算数の解き方事典的な一冊
2013年 08月 14日
中学入試 算数 塾技100 (シグマベスト)
というものでした。
(追記: 新版が出ています「中学入試 算数 塾技100 新装版」)
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パラパラ開いてみてまず思ったことは、
「コレじゃなくてソレのほうだったか!!」
ということです。
つまり、「コレ(毎日コツコツ、いろんな分野から混ぜて基本問題の演習に取り組むための計算一行題)」ではなく「ソレ(解き方事典)」だったか!! ということです。
結局のところ、解き方を学ぶための教材であれ、解き方を定着させるための教材であれ、
「全分野で漏れがなく、バランスよく、できるだけコンパクトで、難易度的に無理がなく無駄がない」
が望ましいことについてはまったく同じことです。なるほど、と思いました。
ただし、私の中で「解き方を学ぶための教材」を追い求めるキモチのほうが相対的に少なかったのは、大手塾に通っていて、それと並行して家庭学習を進めるときには「解き方を定着させるための教材」のほうがクローズアップされるからにほかなりません。
「解き方を学ぶための教材」としては、本科テキストとしてどさっと与えられていますもんね。
ただ、本科テキストは、それに沿って塾で学んでいくためのものなので、大部で、ちょこっと参照には適していません。「これって、小学生的にはどう解くんだっけ?」と思ったときにさっと探せません。「五年前期、で出てきていたっけか…!?」ってなもんです。
私は、六年前期くらいのときだったかに一度、「解き方事典」的なものがほしくて「ベストチェック」をポチッとしたのですが、これは私の求めるものではありませんでした。簡単すぎて、さすがに私も(そしてはなひめも)この問題の解き方ならわかるよ…というものが多くて、調べたい内容がヒットしたことがほとんどなかったのです。
ふだんは、解説がついていない問題を解くこともあまりないので、手ごろな「事典的一冊」がないという問題はあまり意識に上ることが多くなかったのですが、過去問練習が本格化したころに困ったことがあります。
相似を組み合わせたりいろいろして、面積比や長さの比を求めるような問題が苦手で、それを体系だっておさらいしたり類題の演習をしたかったのですが、まとまっているものがなかったのです。「データランキング 算数 図形問題ランキング」(みくに出版)というのを買ってみましたが、ほしいところはほとんどなかったです。
それで、いろんな学校の過去問やら、難関校対策テキストやら、教科ツールやら、あちこちからかき集めて作戦を練ったり演習したりして、最後は間に合いましたがほんと面倒でした。
今回、「塾技100」を見たら、そのときの私が欲しかったページが120%揃っていて感動しました。
(どうして今年になって出るんだよ!!)
ベストチェックは項目数が70でしたが、こちらはだいぶ項目数が多いというのが大きな違いです。一ページに含まれる情報もぎっしり増えて、トータルボリュームはかなりふくらんでいます。左ページに解き方まとめ、右ページに問題という構成は似ています。
ベストチェックではほんの数項目で終わっていた、平面図形と比のあたりが、この本では
「三角定規の変の比」「面積比(1)」「面積比(2)」「面積比(3)」「相似な図形」「平行線と相似」「辺の比と相似」「辺の比と連比」「直角三角形の相似」「折り返しと相似」「面積比と相似」と膨れ上がっていますから、当然内容もかなりのところまで到達しています。私が苦労してかき集めた問題パターンがほとんど揃っていて、「あぁなつかしい(?)問題…」と思ってしまいました。
ちなみに、私自身は、「面積比(2)」が苦手(目がそれを発見しない)ためドはまりしていたということがわかりました。これは「加比の理」という名前(初耳!!)がついている法則でした。私ときたら、ベクトルで計算して「3:2」とか答えだけ出して「小学生はどう解くんだ??」とか悩んでいたこともしばしば(笑)
あと、「辺の比と相似」のところ、リクツははなひめだってわかってたはずなのですが、適切な相似図形の発見が遅くて苦労していました。ところがこの本で
「求めたい辺を1辺とする相似な三角形がないときは、補助線または延長線を引いて相似な三角形を自分で作る。このとき、求めたい辺を延長してはいけないことに注意する」
と書いてあるのを見て、「求めたい辺を延長してはいけないことに注意する」!!…ひょっとして、こうやって明確に言ってやれば少しは速くなったのでは!? と思いました。すべては後の祭り。
というわけで、事典的な一冊を求めていらっしゃる方にはお奨めです。特に図形問題の充実ぶりが◎。
「解き方を定着させるための教材」のほうについての話は、さらに次回へ続く。
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by an-dan-te | 2013-08-14 12:32 | 中学受験 | Comments(25)
これ、絶対欲しいです。さっそくアマゾンで注文します。
特に図形の相似を使う問題にこの夏苦労していて、塾のテキストの解説を読んでなんとか理解してますが、なんとなく、積み上げるという感じではなくて、こなすという感じになっていて手ごたえがないのです。
それにしても、奥が深いですね。中学受験算数・・・・。深すぎる!
