ほどほどに暗記する算数   

まりさんから、「暗記算数」というお題をいただきました。
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現在4年生ですが、塾の先生は時間の許す限り自分で考えさせてください、とおっしゃいます。一方分からなかったらすぐ解答書を見て解法をおぼえてしまう、という意見もあります。

わたしは後者の方が効率がいいように思うのですが、中受に関してはどうなのでしょうか。学校にもよるのかもしれませんが、まだその点は勉強不足で、すみません。アンダンテさんの考えをお聞きしたいです。
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「暗記 算数」でぐぐってみると、どういうものを「暗記」と呼ぶかが人によってまちまちなので、混迷の度合いが深まっているようにみえます。

解き方の見えない一問に、一時間とかかけていても、それはたいていの場合、「下手な考え休むに似たり」になってるだけでしょう。堂々めぐり、あるいは実際のところ、問題を前に広げてぼーっとしている、ありていにいって、考える材料なり筋道なりがなければ一時間を有効に生かすことはできません。

ひょっとすると、見た目ぼんやりの一時間を「頭脳フル回転」で有効な探索や試行錯誤に費やし、正解にたどり着くような持続的集中力と思考力があるお子さんも稀にはいるかもしれませんが、それだったら、「算数苦手女子」を持つ親のブログなんぞに用はありませんね(^^;;

だから、早めに見切りをつけて解答を見る態度のほうが(たいてい)いいとは思うんですが、そうはいっても考えもしないですぐ写しちゃってもね。意味がわからないものをただ写して、繰り返して、もし記憶に叩き込むことに成功したとしても(思いっきり効率悪そうですが)、ちょっと見た目の違う問題になったらもう解けないでしょう。というか、算数の問題は無限のバリエーションがあるといってもよく、ほんとに愚直な「丸暗記」だったら、いくつ暗記すればいいのやら、途方もない気がします。

ということで、両者の間、どこか「ほどほど」のところにスタンダードにお勧めできるラインがあると思うんです。

たとえばですが、簡単な例で、
「A君とB君が池の周りを反対方向に回ります。Aくんが分速ナントカm、Bくんが分速カントカmで歩くと、○分ごとにすれ違います。池の周りは一周何mですか。」
という問題について、解き方がわからないといわれたら、どうするか。

まず大前提ですが、一日にいくつも「解けない問題」をやらないってことです。この問題がわからないんだったら、まずは
「Aくんが家から駅まで分速ナントカmで歩くと、○分後に到着します。家から駅までは何mですか」(登場人物が一人でシンプル)とか
「A地点からAくんが分速ナントカmでB地点へ、B地点からBくんが分速カントカmでA地点へ同時に出発すると、○分後に出会いました。AB地点間の道のりは何mですか」(池でなくてまっすぐ)とか
を解いてみます。これがいちおう解けるにしても、のろのろだったり、「うっかりミス」したりという状況なら、まずはこれをすいすいすらすらにするまで練習します。

そうすると、実は「池」でも解けたりします。そういうことって多いです。そしたら、「解けない問題の前でガマの油をたらーり、たらーり」ってする必要はそもそもなくなっちゃうでしょ。

それで、もうパーツはそろってるはずなのに、なぜかこの問題は解けないというのであれば、まずは問題文の読解をチェック。

音読させるとか、絵に描かせるとか、ちゃんと読み飛ばさずイメージして読んでいるかを確認します。

問題文に書かれている動きをイメージできるように補助します。あるいは、「池の周囲を出発点でぶちって切って、まっすぐしたらこういう問題でしょ?」って、まっすぐにした図を描いてもいいかも。

とにかく、解説を自力で読むにしても、大人が説明するにしても、イメージして、納得できるようにして、写します。

そうやって、自力で解けない問題があった場合は、翌日、一週間後、一ヶ月後というように忘却曲線に対抗して繰り返します。

こんなことするのは親も面倒ですし、子どもだって疲れますから、そういう意味でも、「解けない問題」に挑戦する数は最小限に抑えて、「ぎりぎり解ける問題」をすいすいすらすらになるように「演習」するのを勉強の中心に据えるほうが吉なのです。

私が考える「暗記算数」はこんなニュアンスです。実際のところ、「演習算数」と呼んだほうがいいかもしれないですね。

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by an-dan-te | 2013-07-15 23:19 | 中学受験 | Comments(15)

Commented at 2013-07-16 08:50 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 21vertex at 2013-07-16 08:55 x
ほどほどが肝心なのはおっしゃる通りだと思います。算数・数学は暗記科目ではないが、暗記力が不要と言うわけではもちろんない。(2)を解くときに(1)の答を覚えておくほどの短期記憶は必要だし、基本的な解法も覚えておく必要があります。このとき解法を理解しているのと覚えているのとどっちが先と言うかどっちが本質なのかは議論しても仕方ないことです。よくできる人にとっては既に血や肉になっているので、理解しているから覚えている(実感はこっちだけど)のか暗記しているから覚えているのか、渾然としてきますから。(続く)
Commented by 21vertex at 2013-07-16 08:58 x
(字数が多過ぎたので分割しました。数学に限らず難問を解く基本手筋に「困難は分割せよ」があります。その分割したひとつひとつがパーツ?)

