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保育園育ちと幼稚園育ち   

我が家の子どもたちは、三人ともそれぞれ六年間、保育園に通っている。

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幼稚園でなく保育園に通わせるということは、我が家にとっては生活の必然であって、特に保育園と幼稚園のどちらがよいかということは検討したこともない。

またろうが小学校に上がったとき、またろうは間違いなく「授業になかなか参加できない子ども」ではあったのだが、それを「保育園育ちのせいだ」というふうに言った先生はいない。というか、幸い? 同じ保育園出身の子で、たいへんきちんとした子もたくさんいたので、そういう発想にはならなかったのではないかと思う。それと、地域的に最大数を輩出する幼稚園が、保育園以上にワイルドなどろんこ系保育をしていたため、「幼稚園出身のほうがきちんとしている」というイメージができにくかったということもある。

それで、そのへんの感覚は体験にもよると思うが、せいぜいが、小学校に入ってすぐ、ちゃんと席につけるか字が書けているかというような違いに影響するだけ(影響するとしても)であって、その後、小学校の高学年にもなって勉強ができるとかできないとか、そんなことに影響すると思ったことはない。

ないけれども、21vertexさんが紹介してくれた調査がおもしろかったので、ご紹介。
これは、「平成22年度 全国学力調査・学習状況調査調査結果のポイント」という、国立教育政策研究所の出している資料で、要するに、あの公立小で受けさせられるテスト&アンケートのまとめ。

このPDFの18ページにあるのが、国語や算数/数学のテスト正答率を、「保育園出身/幼稚園出身/どちらもいってない」で比べたというもの。結果は、「幼稚園>保育園>どちらもいってない」の順になっている。

これは、単なる調査結果であって、「それで?」…何がいいたいかというのは何も書いていない。これ(だけ)を元に「よって、幼稚園のほうが保育園より教育効果が高いことがわかる」なんて解釈を書こうもんなら、「んなこといえるわけないだろ」とつっこまれることは目に見えているからそんなことはもちろん書かない。書かないけれども、このグラフを見た人が容易にそういう発想に導かれがちなことは百も二百も承知なうえで、こういうグラフをぽんと提示するというのは、もちろん確信犯でやってることでしょうね(研究所の人だもんね)。

先日、「水」の話と「ゲーム脳」の話を書いたけれども、その話を取り上げている「科学と科学ではないもの」(菊池誠)という文章がある。(「もうダマされないための「科学」講義」 光文社新書)

その中でちょうど読んだばっかりなんだけど、文科省のウェブサイトに掲載されていたパンフレットの「ぼくたち わたしたちの食生活 朝食を食べることとテストの結果を比べてみよう」というところ。調査結果自体は、上にあるものと同じように、ただ結果をグラフにしたもの…「朝食を食べている」ことと「成績がよい」ということに正の相関があるというものである。そこまでは、嘘でもなんでもないのだが、イラストにあるキャラクターに「朝ごはんを食べて成績アップだね!」「よし、これからもきちんと朝ごはんを食べよう」と言わせているところは、ほとんど怪しげな健康食品の広告の手法と変わらない。

つまり、これは相関関係と因果関係を故意に混同しているもので、もちろん朝ごはんを食べるってことは悪くはないので(水がどうたらいうのを信じて挨拶したって悪いことはないのと同じように)、ニセ健康食品を売りつけてるわけじゃないんだけれども。仮にも教育関係者のモラルとしてどうよ。

この、菊池氏の文章の中では、疑似科学で用いられる手法がコンパクトにまとめられている。ご興味のある方はどうぞ。

それで話を戻すと、この調査結果が…統計的に有意な差があると仮定して(知らないけど)、それはいったい何のせいなのかと。
・保育園より幼稚園の教育効果が勝っているせいなのか
・そもそもそれ以外の状況が違うせいなのか

それでここから先は、私の個人的な生活実感であって、科学でもなければ調査結果でもないのだけれども、たぶんこの結果を、所得階層で正規化したらほとんど差が埋もれてわからないくらいになるだろうと想像する。

つまりどういうことかというと、保育園/幼稚園/どちらもいかなかった、の所得分布はかなり違うカタチをしているわけだが、それが無理やり同じ形になるように掛け算をしてそろえてからグラフを描くわけ。

保育園と幼稚園、どっちが「平均」所得が高いかは知らない(昨日検索したけど出てこなかった)。21vertexさんもいっているように、推測するに微妙だけれども、そうではなくて、ある程度以上低いところは保育園のほうに多く存在する。

幼稚園に通わせることができる、ということは、金持ちではないにしてもある程度生活が落ち着いていて、専業主婦か短時間パート主婦を維持できるという場合が多いわけだ。一方、保育園には、バリキャリ(←死語)の共働きもいて、平均年収は押し上げられているけれども、二人の収入を合わせても、あるいはシングルで、生活が苦しい人がある程度含まれている。

年収が800万だろうが1000万だろうがさらに2000万になろうが、それで子どもの学力が上がるかどうかは微妙だけれども、金銭的に生活がぎりぎりであればそれは多くの場合、学力低下をもたらすことは否定できない。

そういったことももろもろ知っていながら、あえて黙ってこんな報告書をまとめてるお役人なんかキライだ~

…と、思ったんだけど。昨日検索してたら、「高松保育園内地域子育て支援センター」の「おうまのおやこ」という広報誌に、これを逆手にとってこんなふうに主張してみては、という提案が:
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「幼稚園と保育所では学力に差があるという統計がでました。しかも幼稚園関係者は、
その原因が充実した遊具や広い運動場にあるとおっしゃっていますが、まさしくその通り
だと私も思います。
だったら今すぐ、すべての保育所に充実した遊具や広い運動場を設置すべきですよね。
ゆめゆめ『近くに公園があれば、それを園庭とみなしてもよい』なんて基準をおくべきで
はないですよね」
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おぉっ!! だまされたフリしてのって、実利をつかむ!!

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by an-dan-te | 2011-12-14 08:06 | 中学受験

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