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算数や数学に男女差はない!?   

日能研に通っていると、「進学レーダー」という雑誌のチラシをよくもらうのだが、これまで常にスルーで、買ったことはなかった。しかし。

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「さらば! "算数オンチ" なわが子」という特集にくらっときて初購入。むむ、やられた。

特集自体はけっこう多方面からまとめられていておもしろかったのだが、ふと気になったのはこのフレーズ
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「女の子は、男の子に比べて算数や数学が不得手である」というイメージを持つ人がいますが、算数や数学に男女差はないことは、最近の研究でも明らかになっています。
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この太字部分は、2008年にウィスコンシン大学で行われた研究や、日本の国立教育政策研究所で行われた同様の調査を元にしているのだが、とにかく「男女の間に成績差はない」というのだからすごいではありませんか。

これがたとえば、男女の間にもともとの素質の差はないが(って、どうやって確かめたらいいかよくわからんが)、そののちの社会的な性差(与えられるおもちゃや遊びの差、職業イメージの差、教師の期待の差など)から成績の差があるとかいうような結論ならまだわかるような気がする。

しかしそうではなくて「成績」には差がないという結論だよ?? それでもって、ふだん目にする、日能研のカリテや公開模試の結果でいうと、明らかに男女差があるわけです。

たとえば10000人受ける公開模試で、算数が1000番くらいとすれば、人数が男女半々なのに男女別順位は300番くらいとかそんな調子です。上100人とかとればもっと偏っているかもしれません。ちなみに、四教科の順位でいくとこの男女差はやや縮まります。

じゃどういうことなの?? 「本来」、男女で算数の成績の差はないはずのところ、日能研がわざわざ女子に合わない指導法でもして格差を作ってるとでも?? そんなわけはありませんね。それに、日能研に限らず、サピックスでもどこでも、たいてい似たような傾向があると思います。あと、数学者は明らかに男性が多いとか…

元々の研究の中身ですが、検索したらこんな記事がありました:
-----「「女性は数学苦手」は俗説 全国試験解析で米研究者」----
 【ワシントン24日共同】全米の小、中、高校生を対象に実施された数学の試験の成績を解析したところ、男女差はなかったとの結果を米ウィスコンシン大の研究チームが25日付の米科学誌サイエンスに発表した。

 チームは「女性は数学の能力に劣るとの固定観念が親や教師にあるが、認識を改めないといけない」と指摘している。

 チームによると、2002年以降に義務化された全米一斉試験で、日本では小学校2年生から高校2年生に相当する児童・生徒約700万人分の数学の成績を10州から入手し解析。その結果、女性が勝っている学年の方が多かったが、男女差は極めて小さく、統計上有意な差はなかった。

 男性の方がばらつきが大きい傾向にあったが、トップレベルの成績についても男女差は認められなかった。
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(日本の研究はたとえばこちら)

ひとつのポイントは「男性の方がばらつきが大きい」ということです。仮に、平均値が違わなくても、男性のほうが極端なのだったら、数学者は男性が多いことと矛盾しないかもしれませんね。

でもとにかく、確かに「成績」で男女差がなかったとあります。しかも高校生まで…ますます、認識とのギャップを感じます。

しかしどうやら、この疑問を解くヒントは「義務化された全米一斉試験」のあたりにあるようです。つまり、おそらくは日能研公開模試の算数なんかより、えらく問題が簡単なんでしょう。日本の研究のほうはやたら詳細に載っているので、一部問題例もついていますが、冗談かと思うほど簡単です…

結局のところ、なんのひらめきもセンスも関係ない、ごくごく基本問題であれば、算数や数学の成績に男女差はないってことなんじゃないでしょうか。ぶっちゃけ、勉強してあればできるししてなければできないし、もしかしたら男性のほうがばらつきが大きかったのも、素質がどうこういうより、勉強態度の差のばらつきがでかいことを示しているにすぎないかもしれません。

