女子学院今昔: 変わらないこと、その先へ   

「中学受験 注目校の素顔 女子学院中学校・高等学校」の帯にあるのは、

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女子学院には「人と違っていい」という文化があって、その延長上に「価値観や表現方法は違ってもそれを認め合うことができる」という意識が芽生える

という、卒業生の談話から切り取った話。これはまさに、昔から変わらない女子学院の姿。

世間がなんていうかとか、前例がないとか、そういうことが怖くなくて、思ったことを発言し、思ったことを実行する。本文中では「卒業生には「日本初の…」が多い」とか「フロンティア精神」と表現されている。フロンティア精神というと新しいところを開拓しようとする精神のようだが(そういう人もいるかもしれないけど)、どちらかというとやりたいようにやったら「初」だった、というほうが多いような気がする。

夫婦で話し合って、育児休業は夫の側で取るほうが(家族全体として)都合がいい、となればそうしようそうしよう。それには世間でそれがどの程度一般的かどうかなんて関係ないんだけど、いざ申請してみたらすんごいレアケースで、数少ない前例をあたってみると、あらメーカー勤務で初の男性育休取った人の妻もJG卒。みたいな。

この本で書かれているエピソードで、昔と変わっていないことなのに、それは意識してなかったというのが一点あった。ある生徒が全国的な大会とかで賞をもらった場合など、朝礼や広報誌などで全体に知らせるよう表彰する学校が多いと思うけれど、JGの場合はそれがない。一人でひっそりと院長先生のところに呼ばれて表彰される(笑)

学校の中では、本人が考えて実行に移したことが、常識とか規範に外れていても、よほどのことがなければとがめだてされないけれど、それだけじゃなくて、よいことのほうも、「これこれが良い」ということを全体として共有しようとはしないということ。「○○全国大会優勝」「東大○○名合格」とか、なんにも。この両面が揃っているからこそ、みんなあそこまでのびのびと「自由に」振舞っていたんじゃないだろうか。

ただ、「価値観や表現方法は違ってもそれを認め合うことができる」というのは学校内ではそうかもしれないが社会に出てしまったら相手はそうとは限らない。それでたいへん苦労したりする場合もあるけれど、まぁそれでもみんななんとか、対話で解決するとか、解決しなくても気にしないことにするとか、切り抜けていくだろう。それだけの地力はつけてもらってきたと思うし。

ところで、JG生のこうした特徴は長所なのか短所なのか、それはもうどちらでもあるとしかいえないが…
この本の「おわりに」にあるように、女子学院の欠点を知りたければ、この本に書いてあることを裏返してみればよい。
・言いたいことははっきり言う→デリカシーがないのでは
・人と同じことを嫌う→協調性に欠けるのでは
など。「きっとそれもまた真なりである」(本書) (^^;; まぁ否定しづらいっていうか…

しかし、この本を読んで知った新しい動きとして、「「個」の最適化よりも「全体」の最適化」というのがある。「自己実現のための『個の最適化』ではなく、世界市民として『全体の最適化』の視点をもった人になってほしいという理念が、女子学院には伝統的に根付いています」(院長談話)

ここで、院長談話には「伝統的」とあり、私があえて「新しい動き」といったのは、つまり昔にも確かにそういう精神はあったんだけれど、昔は暗黙的カリキュラム、というか空気に断片的に書かれていて、受け取り方が人それぞれであったものが、もっと明示的カリキュラムとして実施されるようになったということだ。

自分のポテンシャルを高め、自分の頭で考えて発言・行動し、より豊かに社会に貢献するということを、より意識化して取り組んでいるのが21世紀の女子学院なのかなと、この本を通読して思った。ということはつまり、「言いたいことをはっきりいう」ことと「デリカシー」、「人と違うことを言う・する」と「協調性」、その両側もしっかり統合していかなくてはいけないわけだ。変わらないものと、その一歩先へ。

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by an-dan-te | 2014-09-30 08:08 | 中学受験 | Comments(7)

Commented by yoyo at 2014-09-30 17:38 x
まあね、よく言えば そうかもしれないけれど、
>本人が考えて実行に移したことが、常識とか規範に外れていても、よほどのことがなければとがめだてされない
常識というものが 身につかないんですよね。
今は知らないけど 少なくとも 昔のJGの教育では。

だから みんな卒業したあと非常に苦労していたし、
>解決しなくても気にしないことにするとか
こういうタイプが 相当数いるから、
世間から 白い目で見られることになるんですよね、
しかも 白い目 気にしないし!^^;

アンダンテさんは それを 生徒を温かい目で見てくれていた…って 肯定的に評価しているんだろうけれど、
わたしは 常識を教えるのも 大人の仕事だと思うから。
ちょっとね~
Commented by yoyo at 2014-09-30 17:43 x
ま、常識や白い目にとらわれていたら できないことがあるから 要は バランス感覚なんだけどね…
Commented by ノエル at 2014-10-01 09:23 x
学生時代にJG 出身の友人がいましたが、確かに言い方はキツイ所もあるけど、努力家だし、根っからの真っ直ぐさがあって、気が合いました(^_^)
同じプロテスタントの難関でもフェリスの方が素朴な感じ?JG の方が進取の気質に溢れているのかな?
Commented by an-dan-te at 2014-10-01 13:55
yoyoさん、
> しかも 白い目 気にしないし!^^;
笑えます(^^;;

バランス感覚ね…
それぞれ、自分のバランス感覚を持っているんじゃない??
傍から見たらバランス悪くても。

> だから みんな卒業したあと非常に苦労していたし、
そうなのかな~
確かに苦労はいっぱいしたけれど(親のこととか、またろうのこととか)、
別にJGで常識が身に付かなかったせいじゃないし。

大学でも会社でも人間関係は良好だったし。
あぁ…
小学校のPTA活動だけは、JG仕込みのコミュ力じゃ通じない世界だったかもね…(保育園とか、中学校以降とかは大丈夫)
Commented by an-dan-te at 2014-10-01 13:58
ノエルさん、
言い方は、キツイかも。良くも悪くも率直。
フェリスのほうがまだしもソフトなイメージがあるけど、どうですかね。似たところもけっこうありそうです。
Commented by yoyo at 2014-10-02 11:36 x
そう、JG式のコミュ力が通じる世界と通じない世界がある。
空気を読まなくちゃいけない世界だと JG生は生きづらいよね ^^;

大学でどこまで中和することができるかがカギだと思う。
JGと同じような 閉鎖空間へ行ってしまうと ちょっと…。
概してみんな 頭でっかちで 経験不足だから もまれないと 役に立たない。
でも 大学でJG教育のかけた部分を埋め合わせることができれば 多くの場合 使える人間が出来上がるよね ^^;

あくまで 30年前の話~。

JG生は正直よね。
まっすぐで ウソもお世辞もつけない。
面と向かって きついことを言われても怒らない。
そのかわり 自分もずけずけ言ってしまう ^^;
気を遣わなくていいから 楽だけど それをほかの人にもやってしまうと 大人げないというか、
大人なんだから もう少し気を配った話し方をしろよーということにもなる。 
Commented by an-dan-te at 2014-10-02 20:36
yoyoさん、
はい、通じる世界と通じない世界があります(^^;;
JGを出てから、社会に出るまでというと、やはり大学ですね。大学でどう過ごすかは重要。

まっすぐ同士、ずけずけ言い合うのに慣れちゃうと楽だものね~
> 大人なんだから もう少し気を配った話し方をしろよーということにもなる。
ははは(-_-;;

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