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本人の意図を汲むって難しいよね   

小学校の「お受験」ならもうあらかたは親の意志で決めるしかなくって、
大学の受験ならもうあらかたは本人の意志で決めるけれど
(親のほうからも「スポンサーの意向」というのは当然あるとして)

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中学受験というのはその間のどこか。

本人のためのものであることだけはわきまえておきたいんだけれど、
本人が表面上、述べるところの意見を文字どおり受け取っていいかどうかはやや微妙。

小学校四年生~六年生のときに本人が考えることと、
その六年後、十年後に考えることは違うかもしれない(というか、ふつう違う)。

親としては、
今の本人だけでなく、将来にわたる本人の意志を汲み取る
というややこしいことをしなくちゃいけない。

将来も見通すということになると、
現在見えている本人の特性をベースに、
親として子どもにどう成長してほしいというポリシーも加味しつつ、
予想と希望をないまぜにしたイメージを頼りに方針を決めることになる。

今日、akira先生のブログ記事「野球を続けたいので塾を辞めます」を読んで、考え込んじゃったんだけど、

この子の場合、とにかく発言からいえば本人の意志は
「算数は好き。ただ、宿題をやっていかないと
怒られるし、野球の方が楽しいので塾を辞めたいなあ。」
だったわけだけど、

akira先生が「うまく」説得したんですね。それで結果は、六年生になったころには
> 「あれ、野球はいいの?」と聞いたら、「あっ野球はもう辞めました。勉強の方が楽しいので」
という具合になって、麻布合格。

ということで、少なくとも数年後の本人には納得・満足してもらえる流れになったわけで、これは成功例といっていいのでしょうね。

けど、先生の「うまい」説得の中身ってのはけっこうアヤシゲで(笑)

> 「野球をやりたいなら、残り2年半一生懸命勉強して
> たとえば、大学付属に入れば10年間思いっきり野球ができるぞ」
> という話をしました。2年半と10年。どっちとる? というような話でした。
なんか、受験をするのとしないのとを比べてないんです。野球が(思うように)できない2年半(中学受験が終わるまで)と、その後の学生生活の長さを比べています。

野球をやりたい気持ちを逆手に取り、受験を気にせず打ち込める期間を長くしたいということであれば、
・大学がついてるところを中学受験する
・公立中に行って、大学がついてるところを高校受験する
の比較が妥当かもしれません。ほんとうに野球重視であれば後者に傾きそうですが(中学受験組が野球で長く活躍するのは難しいこと、中学受験より高校受験のほうが短くて済むことなど)、そういった諸々を言わずに「2年半と10年。どっちとる?」なんてほんと、大人ってズルイよなって感じなんですけど。

仮に、考えられるすべての要因を公平に?説明して、本人の意志を確認したとしても、あくまでその理解は現在の本人のものですから、そのとおり受け取ればhappyとも限りません。結局、どこまでいっても。

それよりは、大人が本人にとってよい道を全力で考えて、そこに向けて誘導する。

というのがこの話のポイントだと思います。

ただ、akira先生は、「算数にはセンスがある生徒でしたし、正直もったいないと思いました。」ということなので、この子にとってどっちの道が幸せかということよりは「中学受験で十分やれる」子なので中学受験方向に説得したということなのでしょうね。中学受験塾たる日能研の先生なのですから、この視点となるのは当然です。

つまり、どういうきっかけを作って本人の意志を確認するか、どういう道が本人にとっていいのか推し量る、という部分は塾の先生ではなくてやはり親がやってその結果も責任取らなくちゃしょうがないんです。もちろん、その検討の材料として先生に相談するのは役立つかもしれないし、いざ「うまく」説得するとなったらプロの出番をお願いすることになるかもしれませんが。

この話では
> 親御さんは本人次第。そんな状態でした。
と書かれていますが、案外、もう親の気持ちは「この子には中学受験のほうが向いている」という決断済みで、背中を押してもらうためakira先生のところへよこしたというのも考えられますね(^^;;

親の「中学受験サポート」の根っこは、この、「本人の真の意志を汲み取る」という部分です。
ここがぐらついていて、子どもの姿を見失って単に親の願望を投影していても、
うまく親が「誘導」「説得」しちゃっていると親自身もズレになかなか気づかないってことはありえます。(つづく)

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by an-dan-te | 2015-08-13 21:27 | 中学受験 | Comments(0)

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