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集団の差と個人差と   

私の祖父は、長らく小石川とかの都立高校の校長をしてた人なのですが、そういうところって、大昔は男子校でしょ。

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それが、どこかで男女共学になって、でも入試は男女別枠で女子枠が狭く、だんだんやってるうちに、女子のほうがだいぶ高い点を取らないと入れないようになってきた。で、祖父はそのことについて「女子は高校三年間で伸びないから、そのくらいでちょうどいい」といったんだそうです。

それを聞いて私は、ほんとに明治男ってしょうがないなと思いました。まぁその話は人づてに聞いたことで、祖父は私が小学生のうちに亡くなっているので、その発言の真意を確かめることはできませんが。

「女子は高校三年間で伸びない」が事実か事実でないかという話もさておき、仮にそのような集団(の平均)としての差があったとして、個人としては同じくらい伸びる男子と女子がいて、入試のときの点数も同じだったとしましょう。それで男子は合格して女子は不合格。それを「ちょうどいい」で済ます??

だいたい、集団として何か統計的な差がある場合に、それを個人に適用するというのが差別の基本的なしくみのひとつです。

「女性はすぐやめるから」といって男性を採用する、交通事故の賠償金が女児より男児のほうが高くなる(遺失利益算定のときに、男女それぞれの平均生涯賃金をもとに計算するとそうなってしまう)、など。

そういう状況を解消するために、できることは何でしょう?? 男女の平均生涯賃金が違わないということを示しますか?? そんなことはできませんね。事実、違うわけですから。

ひとつの反論の仕方は、個人の特性は「男女」のくくりのほかにもあまたあるわけで、そこだけ分けた統計を使うことになんの意味があるか、というものです。

小学生だけど、すごく勉強ができて本人も意欲があって、将来は大学に進む可能性が高かったとかいうことで、大卒の平均賃金を使って算定させた判例がありました(うろ覚え)。ま、そんなアプローチがひとつ考えられますが、なんか「オイ、そこじゃないだろ」。ツッコミどころを間違えたような居心地悪さがあります。

それよりは、男女で分けた統計を使わない…どうせ個人の特性からきっちり予測できない以上、全体の平均を使おうというのは、納得性が高いような気がします。そのうえで、ある人が「長く勤めてくれるかどうか」予測したいならば、男女というラベルではなくて、本人の意向や資質を手がかりにして採用か不採用かを決めればよいわけです。

何がいいたいかというと、「女子は理系に向いてない」のようなおせっかいなつぶし方をしてくる圧力があるときは、「男女に差がない」という反論ではなくて、個人で考えるということに立ち戻るほうが本質的だということです。

おとといの記事の話題に戻りますと、「算数や数学に男女差がない」ということを主張する必要は必ずしもないのではないかということです。ウィスコンシン大学の研究で使われたような、男女で差がない場面(基礎的な出題)もあれば、日能研やサピの模試のような、男女で差がある場面もあります。いま、中学受験の話をしているのだから、男女で差がない場面「も」あるといわれたって、「だから何?」にしかならないんです。

男女で統計的な差があったって別にかまやしません。

算数得意な男子も女子も、不得意な男子も女子もいる。不得意といってもどこにつっかえているかは個人差が大きいところです。不得意だったら、あるがままの状況をみて、地道に努力するしかなく、そこに女も男もありません。算オリのような超難問はさておき、中学受験の合格に必要な算数くらいだったら、「やったら(ある程度)できる、やらなきゃできない」。ということですね。

ま、その「やったら」の量がえらく違っていて、たいへんなんですけど~

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by an-dan-te | 2011-05-27 08:14 | 中学受験 | Comments(10)

Commented by ももれんじゃ at 2011-05-27 09:28 x
私自身理系で苦手ではありませんでしたが、高校3年時の男子同級生の伸びにはすざまじいものがあり受験が怖くなったこと覚えています。また後輩の女子が浪人して一気に理系伸びたこともありますので、個人差には同意しますが分布はやはり違いますね。

