受験のための詰め込み勉強?
2013年 09月 15日
先生が「塾で受験のための勉強にふりまわされるだけではなくて学校の授業で物理の本質を学んでほしい」といい、
私が「むしろ受験のための勉強にふりまわされているのは学校の授業のほうで、塾では物理の本質を教わっています」と反発した、というイタい事件があったのだけれども。
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これは確かに、今だったらこんな失礼な言い方はしないで、もっと穏便にコトを運ぶと思いますから、そういう意味で若気の至りというか先生には申し訳ないことだったのですが、
でも今でもやっぱり考えは変わりません。私の言ったことは妥当だったと思います。
世の中で、「受験に役立つ=詰め込み、付け焼刃」というイメージがあるような気がしますけど、そんなわけはありません。受験についても効率の悪い、瑣末な勉強法というのがあり、受験の合格にも役立つ、本質的な勉強というのもあるでしょう。
このとき、学校の「受験に物理が必要な人のための授業」コマで行われていたのは、ぎっしりと細かい問題が詰まった問題集をひたすら解いていくというもので、たいした問題でもないのにやたら数ばかり多く、授業+宿題で膨大な時間が取られるというものでした。まさに、受験を(半端に)意識して、振り回されているように私には見えました(ただし、私はモメたあげくこの授業を取らなかったのだから、実際に授業を受けた人はまた別の感慨を持っているかもしれないけれども)。
一方、塾では、駿台のカリスマ講師、山本義隆先生が、鋭く物理の本質をえぐる授業をしているのだからおもしろくないわけがありません。私はもともと定性的にとらえる力学の世界になじみがあったけれど(小三のころの刷り込み?によって)、数式に表されて計算により明らかになっていく物理を学んで、立体的にくっきり描かれていく世界のひろがりにウットリしていたものです(^^;;
結果、受験にも大いに役立ったのですが(二次試験科目で一番得意だったのは物理)それは、より本質に迫れたから入試問題も解きやすくなったということだと思います。
だいたい、「がむしゃらな詰め込み教育」とか「小手先のテクニック」とかのほうが合格しやすい受験があるとしたら、それはその入試問題のつくりがアホなのですよね。そういう人のほうを取りたいってことになっちゃう。大学に必要な人材をイメージして、入試問題を賢く作るんだったら、当然、本質的な勉強をしてきた人のほうが受かりやすいように作るでしょう。
「がむしゃらな詰め込み教育」というのは「橋本式国語勉強法」の前書きにあったフレーズですが、橋本先生は最初に「銀の匙」勉強法を出版したときに、心無い批判でそれが「つぶされた」ことをほんとうに悔しく思っていたようです。
「「灘が一位になったのは、公立に追いつけ追いこせを金科玉条に、人間性を無視したがむしゃらな詰め込み教育に専念したことによる汚れた栄光である」といった言われ方をした。」
しかし先生としては、受験勉強一辺倒のつもりはまったくなく、ごく地道でオーソドックスな勉強法だと信じているので、非常に不本意なわけです。
批評をした人の真意がどこにあったかわかりませんが、勉強法を「受験しか考えてない」と批判したのだとしたら、ものすごく的外れだと思います。優れた生徒(集団)に、本質に迫る(橋本先生の言葉でいうなら「自らの中にあるものを引き出す」)国語授業をするのが、大学受験勉強としても一番効率がいいに決まってます。
およそ、「東大合格者数」でぶいぶいいわしてるような学校があれば、灘に限らず、別段、小手先テクニックに走る詰め込み教育なんかは行われていないでしょう。それじゃうまくいくはずがありません。もし、そういう学校を批判する言葉で妥当なものがあるとすれば、それは勉強法のことではなくて、「学校の中で、大学受験以外の価値観があまり醸成されていないのではないか」とかそういったことになると思います。
もしかしたら、その「人間性を無視したがむしゃらな詰め込み教育」批判というのも、具体的な勉強法のことを指しているのではなくて、そういうこと(大学合格という価値観に染められていること、など)をいいたかったのかもしれないな?? とちょっと想像しました。そうするとまたずいぶん違う話になるんですけど…
話を、中学受験に置き換えてみると、また興味深いと思います。
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by an-dan-te | 2013-09-15 08:11 | 中学受験 | Comments(8)
生徒たちからは議長と呼ばれて、でもすごく優しいお爺ちゃんって感じだったらしいですよ。
先生は「俺は試験が学生時代大嫌いだった。」言っていたことが印象に残っています。
一方、数学の方は定理がたくさんある。もちろんその中には同値な定理もあるにはあるけど。数学と言うのは物理ほど少数の原理で説明するという体系にはなっていない。ということで数学の達人になるのは、物理の場合よりももう少し訓練が必要に思える。
ただ物理も経験値がものをいうところがあって、遊びの体験とかで力学への素養が養われるとかしないとなかなか身につかない。だから数学みたいに小学生くらいでその才能が開眼することはまずない。ということで、数学にも物理にも有利な面と不利な面がありますね。
まぁ任意にしたら物理やりたい人しか来ないものね。
私も仮に化学の演習とかいうオプションがあったら行ってなさそう(笑)
> 先生は「俺は試験が学生時代大嫌いだった。」言っていたことが印象に残っています。
そうなんだ…(^^;;
そういえば、学生時代の話はまったく聞いた覚えがないんです。全共闘うんぬんも写真雑誌(フォーカスだったか?)見て知りました。
確かに、数学と物理って、似てるところもあるけどそういう感じに違うところもありますよね。
両方得意な人、両方苦手な人は当然たくさんいるんだけど、私はぜんぜん違うし
(物理>英語>国語>化学>>数学)
友人でも違う人がいます。
(数学>化学>国語>英語>物理だったか、とにかく数学が一番得意で物理が一番苦手)
この前本屋さんで物理の問題集をみたら、めまいがしました。でも楽しそうな写真沢山の本があったんです。この楽しそうなのが物理だよって、今のうちに、さりげなくみせようかな。
計算が好きでない人が見たら、やっぱり相当とっつき悪いと思います(^^;; けど私は計算から入ったのでないから、数学苦手の物理得意。やっぱ変。