かっこいいですねその先生。
学校の教育力というのは、いろんな側面で発揮されるものだと思いますが、「勉強を軸にして」というのは王道なはずですよね。
もちろん、毎日の礼拝で、とかいろんな教育があるのですが、時間の長い授業を中心として、学生の本分であるところの勉強がどうなるのか、は大きいですね。
私も、小学校のとき、四谷大塚の授業は大好きでした。それで結局、公立中に行くとき親が、「でも中学は、小学校と違って、科目ごとに先生が分かれているから、ちゃんと教えてくれると思うよ」と言ってくれたのですが入ってみたらば(以下略)
ご丁寧にどうも~
どうぞよろしくお願いします。
フルタイムだとやっぱり塾を味方につけないとやっていけないですよね。飲み込まれすぎないようにうまく利用したいものです(といいつつ、結局かなり飲み込まれてますが)。うちも塾の授業は楽しんでいるようです。どのくらい身になるかはまた別なんですけど。
親戚の子が中学受験をしたのですが、女子校の雰囲気になじめず、また高校受験をし、公立の進学校に入りました。今、とても楽しく通っています。
授業が退屈、合う合わないは、私立、公立に関係なくあると私も思ってます。でも、授業の質、レベルが全く違うんですよね~。
息子が受験生なので、色んな高校の見学に行っているのですが、私立校の中学生クラスの授業も見てきまして・・。まあ、想像はついてましたが^^;
公立中でいいと言い張ってた主人が後悔するくらいですから^^;
迷われている方は、両方の中学を参観されると良いと思います。
息子も、私立中の子たちを羨ましがっていましたよ^^
塾にも国立、私立中の子たちがいるのですが、ああ、土台が違う~、勉強に慣れてる~、と嘆いていました>< 特に英語が・・(涙)
それはもう、どんな優秀な先生でも、あの幅広すぎる生徒のすべてに合った授業はできません。なんとなく真ん中くらいに合わせることになるのですが、それでも、それならそのジャストな線上(?)の子どもたちがいきいきと授業に参加して授業内容を身につけているかというとそれも違う…難しいですね。習熟度別の授業をやっている公立もあると聞きますが。うまくいっているなら広まってもよさそうだけど??
> この私立の授業の良さをどうやって夫に伝えるか…。
それはやっぱり、見てみるのがいちばんじゃないでしょうか。私立といっても様々だし、どういう授業をしているかも様々だと思います。公立中も、六年生親向けの見学日を設けてくれたので事前に見ることはできましたよ。
私立のほうも、授業が見学できるところはたくさんあると思います。今、はなひめの第一志望にしているのは、私が見学してものすごく授業が気に入った学校です。本人は文化祭を気に入ったんですけど。
私立の授業がぜんぶおもしろいなんてことはもちろんいうつもりないですよ。私も、JGの授業で聞いていたものは少ないですしね。
でも、気に入った授業「も」あって、内職もできて、ねじれたダブル負担がなければ十分だと私は思いました。公立中にいたときと比べれば天国です。比較がないとありがたみがわかりにくいかもしれませんが。
別に私立に入れば理想がそこにあるわけではないので、好みの学校を選ぶことと、入ってからそこをうまく活用すること、できれば好きになることが大事だと思います。
> 「勉強は出来るから、今から(現6年生)中学受験の勉強をして
> それなりの学校に入るより、高校受験でいい高校に入った方が
> いいかもしれません。」
これは出鱈目にいっているわけではなくて、たとえば「よい大学にいくにはどうしたら?」という問い立てをした場合のことを考えてコース比較のアドバイスをしてくれたのではないでしょうか。それもひとつの見識です。
そういう視点のほかに、中学校三年間の過ごし方を考えたら…というのが、私がはなひめについて「やっぱり私立」と思った理由です。しかし、仮に今から考え直したとしても、またろうについての結論が「やっぱり私立」になる可能性は低いですね。あまりに中学受験が困難ですから…
いろいろ状況により、その子の特性により、結論を出したらその中でなるべくうまくそのコースのよさを生かしていくということですよね。
授業がどうであるかというのと別に、授業を生かせるタイプと、あんまり授業を生かせないタイプがいて、私は後者ですけど、たまに聞いていてそれは人生に大きな影響を与えるものだったり(^^;;
まぁそれはそれで。こじろうは授業を生かすのがうまいです。日能研のときも今も。時間に無駄がなくていいですよね。
そうですよね。私立だからってひととおりなわけはないですし。
学校選びのとき、いろいろ見ておくのはいいと思います。もちろん外から見た感じと、実際にその学校で生活しているのとは別のことですが、よりよい「クジ」を引くために。
だいたい、完璧な選択肢というのはあるわけはないんです。よりよいと思われるものを選んで、そして選んでしまったらそれをなるべく生かしてみる。そんなところではないですかね…
えーとコメントの趣旨がわかりませんが、別にまたろうはAをもらったから興味を持ったわけではないですし。高専でそのへんの科目(理系工学系以外)は、厳しくつける意味もないので甘いことが多いですが、先生によっても違います。