我が家でも日々、算数や数学に男女差があるように感じられてしまうわけですが、これは難関校入試レベルの算数・数学を解いてようやく明らかになる程度の差であって、公立小学校中学校のテストレベルでは差はないでしょう。というか、はなひめのほうがまたろうよりできるでしょう(^^;;

だから、「算数や数学に男女差はない」といわれても、確かにそういう見方もあるけど、だからなんだっちゅーねんという話にすぎない。けどまぁ、強いて前向きにメッセージを読み取れば、数学者になろうっていうことじゃなくて、単に中学入試を突破する程度の算数であれば、やればできるしやらなきゃできない、不得意だとかなんとかいってないで地道にやれよ。ってことかな。(*)

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(*)ちなみに、ウィスコンシン大学さんの研究は、中学入試の算数について男女差がないというお墨付きを与えるものではないようだが、まーそんなことは気にスンナ。どのみち、性差より個人差のほうが大きい(笑)

by an-dan-te | 2011-05-25 07:50 | 中学受験 | Comments(20)

Commented by りんご母 at 2011-05-25 08:58 x
タイトルに惹かれて、私もやっぱり買ってしまいました(爆)
男女差がないって言われてもねえ…
目の前にはこんなのがいる訳で。
はい、ごちゃごちゃ言わずに地道にやることにします…
Commented by nonchan at 2011-05-25 09:44 x
「素質がどうこういうより、勉強態度の差のばらつきがでかいこと」
これと同じようなことですが、東大附属中高の双子の研究で、一卵性双生児の数学の成績の相関があまり高くなかったというのを聞いたことがあります。
テレビで見ただけで記憶がちょっとあやふやですが・・・
いちばん相関が高かったのは体育。当たり前か(^^;
英語や国語はわりと相関が高かったと思います。これは環境要因(同じ家庭で育っている)が大きいのかも。
それに比べると、数学は、学校の定期テストレベルでは、生まれつきの素質や家庭の生育歴よりは、日頃ちゃんと勉強してるかしてないかがモノを言うのでしょうね。
Commented by Buckeye at 2011-05-25 11:00 x
「数学者は男性が多い」と「男のほうが数学が得意」は必ずしも関係ないと思うなぁ。プロの料理人は圧倒的に男が多いわけで、じゃあ、男のほうが料理が得意かっていったらそんなことはなくて。仮に料理も男はばらつきが大きいにしても、ね。
Commented by ゆーほ at 2011-05-25 14:00 x
こんにちは。いつも読ませていただいています。

>この疑問を解くヒントは「義務化された全米一斉試験」のあたりにある

このへんのアンダンテさんの分析、非常に同意します。
文科省が実施する全国統一の学力テスト(今年は震災の影響でなくなったようですが)だって、中受の勉強をしている子にはとても簡単なので、算数が超できる子も、算数苦手のうちの娘も、同じ得点でしたよ。
でも難問が多いと上位層がバラけてきますよね。公立高入試での共通問題だと差がつかないけど、駿台模試では相当バラけるのと同じ。

思うに、2005年に当時のサマーズ・ハーバード大学学長が「女子の方が理系に弱い」的な発言をして総スカンを食らっていますが、それに反発した研究だったのでは、とちょっと邪推?しています。いかにもジェンダーフリーの主張とラディカリズムの伝統あるウィスコンシン大らしい研究ではありますが。「結果が間違ってる」とは思わないけど、ぜひnonchanさんのおっしゃる「環境要因」によるばらつきをできる限り排除して、中受のような世界での性差の有無を研究して欲しいですね。
Commented by ぎどん at 2011-05-25 19:46 x
周囲に関して「男子のほうが算数がよさそう」という感触はありますが、
身近なサンプルである上ムスコには全く当てはまらないので、
我が家的には「どのみち個人差のほうが大きい」に着地です(笑)。

個人差だから仕方ないんだよオトコで算数苦手でもっ。←開き直り
Commented by きーちゃん at 2011-05-25 20:11 x
私は、算数の得意な女子でした。塾にいた周りの男子に、あいつには算数はかなわない、と言わせた女子でした。難問も大好きでした。灘や甲陽の問題を解いてガッツポーズ、ということをしてましたね。。

