人気ブログランキング |

偏差値を禁句にしたって個性が生まれるわけじゃなし   

毎日新聞の記事で、「偏差値:埼玉県で「復活」」というのがあったんだけど…

  にほんブログ村 受験ブログ 中学受験へ←偏差値はただの統計値。道具は使いようでしょ

復活というからにはいったんは死に絶えていたんだ(^^;; というか。この記事によれば、旧文部省が業者テスト追放の通達を出したのは93年2月だって。

つまり、公立小学校ではもちろん中学受験に関してノータッチなんだけど、公立中学校ではとにかく全員をどうにかしなきゃいけないから、それなりに熱心に進路指導をやる。指導のための材料としては、まず内申…これはもちろん中学が握っているんだけれども…そのほかに、当日のテストでどのくらい点が取れるのかを占わないといけない。だからそのために業者テストをやって偏差値を出していた。

そしてその「弊害」として、偏差値輪切りで指導されてしまいがちだということで、件の通達が出たわけだ。

しかし業者テストをやめてしまうとどうなるかというと、(ペーパーテストの)実力がわからないと、ぶっちゃけ困るわけなので、「進学指導を学習塾に頼る傾向が強まった」。当たり前なんだけど。それで今回の復活になったのだという。一斉に方針変更があって復活したというよりは、自然発生的にそれぞれ復活したので、業者テストを使っているところもあれば、中学校で製作している場合もあるとか(業者テストじゃないからいいだろう、というような考えもあったのか?)。

県教委は業者テストでなくても「第2の偏差値を生み出す危険性がある」(*) とのことで自粛を求めていたが、06年に「進路相談に活用できる資料が十分でなく、中学校に対する生徒・保護者の信頼感が損なわれる懸念がある」と方針転換。それから実施校が増えて去年あたりはほとんどが実施していたという意味での「復活」。

県教委のコメントは「小学生から、目標を持って自分の進路を決めるよう丁寧に指導している。詳細は把握していないが偏差値を出していたとしても、以前のように偏差値での(進路先の)振り分けにはならないと考える」とのことで、誰が聞いても苦しい言い訳にしか聞こえないが(というか「詳細は把握していないが」といった時点で語るに落ちた…)。

ところでこの話は埼玉県の話なんだけど。東京都教委は「中間や期末テストなど日々の学習状況を基に進路指導している」ということで、テストをやってない(偏差値を使ってない)とバックレている模様。もちろんそんなことはなくて、というかそんなことができるはずはなくて、またろうが公立中に通ってたときも業者テストやって偏差値出してましたよ。都内の別の市や区に住んでる友だちのところも同じテストだったから、けっこう幅広く実施されているもののようだ。

またろうの中学校の進路指導説明会では、「内申と合わせて、このテストの結果を元に、ほぼ確かな予想ができています」と自信を見せていた(*)。都教委が実態を知らないわけはないけど、まぁ大人の事情といったところか?

業者テストを廃止させたくなった気持ちというのはわからなくもないのだが、つまり偏差値だけで行くべき高校を振り分けてしまうのは寒いというか薄っぺらいというか…そういう問題があるのはほんとうだ。ただ、だからといって偏差値を悪者にして排除したところで、それだけで事態がうまく回ると思うほうがどうかしている。

実際、高校入試に使われているモノサシは、内申と当日テストの二本立てなわけだ。偏差値に「とらわれない」進路指導をして、「ここに行きたい」という希望を明らかにするところまでは、もちろんそれでよいとして、次に「そこは受かりそうなのか?」を知りたくなるのは当然で、データさえあればどうにもこうにも受からないということがわかるものを、目をつぶって特攻させたからといって得るところはなんにもない。貴重な日程を使って、受かりそうなところの中で本人の希望にも沿うところを探すほうが建設的なのは当たり前だ。あるいは、今は足りないけどまだ日にちがある、ということならそれこそ、目標がはっきりしたところでがんばってみたらいいだろう。

中学校でそういう指導ができないように縛るとすれば、そのニーズが塾へ流れるのは当たり前。ある程度教育熱心でお金も出せる層ならそれでもよいが、親が塾テスト代を出さないとなれば中学校の先生も指導のしようがなくて困るだろう。

高校入試のモノサシを「業者テストの偏差値」とは無関係なものにするというなら、偏差値からの脱却といえるけど、モノサシを変えないまま、偏差値を禁句にしても何も始まらない。受かるかどうかの占いをしないというだけのことにイノチかけてどうする。

と、思うのだけど。関連記事として、法政大教授(臨床教育学)の談話というのが載っていて、
「偏差値は本人の学力を示すものではなく、他者との比較を見るものに過ぎない。学校が偏差値やそれに代わる志望校別の得点分布図を使い出せば、個性や将来の可能性を軽視する進路指導につながる恐れがある。」
だって。何がいいたいのかさっぱりわからない…(-_-)

にほんブログ村 中学受験 ←ランキング参加しています。

(*) このセリフ笑える。偏差値に第一も第二もあるかい

(*) もっとも、このテストは都立入試の標準問題に合わせた難易度になっているようで、突出した得意科目で稼いでカバーすることができないから、またろうの偏差値とか非常に「けちょい」のだが。またろうが「桐朋を受けたい」といったら、担任の先生は何かの悪い冗談だと思ったらしいが(^^;; 塾テストを見せたら「へぇー、数学できるんだね」といってちゃんと書類は書いてくれた。

