母ちゃんのためならエーンヤコラ   

モチベーションに関する実験で、「受験うつ」の本に紹介されていたたいへん興味深いものがあります。

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実験課題は、小学生たちにやや難解なパズルに挑戦してもらうというもので、どのパズルに取り組むかは
(1) 実験者が指定する
(2) 自分で選ぶ
(3) 母親が選ぶ
という三つの場合を設定します。

これはコロンビア大学で行われたもので、実験対象はみんなサンフランシスコの小学生。ただしヨーロッパ系の親子と、まだアメリカ文化に染まってない日本または中国からの移民親子で比較したのがおもしろいところです。

どちらの子も、(1)のように他人に勝手に決められた場合は最もモチベーション低く、すぐ投げ出してしまう傾向にありました。これはなんとなくわかりますね。

ところが、ヨーロッパ系の子は(3)だとほとんど(1)と変わらず、(2)で最もがんばるのに対して、
日本・中国系の子は(1)より(2)がよいけれど、それよりさらにモチベ高いのが(3)だったのです。

ここでは遺伝子の違い(?)なのか文化の違いなのかが区別されていませんが、ともかく、日本・中国系の子どもたちにとっては母親の存在というのがモチベーションに深く関わってくるということがあるようです。自分で選ぶより母親に決められたほうが粘り強く取り組むって…私もびっくりしたくらいですから、アメリカ人の研究者はもっとびっくりしたでしょうね。


このことを経験上に引きうつして考えますと、まぁそんなに素直な子どもばかりじゃありませんので、というか少なくともうちの子たちはそこまで素直じゃありませんので、勉強しなさい…ハイ、この学校を受けなさい…ハイ、というわけじゃないんですけど、親の影響というものはやはり大きいと思います。

それはつまり、「~しなさい」という形でなくても、「中学受験のほうが合っていると思う」とか、「この学校は雰囲気ぴったり」とか、親が自分自身の感触として持っている意見を子どもがじわじわと取り込むという形で効いているような感じです。

この力は、当然ですが、いい面と悪い面があります。子どもの幸せを考えないで悪意を持って捻じ曲げる親もいないでしょうけど、子どもの在り様とか価値観とか幸せとかを大きく誤解して、何々があなたのためなのよ、ということを信じていたら、子どもはそれに影響されて進行方向を選びつつも、なんだか居心地悪い道を進むことになります。

あるいは、親が子どもの在り様の捉え方や、価値観にひどく迷っていて、これはどうだろう?? いややはりこれは?? というふうにいつも揺れているという状況では、子どももそれに影響を受けて振り回されがちということになります。

理想をいえば、子ども本人をよくよく観察していて、親としてのポリシーもしっかり持ち、子ども自身の意思や意向を汲みつつ将来展望を含めた本人視点(あたかも成人した本人が考えたらそうなるというような)を補うということでしょうか。

そのためには子どもと密に関わる必要もあり、その一方で、子どもに寄りかからないで済むように親自身がしっかりしていることも必要です。このさじ加減の難しさが結局、子育ての難しさということなのかなと思います。変なところに落ち込みそうになったときは、話が戻りますが「「やる気」の源」に書いた「「遂行目標」より「熟達目標」」という考え方がヒントになると思います。

要するに、親パワーは「あの学校に行け」という「遂行目標」の提示に使うのではなく、
適切な「熟達目標」を提示して日々の学習がうまく積み重ねられるように発揮すればいいのです。
そうすると、道を踏み外しにくく、結果として志望校合格も果たしやすくなるでしょう。

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by an-dan-te | 2016-03-13 22:54 | 中学受験 | Comments(2)

Commented by ぎどん at 2016-03-15 11:35 x
「選択の科学」という本でその実験読みました。現コロンビア大のシーナ・アイエンガー教授がスタンフォードの大学院生時代に指導教官と一緒に行なった、とあるので、実験自体はスタンフォード大に属してると思います。(それとも似た実験をコロンビアでもやったのかな?)

「選択の科学」は、この実験の前後にもアジア系とアングロ系の違い(遺伝子の差か文化・環境の差かは明示されていませんが、著者の書き方からすると「(長年触れてきた)文化・環境の差」と捉えているようです)などの実験も紹介されていて面白いです。

総じてアジア系は「選択が多いと感じない(例:アングロ系は「歯を磨く」なんかも「自分が選択した」と感じる)」「自分で決めたいと思う項目が(アングロ系に比べて)少ない(例:別に歯磨き粉なんてお仕着せでもいーよね…)」などの傾向があるようです。が、あまりに自由度が少ないと不満が生まれることも確かなので、「適度に」子供の選択範囲を絞ることが、少なくとも現在の日本人の子供にとっては有効なのかもしれませんね。

日本社会自体が「個人の決定を尊重」方向に動いているので、例えば50年したら実験結果も変わる顔しれませんね〜。
Commented by an-dan-te at 2016-03-16 07:31
ぎどんさん、
「選択の科学」ですか~おもしろそう。

そうですね…まさかそのへんのキャラが漏れなくDNAに組み込まれているとも考えにくいですし、文化的な違いとすれば、今後日本が「個人の決定を尊重」とかなんらかの方向に傾いていけば変わってくるのは必然ですね。

子どもの意思を尊重する、のはもちろんよいのですが、親が完全にニュートラルであって子どもに丸投げするという図は現実問題ありえないし、別に望ましいわけでもないと思います。親が子育てにポリシーを持っているほうが当然で、枠組みや方向性を(ブレずに)示したうえで、子どもがそれに乗ったり反発したりしていくのが(東洋的?)現実路線かなと思います。

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