というわけで、個人差、に1票です。
Commented by an-dan-te at 2011-05-25 21:09
りんご母さん、
やっぱり気になりました~?? このタイトル(^^;;
結局、いいたいことは、才能があろうがなかろうが地道にやれば足をひっぱらない程度まではいくからがんばれってことみたいですね…そこまでにかかる手間がえらく違うのだが…
Commented by an-dan-te at 2011-05-25 21:11
nonchanさん、
体育はね…生まれ持ったものの大きさ、あとは環境もあるんでしょうけど、どうにもなりませんわ。
定期テストの数学くらい、ちゃんとやればできる(やらなきゃできない)ということはあるでしょうね。
Commented by an-dan-te at 2011-05-25 21:22
ゆーほさん、
はー、そんないきさつがあったんですか。
> 「女子の方が理系に弱い」的な発言をして総スカンを食らっていますが
まぁ、どんな文脈でいったのかわかりませんが、仮に集団として性差があっても、理系に強い女子もいるわけだし、それをつぶすことのないようにしてほしいですね。

現実問題、中学受験でも男女差は出ているので、ウィスコンシン大学さんには(というか、そこでなくてもいいけど)、ただ簡単な問題やったら男女差がないとかいう役に立たない話ではなくて、現実的に「算数ぱっとしない」子の指導方法の工夫とか研究してもらうほうが。
Commented by an-dan-te at 2011-05-25 21:26
ぎどんさん、
数学できる女子もたくさんいるけどね(数学できない男子もたくさんたくさんいるしね(^^;;)…でも、なんか、またろうやよしぞうみたいな「できかた」(つまり、とんがり方・バランスの悪さ)みたいなのってちょっと男っぽい(数学できる女子とはちょっと違う感じ)って思うことはあります。うまくいえないんだけど。
Commented by an-dan-te at 2011-05-25 21:31
Buckeyeさん(あ、順番間違えた)
料理ってのはまた、ねじれの大きいジャンルですよね。強烈なジェンダーバイアスから、日常の料理は著しく女性に偏っており、そこでは個人の適性なんちゅーもんは吹き飛ばされてしまうという…それでいて、プロ料理人になると男性が多いんだけど、確かに腕力とかあるほうがいいのか?? とも思うし、やっぱりジェンダーバイアスのほうが強いような気もするし。

料理は特に女に向いてるとか男に向いてるとか思わないな~誰だってやりゃーできるでしょ(算数数学の基礎も同じか…)
Commented by an-dan-te at 2011-05-25 21:35
きーちゃんさん、
はなひめに爪の垢をぜひ(^^;;

> というわけで、個人差、に1票です。
そりゃもう。
記述力模試だか、なんか平均点低めの算数でこじろうが一度だけ一桁順位をとったことがあってわかったんですが、確か平均点は男女でずいぶん差があった(男子のほうが高かった)んだけど、トップ近くの数人には女子がかたまってた模様です。
Commented at 2011-05-25 23:50 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by くるみ at 2011-05-26 00:29 x
はじめまして。
またろうくんにちょっと似た公立中に通う中2の息子がいます。
またろうくんの記事を読んで、すっかり引き込まれてしまいました。
すごく励みになっています。
親の遺伝ってどこ?としっかり者タイプだった私が、息子を理解できずに苦労しています><。
またろうくんのような素直さも無いので、違う苦労も抱えています。
数学ですが、息子も一番好きです。特に難問が好きです。
しかしケアレスミスがひどいです。ちょっとやそっとじゃないです。
点数を見る限り、数学が得意なのか得意じゃないのかわからないくらいです。
勉強も、時間を気にしないし、答えも写すし、勉強をやったふりも(-_-)手遊びも昔からで、今はずっとペン回しをやってます。
ところが、こんなタイプなのに、才能の片鱗を感じる時があるんです。またろうくんほどじゃないですが^^;
落ち着きの無さと同じくらい集中力があったり・・。
息子はバカなのか頭がいいのかわかりません。
女子にはいないタイプだとつくづく思います。
苦労しますが面白いですね。いや、苦労の方が多いです(涙)
これからも楽しみにしています^^
Commented by トマト at 2011-05-26 09:29 x
こんな話を聞いたことがありますよ。女の人は日々体温やら体調が変化するので、料理の味がビミョーに変わる。だから、お母さんの手料理は毎日食べても飽きないけど、男の人はいつも同じ味になるから、プロの料理人には向いている。ただ毎日食べると飽きてくる、ってね。きっと、こじつけなんですけど(^^;。ちなみに妹は板前です。修行時代は男社会のなかで大変そうでした。

