皮表紙のノートと万年筆   

今日からカレンダーは11月(o_o;;
残り三ヶ月になっちゃいました。

* * *

私はヤマハの個人レッスンでピアノを習っているけど、子ども達のピアノの先生は別の、古い知り合いです。どのくらい古いかというと、私が赤ん坊のときにオムツを替えてくださったことがあるというほど古い。もともとは私の母の教え子です。

で、うちの三人をまとめて見ていただいて、それはそれはお世話になってるのですが、今日の話はピアノではなくて、先生のだんな様(Mさん)の話。

先生が結婚を決めたころ、私は小学校の二年か三年くらいだったと思いますが、よく我が家に出入りしていたので、Mさんもよく来ていました。Mさんは物理が専門で、子ども好きな方だったので、よくいっしょにラジオを作ってくれたり、星の話をしてくれたりしました。私が四年生の途中で引っ越して、そういう楽しい時間はなくなってしまったのですが。

電気回路のことはよくわからなかったのですが、ものの浮き沈みや、てこ、滑車などの話が私にとってはことのほか面白く、結局それが、理系に向かない私が理系に進学するきっかけになりました。実は、当時いちばん面白いと思っていたのは天体関係の話で、大きくなったら惑星の研究をしようとか…思ったこともあったようななかったような…。

だけど、実際大きくなったら天体への興味は薄れてしまって、「力学」の考え方だけが深く残りました。その、小学校三年のころ教わっただけの「財産」で、大学受験でも、大学に入ったあとも、力学だけはまったく困らなかった。Mさんはほんとに、教える天才です。小学校の先生になりたいと思ったこともあったとか…結局は会社勤めをやめませんでしたが。

Mさんが定年退職したら、うちの子どもたちの家庭教師をしてもらおうと思って、手ぐすね引いて待ってたんですが、定年したらすかさず、同じ会社に再雇用されてしまいました。しまいました、って、そりゃイイコトなんですけど。

Mさんの仕事は、私が理解している範囲でいうと、技術営業というのか、営業さんについてお客様のところへ行って、技術上の悩みを聴き、どんな工夫をしたらよいか提案する、提供できる技術について説明するというようなことです。Mさんの、素朴で誠実な語り口には、お客様の中にもファンが多いことと思います。

もうひとつ、大きな魅力が、ノートを書く技術のすばらしさです。

先日、Mさんがいつも持ち歩いているノートを見せていただいたのですが、お客様に提案する仕組みや材料の説明が、それはそれは美しく整然と書かれているのです。皮表紙のノート、万年筆というレトロな組み合わせがまたかっこいいんですけど。

美しいのは、別に字のうまさではまったくなくて(失礼)、字でも線でも、揃うべきところが揃って、バランスが取れていて、必要なポイントが浮き彫りになってみえるということです。すべてフリーハンドで、しかもお客様に説明しながらその場でさらさらと描かれた図や文字なのに、ほんとにわかりやすい。

その図を見ていると、子どものころMさんに描いてもらった、滑車などの説明がよみがえってきてとてもなつかしい気持ちになりました。そう、Mさんのペン先から、目に見えない力の線が生き生きと描かれてみえたんだよね。

うわべだけキレイに、あるいはカラフルにまとめたノートは意味がないし、字はうまいに越したことはないけど本質的な問題ではなし、とにかく、うちの子どもたちが書くような、余白もなく必要なことが抜けまくりで心もこもってないぐちゃぐちゃノートは論外(-_-;;

子どもたちもMさんのノートを見せてもらってちょっと感動した様子。いつも母が口やかましく、途中式を書け~余白をあけろ~といっているけど、要するにノートはキミの頭の一部となっていきいきと働いてもらうべきものなんだよ。ちょっとはわかったのかな…
[PR]

by an-dan-te | 2008-11-01 07:41 | 生活 | Comments(1)

Commented by 受験の母 at 2008-11-01 17:59 x
今日の記事と昨日の記事を通して読ませていただき、前の記事にコメントしてしまいました。
大変失礼いたしました。m(_ _)mトホホ

<< 過去問進行表 -こじろう編 文字的センス >>