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四十九日とAve Maria   

昨日は、四十九日とピアノの発表会をハシゴするという、すごく無理目な日程になってしまい…

バテました(-_-;;

とりあえず、叔父(父の弟)の四十九日の話。一週間ほど前に、父から楽譜コピーが送られてきて、「これを歌うから練習しておくように」と。楽譜は「Ave Verum Corpus」(by Mozart)。え?? お坊さん呼ぶんでょ?? そこでマリア様?? (o_o;;

どんな雰囲気なのかよくわからないままに会場へ。行ってみると、人数分の弁当が既に並んでいる椅子席があって、部屋の前には仏壇風のしつらえ。

登場したのは、フレンドリーによくしゃべるお坊さんで、まず浄土宗と浄土真宗の違いをひとくさり。浄土宗は「出家(山に篭って滝に打たれるイメージ?)」で行をするし、浄土真宗は「在家」で行をするんだとか。彼は浄土真宗なので、「頭を丸める決まりもないんですよ。私がごましお(坊主ではないがかなり短髪)にしているのは、朝シャンの必要もないし便利ということでね」…
(注: 以下、お坊さんのお話は、私が理解した範囲で書いてますので、そういうつもりでお読みください)

戒名の意味とかもいろいろ話してくださったのですが、その続きで「亡くなった方があの世に向けて長い旅をして、無事三途の川を渡れるようにということで旅装束させたりしますね。六文銭持たせて。あれ、浄土真宗ではやらないんです。阿弥陀仏が、こう…すっと運んでくださるからです。亡くなると、体はお墓に入りますね。精神は、残されたかたがたのお気持ちの中に残りまして、それで、あとは『業』といいますが、その方の行ったことですね。あれをああしたかったがうまくいかなかったとか…そういうものを、阿弥陀仏が、すっと持っていってくださって、仏様のレベルまで連れて行ってくださるわけです」…なんか、かなり簡略化されているわけですね。浄土真宗になって。

「ですから今日私が皆さんにお話しして帰りたいのはですね。『南無阿弥陀仏』ということなんです。そういうふうに、阿弥陀仏に助けてもらうのに必要なことは、朝晩、『南無阿弥陀仏』と、唱える。これだけです。これは、祈りというのとは違いましてね、何をどうしてくださいと祈る必要はないんです。祈らなくても阿弥陀仏がよいようにしてくださいますからね。信じる気持ちと感謝の気持ちで十分なんです」

というわけで、この四十九日で唱えられるお経も、「祈り」ではないそうで、何せもう「すっ」と、行けちゃってますから、「成仏できますように」と祈る必要はないんですって。ただ、阿弥陀仏への感謝、賛美のお経だそうです。

お経が始まってびっくりしたのですが、このお坊さん、しゃべりはなかなかぼそぼそと聞きづらかったのに、お経になると別人のような、朗々とよく通る声で、あのよくある一本調子のお経読みではなく、明らかに節のある「歌」でした。賛美歌だから?? あ、それで、「Ave Verum Corpus」なの?? まさか。

いや、「Ave Verum Corpus」はもちろん浄土真宗とは何の関係もなく、ただ歌好きのきょうだいたちが提案したものらしいのですが。

お経が終わって、お坊さんも交えて雑談しながらお弁当タイム。あらかた食べ終わったとき、きょうだいたちといっしょに一列に並んで、私も歌いましたよ。お坊さんの前で。「Ave Verum Corpus」。こんな体験は一生一度だと思うし、まぁ。しかし明らかに讃える対象がバッティングしてますよね、この歌。

歌い終わっても、お坊さんは平然としていて、「息子の結婚式のときは、キリスト教式でしたよ」とかいう話をしています。そしてさらに、中座するときに「これから、三時までに神社のお祭りに行かなきゃいけないので、失礼します。近所の子供会の手伝いでね」…神社!?

幅広いおおらかな宗教心、なのかな…。おばさん(叔父の妻)も、開始時には傍で見るのもつらい、疲れ果てて混乱した顔をしていたが、お坊さんの説教をすごくうなづきながら聴いていて、そのあとの雑談もはずんでいて、終わったときはやや気持ちの一区切りという顔になっていた。お坊さんのお仕事ってだいじなんだなと思いました。


四十九日とAve Maria_f0185839_7311032.jpg今日の弁当:
そんなわけで作る気力もなく、厚焼き卵は紀文、あと定番の冷凍品。
メインは豆腐肉団子とオクラ。

by an-dan-te | 2009-07-06 07:36 | 休日 | Comments(8)

Commented by nonchan at 2009-07-06 10:14 x
すごくどうでもいいことですがつい気になって・・・Ave verum corpusはマリア様を讃える歌じゃないです(^^;
歌詞の中でMariaと出てくるのは「めでたし、処女マリアから生まれたまことの御体(Ave verum Corpus natum de Maria Virgine)」と言ってる部分なので、讃えている対象はマリアじゃなくてイエスなんですね。
どっちにしても、法事で歌うのは不思議な感じだけど(^^;
Commented by an-dan-te at 2009-07-06 10:48
nonchanさん、フォローありがとう(^^)
ぜんぜんわかってませんでした。いい曲でしたけど。
ちょいと修正しました。
Commented by メゾフォルテ at 2009-07-06 19:52 x
今日は早めに帰ってきました、息子が勝手に遊び回らないように。
しかし、どこまでいっても暢気で呆れます。
「試験範囲、全部終わんないな」だと・・・
ああ、他力本願、「南無阿弥陀仏」そのものでございます。
Commented by アメデオ at 2009-07-06 19:53 x
Ave verum corpusいいですね。
法事で歌うのはちょっと驚きですけど。
以前、その時住んでいた土地の地主さんのお葬式で、お坊さん(たしか禅宗だった)の読経のあと神主さんがお祓い?をしたというちゃんぷる〜なお葬式もビックリでした。
大往生な場合の法事ならにぎやかな方が故人も喜ぶかもです。

若い人(特に小さなお子さんがいたりする)のお葬式は出るたびに辛いですけどね…。
Commented by 無謀 at 2009-07-06 20:06 x
不謹慎ですが、読んでて笑っちゃいました。日本はいろんな宗教におおらかでいいですね。
私の祖父の法事でも「南無阿弥陀仏」でした。お坊さんが「阿弥陀さんに抱かさって」と何度も言っていたこと覚えています。(方言です^^;)
Commented by an-dan-te at 2009-07-06 20:40
メゾフォルテさん、
阿弥陀仏様も定期試験は守備範囲外じゃないのかなぁ(^^;;
だって「南無阿弥陀仏」って、何か具体的なことをお祈りしてるんじゃないというんだものね。
> 「試験範囲、全部終わんないな」だと・・・
自分で終わらせるんだ!!
自分でがんばれ~あと一日! (こじろうは期末明日まで)
Commented by an-dan-te at 2009-07-06 20:46
アメデオさん、
それはまたちゃんぷる~ですね。
叔父の場合はまだ大往生とはいえない年齢なので、まだやりたいことがたくさんあっただろうという無念の気持ちも強く漂っていました。でも、葬式ではなく四十九日なので、ここから気持ちを切り替えて行きたいという気持ちも同時に感じられ、みんなで思い出を語り合ったり、久しぶりに会ういとこ同士雑談もしたり、しんみりもしつつよい法事だったと思います。
Commented by an-dan-te at 2009-07-06 20:48
無謀さん、
そうですね。私も、あまり狭くない宗教のほうがしっくりきます。ゆるければ処世訓やカウンセリングみたいなものかなと。「抱かさって」って、いい雰囲気が出ていますね。

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