大人のピアノ -きっかけの話   

子どものころ、ピアノを習っていたけどそれは「エリーゼのために」で途切れていた。なんか「エリーゼ」あたりでピアノを止めたという話はまわりでもよく聞く。

ここらへんまで習っていると、音楽の授業では別に困らないし、合唱をするにも、ブラバンをするにも、いちおう楽譜は読めるし音はわかるし便利だ。つまり、ここから先、ピアノ以外で音楽を楽しむ基礎としては役に立つけど、日常的にピアノを弾いて楽しむというふうにはなかなか結びつかないようだ。

私も、家にピアノはあるものの、子どもが歌う童謡を弾く程度にしか活用しないまま年月は流れ…期待の第一子(?)またろうは音楽教室通いに挫折し、そして第二子。

こじろうは年中さんのときにヤマハのグループレッスンに入れたのだが、これが箸にも棒にもかからなくて。かからない、というのは歌えないとか弾けないではなく、態度の問題。やる気がなかったりふてくされてたり、とにかくよく床の上でいもむし状の物体になっていた。

あんまり迷惑なので、年長さんになるとき個人レッスンに切り替え。このとき、親も習う姿を見せたほうがやる気になるかしらん、ということで、30分の枠を続きで取ってみた。

結局、こじろうはあまり尺取虫から進歩せず、小学校に入ってすぐぐらいに現在の先生(←子どもあしらいのうまさを見込んで)に変更したのだが、一方母はすっかり気に入ってしまって、結局こじろうが習わなくなったあとも今まで六年間続いている。

私も習い始めたころは、適当にポピュラーソングとかを持っていって、ほとんどその場で練習していた。今より時間が取れなかったのもあるけど。それでも、先生がいくつかのポイントをアドバイスしてくれることで、曲がいきいきしてきたり、うまく弾けなかったところがすっと通ったり。いくつかの曲を楽しんで弾けるくらいまで仕上げてみると、なんか楽しくなってきた。

そこを見て、先生が薦めてくれたのが、ブルグミュラー18番。25番のほうなら、たぶんエリーゼ組の人も全員が弾いたことがあるはず。18番のほうは、そんなに有名じゃないけど、やや大人っぽい曲が多くて、きれい。

一曲が見開き2ページにおさまっているのもよかった。そのころ、家でピアノを弾くといったら、なんか5分か10分のうちに中断されちゃうような有様で、長い曲では弾き終わらないくらいのものだったから。それで、だんだん家でも弾いてから見てもらうようになって、また楽しみの幅が広がった。

その先生は弾くほうの実力も相当らしいのだが、教えるほうもうまかった。力の入れ方・抜き方の誘導、リズムの取り方の練習法、和声進行の解説、わけがわからないところの分解の仕方、どうしてもつっかえるところの練習法から、イメージの膨らまし方、曲の構成の掴み方。ありとあらゆる方向から手を変え品を変えアドバイスをしてくれて、とにかく引き出しがたくさんあるという感じ。

指揮法もかなり勉強なさったそうで、先生が指揮をするとなぜかかっこよく弾けちゃう(!)というレッスンもあった。

そんなこんなでブルグミュラー18番いくつか、楽しみ方が掴めてきたところで、発表会では私の希望で、メンデルスゾーンの無言歌から、「さすらい人」。これもずいぶん(エリーゼどまりの)実力からすると背伸びだけど、大人になった分、さびついたところもあればピアノを弾く以外の経験を積んできたこともあり、けっこうなんとかなるもんだ。

発表会が終わって落ち着いたころ、今度は、発表会で聞いた「かっこいい曲」に挑戦してみたくなり、私はいきなり、ショパンのスケルツォ第二番を持っていった。先生は椅子から落ちるほど(^^;; 驚いたとは思うのだが、プロなので否定的なことはいわなかった。そろそろ難曲に挑戦してみるのもいいわよね、とかなんかそんなことを言われたような。

例えば、ピアノなんかぜんぜんやったことない大人が、突然「タイタニックのテーマ」を弾きたいとかいってとりつかれて、一小節弾くのに何時間てな調子で、数ヶ月の執念で一曲を弾いちゃうってことがあるじゃないですか。そんなノリで。

それにしても、弾けないところだらけで、時間のかかることかかること。それでも先生の工夫で一歩ずつなんとか乗り越えていって、四ヶ月…くらいたったころにはそこそこ(自分では)気分よく弾けるようになった。

先生としてもかなり意外にうまくいったと思ったらしく(期待値が低かったから)、「ここまでやったのだから次の発表会はこれにしましょう」とまでおっしゃったが、さすがにねぇ…聞く人に気の毒だから。別のにしたけど。

以来、何も怖いことはなくなった。という、「大人のピアノ」きっかけの話でした。
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by an-dan-te | 2008-11-15 17:47 | ピアノ | Comments(4)

Commented by スケルツオ at 2008-11-16 00:56 x
アンダンテさん、こんばんは

ショパンのスケルツオ2番・・・私の十八番なんですよ。
某県立高校1年のとき、音楽の実技試験で弾いた後
音楽の道から理系へと進路変更をしました。

最近は仕事やら、受験やらでピアノを弾く機会がとんと減って
いますが、ウチのW受験が無事終了したら
大学時代のオケ仲間とショパンのチェロソナタ(Op65)を
やろう・・という企画を練っているところです。

スケルツオ2番がお好きなら、このマイナーな
チェロソナタも気に入られると思いますよ。
今は亡きデュ・プレと元夫バレンボインの演奏がお勧めです!
Commented by an-dan-te at 2008-11-16 10:06
おぉ。スケルツオさんは本格的にやってらした方だったのですね。
私の「なんちゃって」スケルツォと違ってほんものですね(^-^)
チェロソナタ!! いいですね~

アンサンブルは、大好きなんですが、ほとんどがフルートやってたとき。ピアノで合わせた経験は、連弾くらいです。
前に、ホームコンサートで芸大の声楽の学生さんを呼んで、「素人が伴奏を楽しむ会」というのをやりました。私とか友人とか、一曲だけ必死に練習してやるんですが、かなり歌いにくかったらしいです(^^;;
(歌の都合というか呼吸がわかってない…)
こっちは楽しかったけどね。

W受験が終わったら、こんどゲストに弦楽器か管楽器の方をお呼びしようかなと思ってます。
Commented by ゆかりしょう5まま at 2008-11-17 00:40 x
床の上でいもむし状の物体
↑なつかし~
しょう5も、幼稚園で、年少の時、まさに、いもむし状の物体だったらしい
幼稚園の活動にかなり、迷惑をかけていた…らしい
ゆかりは、年少の時によくフリーズしてたらしい
(思い通りにならないと、かたまってしまい、全く反応しなくなる→時間がたつと、とけるらしい)
なんで『らしい』かというと、2人とも家では、そういう状態にならなかったので、
見たことなかった…

いつごろから、人間になれたのかなぁ?
Commented by an-dan-te at 2008-11-17 06:42
> いつごろから、人間になれたのかなぁ?
いや~人間になってよかったですね(^-^)

こじろうは今でもよく(家では)いもむしになってますよ。
床じゃなくてベッドで、毛布にくるまってじぃっとしてることが多いです。
さすがに学校とかではいもむしになってない(と信じたい)。
はやく人間になってほしい(^^;;

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