都立でも自校作成問題を出す学校や、難しい問題を出す私立の合格判定に関しては、結局塾頼みになるのはもちろんしかたがない。

by an-dan-te | 2010-12-27 14:19 | 高校受験 | Comments(7)

Commented by ももれんじゃ at 2010-12-28 00:13 x
東京都の公立中で実施された学力テストは何回かあって学校側が実施回をチョイスするみたいでした。
息子の学校は2回実施。問題用紙に何回目の試験か書いてあったように記憶してます。偏差値なしの点数のみ開示でしたがまさに業者テストですよね。

二年最後の三者面談で志望校を問われ都立トップ高を口にした息子に対し、「ほーぉ」と笑っていた担任の先生。三年の最初の面談で、得点換算表を出し「この内申では5教科満点近くとらないと合格できません。」と説明され、だから自校作成問題の学校を受験するんですと説明したときの沈黙。
内申だけの進路指導だと、マジで志望校受験自体が圏外。

一方で「進路指導はしますが受験指導はしません」という印象的な言葉もいただきました。
要するに、ここを受けろとか受けるなとは言わないということなんでしょう。
Commented by ももれんじゃ at 2010-12-28 00:13 x
なお、埼玉は教員と私立高との入試相談などの接触も禁止しましたので、外部業者の試験結果を持って受験生が相談にまわるシステムができあがってしまいました。
そこまで拒否しておいて、見せてとも言いにくいからの実施なんでしょうか。
埼玉はここ二年入試が変更されていて、学校によりかなり細かい加点要求がありますが、必ず学力テストが入るようになったのも影響しているのかもしれませんが。
Commented by an-dan-te at 2010-12-28 12:46
ももれんじゃさん、
そうそう、友だちに聞いたら、同じテストだったけど回数は違いました。確か平均点くらい書いてあったかと思うけど(うろおぼえ)、偏差値書いてないのよね。「偏差値を出した」といわれないように予防線を張ってるとしたら笑える(^^;;

トップ都立であれ、難関私立であれ、別に中学校に対策やら合否判定やら期待しているわけはないから、「どこか都立に入れてください」という家庭などのニーズを満たすとしたら、内申+業者テストの公立中進路指導はきちんと機能していると思います。

それにしても高校入試の仕組みってややこしいですよね。すぐ変わるし。一発試験の中学入試はほんとにシンプルだわ。
Commented by あんず at 2010-12-28 21:10 x
確か、業者テストに意義を唱えたのって埼玉がきっかけだったんですよね。今は業者テストの結果を持って行って私立高校の併願を取るのがあたりまえですからね。
学校で受けた業者テストは、東京の場合は何種類かあるようですが、一番多いのはWかな。
学校では実力完成シートという名称ですよね。春に一回、秋からは毎月のようにありますよね。確かに、点数だけで、偏差値はでないのですが、都立受験用には五教科で何点取れるかがわかればいいので、偏差値出さなくてもいいのかもしれません。
中学校三者面談では、塾の面談で先生が使っていたのと同じWの黄色い冊子を出して、内申と点数で可能性何パーセントという指導で、つまりは学校もそれに助けてもらって受験指導していましたよ。
Commented by an-dan-te at 2010-12-29 12:33
あんずさん、
併願というのもなんかわけわかんない仕組みですけど、高校はとにかくどこか合格を確保しないといけないですから、有難いといえば有難いですね。うちは業者テストとか内申ではなく、英数国の試験を受けて併願取りました(私立高専)。

またろうの中学でやっていたのは、「創育」という会社の「領域別テスト」というもので、これはこれであちこちで使われているみたいです。

> 都立受験用には五教科で何点取れるかがわかればいいので、偏差値出さなくてもいいのかもしれません。
なるほど…。難易度さえきちんと作っておけばですね。

でもまぁ、個人には偏差値を開示しないにしても、相対的な位置から判断するらしかったです。またろうの入試にはあんまり関係なかったけどね…ハイ、数学の問題がそんな簡単なところじゃ受かりません(笑)
Commented by 浦和」 at 2010-12-31 12:49 x
私、古本屋で買った「何故私は業者テストを廃止したか」という埼玉の元教育長の本を読みましたが、いかにも正義の味方みたいな内容で「あなたが埼玉のシステムをおかしくしたのよ」言いたくなったのを覚えています。あまりにも腹がたったので捨てました。
 私も毎日新聞読みました。法政の教授のコメントは自分の母校の教授だけに恥ずかしいと思いました。
Commented by an-dan-te at 2011-01-01 08:34
浦和」さん、
「何故私は業者テストを廃止したか」ですか。
怖いもの読みたさっていうか、ちょっと読んでみたい気も。

> 自分の母校の教授だけに恥ずかしい
はは(^^;;
まぁこういうコメントって、本人の意図と違う形に切り出されてる場合もあるから。ほんとはどういうことを言いたかったのか聞いてみたいですけどね。

<< 冬期講習の役割 「まさか、ウチの娘が受かるとは... >>