この問題は算数・数学でどの辺のポジションを目指すかでも変わってくるかと思います。ただ残念なことに、算数・数学の場合、ほどほどできるポジションなんて目指してなれるわけがないんですね。算数・数学超人を目指すくらいの意気込みで勉強して、ごく一部の人が超人になり、超人を目指す大部分の人がほどほどのポジションをつかめるというイメージ。でもほどほどのポジションだって、全体からみれば氷山の一角みたいな。

ほどほどのポジションを目指して、分からなかったらすぐ解答を読んで理解に努める、これを忘却曲線に抗って何回りかして定着させる、っていう勉強法が通用するのは、中高そして大の定期試験対策とセンター試験くらいです。中受算数や国立大学二次試験に通用するためには、一定程度の難問にチャレンジして、時間の無駄を恐れず自分でああでもない、こうでもないと考えることが必要ではないかと。
Commented by chie at 2013-07-16 09:39 x
娘の先生には5分考えて解らないときは解説を読みましょうと言われています。「算数苦手女子」が問題を前にぼーっとしている時は、考えているのではなく、ただぼーっとしていると捉えたほうがいいようです(笑)そして、5分考えるときも眺めるだけっていうのは禁止で、とにかく解ったことを書きこんだり、線分図を書いたりしろ!!と、、、、親がヒントを出す時は、全部1から説明しないでヒントを出してそこから考えさせるように、とも言われました

昨日Nフレンズに行って刺激を受けた娘は、優しいお姉さんに「解らないことをそのままにしておくと、6年生になった時にすごく困ることになる」と言われたのが響いたようで
「今までは解らなくても、まぁいいかと思っていたけど、やっぱりちゃんとしたほうがいいよね」と、今まで何してたのよ~の信じられない発言。
いつまで続くかわからないけど、5年でNフレ行っておいて良かったです。。。
 


Commented by まる at 2013-07-16 11:09 x
どうしても受験で合格したいなら数学は暗記だろうと思います。
しかし 丸暗記は小学校高学年以上には難しく、本人が、絶対暗記が必要と思っていないのにやらせると辛いことになります。

私は中学校時代に暗記力はあまり悪くなかったのに高校に入って無理に単語を覚えることをやって勉強がうまくいかなくなりました。

覚えられる人は覚えればいいですが、普通はうまくいきませんから、標準問題と過去問を繰り返しやるのが近道だろうと思います。

akira先生は間違えた問題は正の字を書いて繰り返しやろうと書かれています。5回やればテストで有効です。
Commented by かるらぴぃ at 2013-07-16 17:48 x
うぅ・・塾の時間の拘束って凄く厳しい!中受生の場合、家で準備できる時間が限られてるというのがまず下地にありますよねぇ。

娘は「30分たったから答え言うよ」は絶対受け入れず、何時間かかっても自分で解きたい派。 ヒントを出すだけで泣いて悔しがるし・・・でも、この1問に1時間とか費やされると、理科が!社会がぁ!じゃぁ、いつやるんですか?→母娘バトル

こんな危険な問題が算数ではオプ活のラスト問だったり(たしか、旅人残のラス問が横フタの入試問題だったよーな)してめちゃめちゃ警戒してました。
その問題に手が届くかどうか・・・というのは、子どものジャンプ力(ばね)がどれだけ準備できた状態かどうか・・・演習の具合ですが、演習時間が極めて限られている日常。。

私は問題を白紙に1問ずつ書き写してくもんプリント風にし、ラスボスは渡すか様子を見ながらにしてました。(娘にテキストを渡してはじから解かせていると全部やるといって聞かないので(^^;;)
本当は子どもの気持ちによりそって、その子のペースで充分演習させてあげて、難問もゆっくり考えさせてあげたいですねぇ。
Commented by an-dan-te at 2013-07-17 09:21
***(2013-07-16 08:50)さん、
よかったです(^-^)
コツコツ、「積んで」いってね!!
Commented by an-dan-te at 2013-07-17 09:31
21vertexさん、
> 解法を理解しているのと覚えているのとどっちが先と言うか
> どっちが本質なのかは議論しても仕方ないことです。
それはすごくそう思います。
ある程度理解しないとそもそもなかなか覚えられないし、理解して演習を積んだら考えなくても出てくる(暗記した?)状態になるわけだし。

