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はじめてのヒロシマ   

下調べ不十分な私に対して、強力なバックアップをしてくれたのが広島在住の友人(以下Aさんということで)。

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Aさんが作ってくれた詳細なプランによれば、広電に乗るときに五番だけは乗っちゃダメだそうでわざわざ赤字で書いてある。そして五番以外でいうと、ホテルにまず寄って荷物を置くのか、そのまま観光に行ってしまうのかが分かれ目。

ホテルは平和記念公園沿いにあるので、寄ってもたいしたロスじゃないんだけど、どうせたいした量の荷物を持っていないので、少しでも時間の節約ということで直接原爆ドームに向かうことに。

そこまで決めたというのになんとなく私は見かけた路面電車にそのまま乗ってしまい(六番)、これは公園が程近くなったところで左に折れて、原爆ドームには直接つかない。ホテルに寄るならこの路線で正しいんだけど。それで逸れたすぐの駅で降りて徒歩で向かう。乗る前によく考えろってことだよね~朝トラブったばっかりなのにね。まぁ今回のはたいした問題ではない。

はなひめは、たくさんの折鶴が寄せられているオブジェも、原爆ドームも、じっくりじっくり見て写真をたくさん撮っている。去年の秋田のときとはうって変わって、はなひめ自身も旅行で見たことを夏休みの自由研究でまとめようとしているから熱心なのはとてもよいが、熱心なはなひめはとても時間がかかる。

これは資料館まで行くのはとても無理だな…

ここでせかしてもしょうがない。一日目に、宮島のほうだけ済ませておけば、資料館は翌朝に残っても、なにしろホテルのすぐそばだから問題ないだろう。

そこで、二時台の船で、公園から宮島に直行することにして、船の時間までは公園内を散歩して過ごす。

…しかし暑い。好天に恵まれたのはほんとにうれしいがそれにしても暑い。そして暑い中に火がゆらゆらと燃えている。この火は「平和の灯(ともしび)」と呼ばれるもので、何十年も燃やし続けているものだそうだ。はなひめとしては、「火」が怖かったのになぜまた火なのか? 「折鶴」や「水」ではなくて、というのがやや疑問だったようなのだが、そしてそれは私もよくはわからないんだけれども、やっぱり「火」=情熱であって、平和を願う強い思い、エネルギー、それがずっと消えないで燃え続ける(核兵器がなくなる日まで)というのは象徴的にインパクトがあるのかなと思う。

はなひめがこの日に一番感銘を受けたものは、原爆死没者慰霊碑であるらしい。この、トンネル状のオブジェの入り口部分には、「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と刻まれた石碑があり、そちら側から見ると、石碑、「平和の灯」、原爆ドームの三つがそのトンネル内におさまって見える。

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原爆ドームは、意図しないで出来た負の記念物であって、それと、消えない思いを象徴する火、祈りのこめられた言葉がすべて重なって、トンネル状オブジェのデザインという、この上ない人為の営みで切り取られている。はなひめがそんなふうに理屈っぽく考えたとは思わないけれど、なんとなくすごいと思ったようだ。いわゆる「すごい」というより、「凄み」を感じるというか。

次の日の朝、前日とはうってかわって雷鳴轟くどしゃぶりの中、開館時間に間に合うように資料館に着く。

資料館はいくつかのゾーンに分かれていて、原爆が落ちる前の広島、爆弾の説明、そして落ちた後の惨状…などが展示されている。はなひめは前日の原爆死没者慰霊碑から受けた印象もあり、とてもやる気になってメモを取り始めたが、パネルの説明をいちいち写していたのでは、一日あっても終わらない。

Webで簡単に調べられることは…例えば、「リトル・ボーイ」の構造など…は、何も写していく必要はなく、帰ってからみればよいことで、それよりここでしか見られない実物を見たらよいのではと思ってしまうが、でもせっかくやる気になっているはなひめの気持ちをそがないようにしつつ、もっと生で感じられる展示物を見る時間を取りつつ、それでいてある程度の時間で切り上げられるように、誘導するのがたいへん骨が折れる。

ぼろぼろになった衣服、全身をやけどした人の写真、溶けていくつも一体化してしまった陶磁器など、重くのしかかる現実味を感じさせる展示物がたくさんある中で、特にたまらないと思うものは、淡々とした筆致で描かれた体験者の絵など。

漫画的ともいえるラフな筆致で、黒い雨を飲む人々が描かれた絵があった。全身やけどをした人は水を求めて、折から降ってきた黒い雨を、口で受け止めて、あるいは水溜りになったものを飲んだのだ。その黒い雨には放射能がたっぷり含まれており、もちろんそれであってもなくても、その人たちはほどなく亡くなっただろうけれども、ほんとにやりきれない気持ちだ。

そうやって、人の目や心を通して描かれたもののほうが、むしろ生々しく心に迫ってくるように私には感じられた。はなひめは、年齢が違うからまったく違う捉え方をしているだろうけれども、自分なりにずっしりと受け止めたように見えた。出てきたときは、とても疲れたと言っていた。

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by an-dan-te | 2011-07-26 13:26 | 中学受験

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