この本を書かれた先生に一度教わったことがあるそうです。中2の夏期講習の時かな。
塾技100は高校受験版もあって、コウ太に買い与えましたが、あまり活用してくれませんでした(涙)
ほとんど全ての解き方を網羅していて、まとまってて(調べやすい)、良い教材だと思います。
加比の理―といえば、数Iレベルの証明問題で頻出です。単に加比の理という言葉を知らなかっただけでは。a/b=c/dのとき、その比の値は(a+c)/(b+d)に等しいというやつで、濃度の等しい食塩水を混ぜても濃度が変わらないこともこれで説明できますね。
「応用自在」は私が子どものころからある、超定番品ですね。あの分厚さは、「事典的」部分と「演習的」部分を合体させたと思えばいいのかな。
サピテキストはぜんぜん自習用にできてはいないですよね(^^;; とにかく授業行け!! って感じ。
私、今日の電車の中でずっと図形のところを読んでいたのですが、ずいぶんすっきりしました。おぉ!! そうそう。みたいな。
逆に、我が家で苦労しなかったところのページはまだ読んでないのですが(^^;;
高校受験用が先だったそうですね。
> あまり活用してくれませんでした(涙)
いやー、この手の本を自力で端から取り組んでいく子なんて、そうそういませんよ(^^;; 調べるときに使えればまぁ御の字かな。
今からいただいても、うちの中学受験は終わっちゃってるんですけどね~
そういえば、まだ受験中にも「参考書送りたい」的なお話がありましたが、私が「送ってもらってもいいけどブログでほめるかどうかはわかりません、思ったとおりに書きます」っていったら送ってこなかった(笑)
今回の森さんはそれでも送ってきた勇者です。
> 濃度の等しい食塩水を混ぜても濃度が変わらないこと
あー。そりゃそうですね。
でもそれが図形問題になったときは、目が慣れてないとちっとも見えないの。あぁこうやって整理してみればよかったと思いました。
算数塾技100を取り上げて頂きありがとうございます。
日頃からアンダンテさんのブログを拝読していて、
「この人は親の視点と我々塾講師の視点の両方を持っている」
と感心しておりました。そして塾講師の視点は私ととても共通するものがあることに、少なからず驚いていました。
そんな中、以前の記事「他塾教材を併用するメリット」の中で、私が今回作成した算数塾技100の大きなテーマだった「全分野で漏れがなく、バランスよく、できるだけコンパクトで、難易度的に無理がなく無駄がない一冊」というフレーズが出て来て、“この人に見て欲しい”と衝動的に送ってしまいました。
前回のブログ記事の流れを考えると「うーん、この流れだと次にくるのは…」と、何を書かれるのかどきどきしていましたが、気に入って頂いた(少し褒め過ぎな気もしますが(笑))ようで一安心です。
生徒指導をしていく上で、アンダンテさんの著書やブログは非常に参考になります。今後も記事を楽しみにしています。
アンダンテさんの中受評論家(!?)のとしての道もすっかり確立ですね!
夏期講習中も参考書棚をウロウロ彷徨ってる人がいたら私です…。
> 「この人は親の視点と我々塾講師の視点の両方を持っている」
ありがとうございます(^^) なんかすごくほめられた気がする~
ほんと、気に入りましたよ。丁寧な作りに感心しました。気に入らないのはね…なぜ今年!? いつ出すの、去年でしょ!!
なるほど、私はこういう本も欲しいと思ってはいましたが、必要があるのは「ときどき」でした。サピの人のほうが必需品なのかも(^^;;
私もこちらの高校受験版があるのを知っていて、本屋さんに見せて、これの中学受験版をください、と言ったことがあります。本屋さんが調べてくださって、ない、とのことでした。なんで?と思っていましたが、やっと出ましたね^^
アンダンテさんの多面的な視点、親御さんだけでなく、塾の先生や本の著者の方にも参考になるんですね^^
ついでに本屋の棚を改めてみてみましたが、いろいろありますねー。サピのテキストに手一杯で、とても手がまわらなそうですけど、「定着のため」の薄目の問題集(単元がランダムになっていてレベル別)もいくつかありましたよ!
裏技的な本はあまり探索したことがないのでよく知らないんですが(^^;; この本は真っ向表技ですね。
guraさんは高校受験用の塾技の本も知ってらしたんですね~ほんといろいろ研究しているわね(^^) ほんと趣味の領域。いや、ひとのことは言えませんが…
ネット本屋分はパパッと売れちゃったみたいですね。私がたまたま行った実店舗ではバーンと平積みになってましたよ~ついふだんクリックで買っちゃいますが、本屋を見に行くといろんな発見がありますね。
そうですね~どうなんでしょうね。
学校名を見たほうが燃えるお子さんも多いんじゃないかな(^^)
それに、引用元を示すという意味もあるでしょうから…
別に、難関校だから難しい問題とも限りませんし、ビビる必要はないよね(^^;;
なるほど、レベルに合わせて問題セットが変わるようになってるんですね、ちゃんと…
ときどき、その、解き方を丸暗記? していて、応用が利かないという話を聞きますが、あいにく、私も娘も暗記力がないもので、その状態がどうもよくわからないんです(^^;; どうすればそういう丸暗記ができるのか?? わからなくちゃ覚えられないっていうか…
どの塾、どの教材にしても、算数・数学が天然でできちゃう人以外は、繰り返し、また繰り返しですね~