> この問題は算数・数学でどの辺のポジションを
> 目指すかでも変わってくるかと思います。
そうですね。はなひめも私も受験で足を引っ張らない程度を目指していたわけで、だからまさに「自力で粘る」ことに時間を費やさないスタイルが効率よかったんです。
(長いので分割(^^;;)
Commented by an-dan-te at 2013-07-17 09:32
21vertexさんへの続き、
> 算数・数学の場合、ほどほどできるポジションなんて目指してなれるわけがないんですね。
んなこたーないですよ。ほどほどを目指したらほどほどになりました。ごくふつーの話でしょ(^^)

> でもほどほどのポジションだって、全体からみれば氷山の一角みたいな。
そうですね。たとえば、偏差値60といったら、山のピークからはちょっとはずれかかるあたり。

> 中受算数や国立大学二次試験に通用するためには、一定程度の
> 難問にチャレンジして、時間の無駄を恐れず自分でああでもない、
> こうでもないと考えることが必要ではないかと。
中受算数といってもいろいろですし…
まぁ「必要」かどうかはさておき、そんな時間も趣味もなかったというのが本当のところですが。わが家5人でいうとわからない問題に自力で取り組む系の勉強をしたことがあるのはたぶんよしぞうだけでしょう。ま、そういうこと(使い物になるレベルはよしぞうだけ)なんじゃないですか。
Commented by an-dan-te at 2013-07-17 09:36
chieさん、
「5分考えて」は実践的なアドバイスですね。
> ただぼーっとしていると捉えたほうがいいようです(笑)
ぼーっとしてるっていうか。「困ったなぁ」とか「くやしいなぁ」とか考えている(問題を噛み砕いているわけではない)という気がします(^^;;

> とにかく解ったことを書きこんだり、線分図を書いたりしろ!!と、、、、
そうですよね。手を動かす。これがなかなかできなくてね…

> 今まで何してたのよ~の信じられない発言。
えっ(^^;; あー、Nフレンズ、行ってよかったですね♪
Commented by an-dan-te at 2013-07-17 09:41
まるさん、
みんな四十すぎると物忘れがとかよくいってますが、私の場合、どんなに若い頃でも記憶力がよかったためしがないので(笑)
いつも覚えることを最小限にできるよう、そしてめんどくさがりでもあるので、演習も最小限にできるよう(爆)最大限の努力をしていました。つまり「理解」で乗り切れるように工夫するということですけど。

子どもはタイプが違うので、それじゃうまくいかなくて、やはり繰り返しの中から理解も暗記も定着していくというやり方がよかったようです。「正」の字は書いてませんでしたが考え方は同じ。
Commented by an-dan-te at 2013-07-17 09:48
かるらぴぃさん、
とにかく時間が限られてますもんね…
親は、全体の時間から考えて、「そんなに一問に時間使っちゃもったいない」とか思いますが、子どもにはわかりにくいですね。

chieさんの先生みたいに、「5分まで」と線引きして、それで納得できる子だったら楽ですけど、どうしても粘りたい子の場合は時間のバランスを取るのが難しい。

でも、
> ヒントを出すだけで泣いて悔しがるし・・・
このガッツにはちゃんと意味があるんですよね。その一部は中学受験に役立ち、残りはもっと後になって力を発揮するような。

> 問題を白紙に1問ずつ書き写してくもんプリント風にし、
> ラスボスは渡すか様子を見ながらにしてました。
おぉぉ~。考えましたね(^^)
Commented by gura at 2013-07-18 01:21 x
演習算数、しっくりきます。今まで、間違えた問題や、不安な問題を繰り返す努力をしていましたが、正解した問題をやる余裕がありませんでした。この夏は、正解したものも繰り返して、定着するよう(子供たちが)頑張ります。

親子で楽観的なので、まあできるでしょって思いがちなのがいけないみたいです^^;
Commented by an-dan-te at 2013-07-18 13:16
guraさん、
正解はしても、すごい迷いながらだったとか、納得してないっぽかったとかは、練習するといいことがありますよ~

もちろん間違えた問題は練習するんだけど。そうするうちにだんだん、解ける問題の範囲が広がっていくんです。解けない問題をにらんで長時間考えなくても。
Commented by gura at 2013-07-18 13:24 x
有り難うございます!絶対やってみます!(子供が)いいことあるよ~っていってみます^^

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