都立高校で自校作成の場合、数学が難しいことから点数順にすると女子が不利に働くそうで合格割合がかなり減ってしまいます。そこで推薦枠を多目に使って内申対応に長けている分女子を多く取れるように対応した学校がありました。それでも女子少ないそうです。とある国立数学科の女子枠についてはどう考えりゃいいんだろうかと。

理系女子獲得は学校にとってどんなメリットがあるのでしょうかね。やはり活性化なのかなぁ。
Commented by nonchan at 2011-05-27 10:33 x
私の出身県では、公立高校に男子枠、女子枠というのはなくて、男子も女子も同じ合格最低点で切られていたので、それが普通なのかと思ってました。
県立高校でしたが、入学後は名簿も男女混合だったし、勉強に男も女もない!と徹底していましたね。
男尊女卑で有名な県なので、逆に、教育の現場から変えていこうという意識が強かったのかもしれません。
トップレベルの男子は私立中高一貫男子校に抜けてしまうという地域事情もあって、県立トップ校では、成績上位者は女子が圧倒的多数でした。
東京や大阪の公立高校は男女別定員なので、男女で合格最低点が違うと知って、めちゃくちゃびっくりしたことがあります。
私立なら学校の方針によっては女子の定員を絞るとかいうのもありだろうし、公立でも別学校というのはあってもいいだろうけど、共学の公立でそんなのあり???って思いました。
教育者側の意識に「女子は伸びない」っていうのがあると、本当に伸びなくなるってことはあるかもしれません。(ピグマリオン効果の逆バージョン?)
私の高校ではそういうのはなかったと思います。入学時だけじゃなくて3年後にもやっぱり、成績上位者は女子が圧倒的多数でした。
Commented by あんず at 2011-05-27 12:27 x
都立高校に男女枠を設けないと、私立の女子校の経営が成り立たなくなってしまうそうです。
都立受験の倍率データをいじる仕事をしていた時に、日比谷の募集人員の男女比が大きく違うことにびっくりしましたが、そんな大昔の話ではなく、つい20年ぐらい前だったような記憶が。
Commented by ぎどん at 2011-05-27 17:28 x
個人の身の上としては「統計的に差があるとしてそれが何?」ですね、何でも。「男子は数学/算数が強い」とか「体が柔らかいのは女子」とか言われて、それが本当に統計的に有意だったとしても、各個人は当然外れ値だったりするから。

他方、「詳細に検証できないからざっくり『その傾向がありそう』な人だと見なさないと始められない」とかいうのは仕方ないだろう、という気がします。ただし、「『外れ値はいけない・外れ値は変だ』などとは見なさない」「外れ値は『なきもの』として絶対に受け入れない」とかいうのはあかんだろうと。

統計的に(かどうか知らんが)「ムードのあるフランス料理店にめかしこんで行こうぜベイベー」と誘って「焼き鳥屋でビールがいいなー」と言われても「そういうのは女じゃない」と見なしたりするのはあかん、ってことかなと(笑)。「男性が払って~」とねだって「ワリカンにしようぜ」と言われて「ホントに男なの?」とか言うのがダメってのと同様ですね。「焼き鳥食う女は好みじゃない」「払わない男は好みじゃない」は個人の趣味だと思いますが(笑)。
Commented by くるみ at 2011-05-27 19:40 x
私の高校は男子は女子の3倍取りました。女子の偏差値が男子よりずっと高かったです。
当時の校長先生が、お祖父さまのような考え(すみません)だったのだと思います。
でも私も同じ考えを持ってたんですよね。

中学高校も同じだった男女を比べると、男子の伸びがすごく高かったんです。ビックリしました。
大人になって知り合った女性も、「中学までがピーク」って人がなぜか多い。たまたまなんでしょうけど^^;
もし私の高校が女子も男子と同じ人数を取っていたら、女子の中にもそういう子(中学より伸びる子)がいたかもしれないですよね?
だから何とも言えないわけで・・。

後伸びの男女差は、成長の時期の差だと思ってました。
息子を見てると、大人の社会では通用しない幼い考えや行動がまだ多いです。
中学時代まで地頭だけで勝負してた男子が、高校でようやく要領をつかんで(大人に近い考え方)、勉強し始めるので、伸びてくるのでは?と思ってました。
その辺りはどうなんだろう?

