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現代語文法学習が難しいのは当たり前(文節)   

中一で、国文法が難しい、特に文節に分けるのがうまくできないというコメントをいただきました。

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これはね、なんか難しい、すっきりしないって思うのは当たり前なんですよ。

中学で使う文法の問題集とかを見ると、最初のページが「文節」の話になってます。
私の手元にある「標準問題集 中学国文法」(受験研究社)という本だと
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「発音や意味の上から、それ以上区切ると不自然になる文の一区切り。文節の切れ目には「ね」「よ」「さ」をつけることができる。
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と説明されています。不自然とか自然ってそもそもいったい何よ、というか定義のしようもないですね。

「杜子春は(ね)/驚いて(ね)/伏せて(ね)/いた(ね)/眼を(ね)/挙げました。」

この区切り方のどこが自然なのよ、とグレたくもなるじゃありませんか。

だいたい、「伏せて(ね)/いた(ね)」より、これを一区切りでとって「伏せていた(ね)」のほうがまだ許せる気がするし…ここで切るって誰が決めたの。

例えば:
「あんなことを言っているうちに、友人の信頼をなくしてしまうだろう。」
を文節で切ってください、と言われたら、どうするか。迷うところは
「あんな(ね)/ことを(ね)」なのか「あんなことを(ね)」なのか、
「なくしてしまうだろう」はどこか切れるのか切れないのか、
といったあたりではないでしょうか。

これは、どこか「ね」をいれて「自然」なところってある?? などと悩んでも解決しません。

一歩進んで、「自立語が文節の頭になる」ということを知っておかないと解けないんです。
自立語は、名詞・代名詞・動詞・形容詞・形容動詞・連体詞・副詞・接続詞・感動詞。
それ以外のことを付属語といいますが、助動詞と助詞の二つだけです。

要するに、助詞でも助動詞でもないものが来たらそこでは文節が切れます。

「こと」「うち」とか「しまう」とかいうとあんまりいっちょまえ(自立)に見えないかもしれませんが、「こと」「うち」も「しまう」も、助詞でも助動詞でもないですね。「こと」「うち」は(形式)名詞、「しまう」は(補助)動詞です。だから文節は切れるんです。

「だろう」だって、「こと」程度の存在感(?)があるような気もしますけど、これは断定の助動詞「だ」の未然形「だろ」に、推量の助動詞「う」がついたものなので、自立語ではない。

ということで
「あんな/ことを/言って/いる/うちに、/友人の/信頼を/なくして/しまうだろう。」
となります。

でも、自立語、付属語という話も、それから品詞の分類も、「文節」のページより後から出てくるので、わかりませんよね。だから、わからないのは当然なのです。

じゃあ逆にやっとけばよかったんじゃ、と思うと今度は自立語の説明に「それだけで文節をつくることができる」って書いてあったりして(^^;; まぁ、説明の都合上、まずは文節をやりたいってのも後から考えればわかるんですが(習ってる最中にはわからない)。

文法の学習態度としては、なんか意味不明だけど、えいやと問題やってみて、えぇ~ここで切れるの、なんで? と納得いかない赤入れをして、わからないけどどんどん先に行ってみて、いつかどこかで「あぁ」となる。それで正しいんです。しっかりクリアして次に進みたい人にはつらいけど。

「いい加減」「ええかげん」に学習するといいと思いますよ…

そもそも、現代語の文法学習全体が、古文の文法学習のための壮大な前フリみたいなもので、現代語の文法だけ習っていても、なにそれおいしいのくらいでしかないのがふつうです。だって、そんなの知らなくてもしゃべれるし書けるもの(除く、こじろう)。

この、滅多にないほど文法好きの私ですら、現代語の文法をやってる間はまったくおもしろいと思わなかったんです。ま、あんまり悩まないのが吉です。理解があやふやなまま先に進んでも、後で謎が解けるから。

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by an-dan-te | 2013-05-27 11:44 | 中学受験 | Comments(11)

Commented at 2013-05-27 15:59 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by まる at 2013-05-27 17:19 x
文法が好きなのですか。すごいです。

大学の第二外国語では文法を習いましたが文法の試験はありませんでした。このくらいがいいような気がします。
語句と文法は必要ですが、本人が必要と思う時に重点的にやるといいと思います。
無理じいすると嫌になるかもしれないからです。
Commented at 2013-05-27 22:01 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by an-dan-te at 2013-05-27 22:17
***(2013-05-27 15:59)さん、
おぉ、お待ちしております(^^)
Commented by an-dan-te at 2013-05-27 22:18
まるさん、
文法は、道具であって目的ではありません(学者じゃないし)。私が文法好きなのは、暗記嫌いで少しでもサボりたいからですよね、どう考えても。つまり、少しでも理屈をこねて話をざっくりまとめてしまいたい。ま、そんなところです。
Commented by an-dan-te at 2013-05-27 22:25
***(2013-05-27 22:01)さん、
実は長年、私も「文節」に納得がいってなくって、子どもの中学受験の面倒を見ているときようやく「そういえば」って思いました。というか、私は機械的に日本語を扱うときの品詞分解で、補助動詞あたりをコミにして「文節」として扱っていたので(そのほうが何かと便利)、余計混乱してしまって。

あれやこれやあってから、小中学生向けの文法の本とか見ると、これじゃわかんないよな…って思いました。

文節は、文の構造を考えたり、さらに品詞分解をしたりするためのなんか便宜上のものですよね。そんな大事なことじゃないし、それこそ補助動詞や形式名詞はつなげちゃう文法を作ったってかまわない(ちゃんと便利な体系ができる)と思います。

公立中に進学される上でもブログが参考になったと言っていただけるのはうれしいです(^^)
Commented by gura at 2013-05-27 23:06 x
アンダンテさん、コメントの場所間違えました・・・。百人一首の目次につけてしまいした。ごめんなさい。
Commented by ゆみすけ at 2013-05-28 05:17 x
「自立語が文節の頭になる」そうですよね!今すっきりしました。
先週さんざん娘の文法に付き合いましたが、ここまで納得する説明はしてあげられなくて。
あ~でもまだ娘は「自立語」がピンときていないところもあるので、これでも納得しないかもしれないけれど、おかげさまで私がとってもすっきりしたので、思わずコメントしてしまいました。
中学生母にもアンダンテさんのブログ必須です。
Commented by an-dan-te at 2013-05-28 12:11
ゆみすけさん、
すっきりしてよかったです(^-^)
文節のところは、特にフラストレーション抱えてる人が多いと思います。まぁ、わからないことを恐れない態度があれば何も怖くないよね(笑)
Commented at 2013-05-28 17:37 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by an-dan-te at 2013-05-30 12:31
***(2013-05-28 17:37)さん、
スッキリとはいかないと思います。なかなか。文法ってそういうもの。私が語学とか文法とか得意なのって、「いい加減さ」がジャストなんだと思うんです。

疑問点あったらいつでもどうぞ!! わかる範囲でお答えします(^^) 競技かるた部ですか~がんばってね!!

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