で、算数の話ですけど、やっぱ皆さんと同じく性差より個人差に1票ですね。だいたい教育関係の研究って最初に結論ありきが多い気が…。「朝食食べる子の方が成績が良い」とかね。交絡因子ありありな研究っぽい。

でもって、一定レベルまでは真面目にやったらいきますかね?その~、大学受験レベルでも。

最後に横ですみませんが、↑くるみさんのコメント、すごく親近感がわきました。特に「息子はバカなのか頭がいいのかわかりません」ってとこ(笑)そう言えば、小学校の友達にも言われてたな~。
Commented by an-dan-te at 2011-05-26 19:56
***(2011-05-25 23:50)さん、
ぉお、すごい、すごい!!(^-^)
努力の勝利ですね。つくづく、努力の才能があるな~と思います。
Commented by an-dan-te at 2011-05-26 20:01
くるみさん、はじめまして。
ん~、またろう似で公立中に通う二年生、ということは、親として心労が多いだろうとお察しいたします(-_-;;

> 点数を見る限り、数学が得意なのか得意じゃないのかわからないくらいです。
はは~(^^;; そうですよね。いつか回路がつながると、点数にも出てくるかも。それがいつかはわからないけど…

点数に出てなくても、親としては子どもの才能を信じるというか、よい面を知っているわけですけど、歯がゆいですよね~
Commented by an-dan-te at 2011-05-26 22:32
トマトさん、
そりゃ、いかにも後付けっぽい(^^;;
妹さん、かなり閉鎖的と思われる男社会の中でがんばりましたね。

はなひめには、またろう兄の数学、こじろう兄の算数を超えるのは難しくても、別に一般的な意味ではなちゃんが算数ダメなわけじゃない。今までのところ、やった分はちゃんとできてるから自信をもってがんばれといっています。

個人的には、中学受験の難問算数より、高校数学(大学受験)のほうが、むしろやったらなんとかなるものじゃないかと思っています。ただ積み重ねが長いだけで…

バカなのか頭がいいのかわからない、というとやっぱりこじろうが一番です。またろうは、バカなところと頭がいいところがあるけど、それがどこなのかは見たとおり、別にわかりにくくはない(笑)
Commented by Willy at 2013-05-28 05:40 x
2年前の記事にレスですみません。米国で数学を教えている者です。男女別にテストの出来を見てみると、確かに平均は同じ位なのですが、ばらつきには相当な差があります。標準偏差でいうと2倍くらいの差です。150人のクラスならトップ3人とボトム3人は大抵、男子になります。これには質的な差もあって、既存のパターンの問題は女子の方が得意で、新しい問題は一部の男子学生だけが解ける、ということなのかも知れません。

しかし、子育てをしている実感からすると男女差はありますよね。娘はまだ米国で小1ですが、娘より算数が得意なのはみんな男の子です。
Commented by an-dan-te at 2013-05-28 12:13
Willyさん、
平均は同じくらいでばらつきがでかい、とすると、引用した研究と同じ結果ですね。標準偏差で倍ってのはすごいですね。

> 既存のパターンの問題は女子の方が得意
これもあると思います。練習してある問題を正確に解くってことなら、女子のほうが平均的にはできると思うし…なんやかやでざっくり平均値はとんとん、と。

中身というか実感では男女差は確実にありますね。おもしろいもんですよね~

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