すぐ男女で比較するのは良くないのかもしれないけど(個人差も多いので)、現実に、どうも理解しがたい物体?(異性)がいると、ついくくってみたくなりますね^^;

Commented by an-dan-te at 2011-05-28 08:00
ももれんじゃさん、
私は高校時代、共学じゃなかったけれど、高三のとき通っていた駿台はまぁクラスみたいなもので、しかも成績で席順決めたりしてね、お互いばっちりわかるわけですけど。

確かに、後半のほうが相対的に男子が上がってきてました。私は、これまで勉強してこなかったのね~と思っていたけど(^^;;

都立校入試で、内申重視・共通問題にすると女子の成績がよくなり、数学の問題が難しくなると男子の成績がよくなるということですかね。結局入試は、どういう生徒を取りたいかという学校の価値観の反映なんですが、入試方法を工夫するならともかくあまり姑息な人数操作をするのはちょっと無理やりな感じですね。
Commented by an-dan-te at 2011-05-28 08:07
nonchanさん、
> 男尊女卑で有名な県なので、逆に、教育の現場から変えていこうという意識が強かったのかもしれません。
おぉぉー。なるほど。

> トップレベルの男子は私立中高一貫男子校に抜けてしまうという地域事情もあって、
なんだかんだあって、女子が元気な共学校なわけですね。

そうすると、
> 私の高校ではそういうのはなかったと思います。入学時だけじゃなくて3年後にもやっぱり、成績上位者は女子が圧倒的多数でした。

…こうなるんだ。おもしろいですねぇ。

こじろうの学校は、男女別定員で、女子のほうが入るの難しいんです。元男子校で、女子のほうが多い学校にはしたくないし、でも大学がついてると女子のほうが多く志望する傾向にあるから…みたいな事情から男女別枠が外せないのかなと。でも都立があんまりそういうことをやるのはね。
Commented by an-dan-te at 2011-05-28 08:10
あんずさん、
> 都立受験の倍率データをいじる仕事をしていた時に、
えぇぇー、どういうお仕事(o_o)

あ、それはともかく、都立校入試の変遷というのもなんかいじりすぎでぐちゃぐちゃで、もしもっとまともにやっていたら東京都の入試地図はもっとぜんぜん違うものになっていたんでしょうね。あの、群制度とかいったいなんだったのかなぁ…

> 私立の女子校の経営が成り立たなくなってしまう
???(o_o;;
Commented by an-dan-te at 2011-05-28 08:12
ぎどんさん、
そうですね。集団としてのふるまいを調査して、マスの教育政策に役立てるというような活動はやっぱり必要なのかなとは思うんですけど。

「外れ」値の子に居心地悪いようなのは困りますね(^^;;

焼き鳥のたとえ、オモシロっ。
Commented by an-dan-te at 2011-05-28 08:17
くるみさん、
> 当時の校長先生が、お祖父さまのような考え(すみません)だったのだと思います。
あぁぁ~申し訳ない。というか、生前の祖父とはほとんど接点がないんですが(^^;;

> 中学高校も同じだった男女を比べると、男子の伸びがすごく高かったんです。ビックリしました。
それが何によるものかって、興味深いですよね。
それこそ、教育者のピグマリオン効果みたいなもの…
男子があとまで勉強しないとか…
親からの期待や誘導が違うとか…

あぁ、理解しがたい存在。またろうとか、こじろうとか。脳みそのかたちに極端な特徴がある人って、やっぱり男性のほうが多いと思うんだよね。おしなべて勉強できるとかできないとかではなくて。

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