「低学年のうちに実体験を」をどう考える   

塾の先生からよく言われることの中に「低学年のうちに実体験をさせてください」というのがあるけれど、それをどう考えたらよいか、というご質問をいただきました。

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実は、私自身は塾の先生からそう言われた覚えがないんです。それはたぶん、うちがそもそも低学年のうちに日能研に顔を出してないからじゃないかと思いますけど(^^;; だってもうすぐ五年になろうってころにようやく行くんだから低学年もへったくれもないですよね。

むしろ、理科の先生が、「実物を見せることで理解・定着を図っていきます」と、日能研の授業の良さをアピールしていました。顕微鏡とか、ガスバーナーとか触らせるって。

確かに、あのガスバーナーの手順って、空気調節ねじとガス調節ねじがあって、その回す順序とかありますけど、あんなのをテキスト上だけでみてハイ覚えなさいったって、ねぇ。ちっともうれしくありません。だから習うとき触れるに越したことはないと思いますけど、まぁ実際のところ、日能研の授業中ではそんなにしっかり時間が取れるわけではないので、ちょっと半端な扱いだったみたいです。ないよりはいいという感じかな。

テキストにはいろいろな実験が図として載っていますけど、塾授業の中でこれをすべて体験することはできないでしょう。けれど、それでは低学年のうちにご家庭でといわれても、できるものは限られていますし、仮に器具などを買ってきて実験したとしても、理解が追いつかないものも多いと思います。五年・六年の学習をする中で組まれている実験ですから、低学年で見たからって心に響くとは限りません。

ただ、「ぱっと色が変わった!!」とか楽しくても、意味不明じゃ、ディズニーランドいってエレクトリカルパレードみるような娯楽と変わりません。

低学年では、その後に習うことを網羅するようなことは考えず(どうせできないし)、ただただ生活上に無理のない範囲でいろいろなことを体験しつつ…理科実験をしなくたって、料理しても買い物しても散歩しても旅行しても、どう転んでも算数理科社会に結びつきます。何をやっていてもいいのですが、それについて大いに語り合うというのが親のすべきことではないかと今では思っています。

「今では」というのはどういうことかというと、私はこれを十分にしてこなかったからです(-_-;;

なんかいつも生活に追われていて、特に長男のあれこれに気を取られていて、こじろうやはなひめの言葉に耳を傾けてきませんでした。意味のある対話が不足していました。

幸い、中学受験という、便利にパッケージ化された仕組みの中で、低学年のうちに実体験と対話から学ぶべきことのかなりをキャッチアップすることができました。こじろうもはなひめも、「紙」という形で抽象化されたものから学ぶことがあまり下手ではないタイプだったのもよかったです。「具体」にとことん強く、そこからでなくては学べないタイプの子だったら、我が家ではもっとスポイルされていたと思います。

体験は何でもいいのですが、それが意味を持ったり定着したり、別のことに思考を使えたりするのは、言葉を通してです。体験のあとに対話がないものは、すべて曖昧模糊として流れていってしまいます。

丁寧な対話が不足していたと思う我が家ですが、親の素養の関係から、特に「社会」関連が圧倒的に不足して、逆に「理科」関連はそこそこ養えていたようです。そういう面を考えると、親が疎い分野について「低学年のうちに実体験」を生かすのってかなり難しいですね。

今の小学校では、昔(私が子どもだったころ)に比べて、ずいぶんいろいろな実体験(見学や実験など)を積ませてくれます。贅沢なくらいです(^^) でも、それを「言葉」「思考」にする十分な時間やスキルがないため、もったいなく消えていきます。もしご家庭で、学校で得た体験の言語化の部分を手伝えたら、それもひとつお得な方法かもしれません。

(流れてしまった実体験がすべて無駄になっているということではないのですが、知識や思考として役に立たないという意味です。「心を耕す」「抵抗感を減らす」とか別の面からすれば無意味ではないでしょう)

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by an-dan-te | 2013-03-24 09:31 | 中学受験 | Comments(13)

Commented by みさまま at 2013-03-24 10:56 x
こんにちは

まずはご卒業おめでとうございます。
はなひめちゃん、人生最高の春休みをすごしているんではないでしょうか。

低学年の体験学習・・・よくいわれますが、それが勉強のためとなるとしんどいですよね。
我が家は、テレビもゲームもなしだったので、必然的に時間があまり散歩をしながらよく季節の草花鑑賞してました。
とにかく自然が多いので(いのししと一緒に登校なんてこともあります)庭には、いろんなところにカマキリやてんとう虫の卵がありいろんな昆虫もいて、今になって思うと、理科の生物が得意なのはこんなことからかなと思います。
社会も土地柄、奈良京都が近いので、小さいときからよく行きました。これも歴史好きにつながっているかもしれません。

親の意識もそうですが、やっぱり環境も大きいですよね。
都会に住んでいると難しいだろうなと思います。

あと、低学年のとき、娘のリクエストでいわゆる理科の実験教室に行きましたが、あれ、お月謝が高いだけでほんと役にたたなかったなぁ・・・・・我が家では。
Commented by ハナミズキ at 2013-03-24 21:14 x
こんばんは。先日のランチ会は有難うございました。き~ちゃんさんにお会い出来なかったのが残念でしたが、とても楽しかったです。謝恩会幹事だったので22日にやっと卒業式を終え、一息ついたところで、すっかりお礼が遅くなりました。

体験学習、我が子も今年3年生になる娘がいるので意識しています。以前にアンダンテさんが小学生の頃物理を楽しく教えてもらったことが後々の勉強に役に立ったという体験談を読んでいて、やはり理科って楽しいんだよっていう体験があるのは大きいな~と思っていました。

私の理科嫌いが長女の時には影響を与えていたと感じているので、次女の理科好きの芽はつぶさないようにしたいです(星の科学者になりたいのだそうです・笑)。

Commented by ハナミズキ at 2013-03-24 21:16 x
すみません。上記の続きです。長くなってしまったので・・・

立体のものを平面の紙に書かれた状態で理解する、というのが私自身苦手なので、娘と一緒に天文台とか行って色々学んでみたいと思っています。あと、来年には科学館の近くに引っ越す予定なので、楽しい実験などにももっと触れてみたいです(私自身が)。

一方で社会には強かった長女。テレビと新聞からの影響が殆どでしたが、旅行ついでの社会科見学は役に立ったようでした。実家に帰るときは大抵飛行機に乗るのですが、地図を持って上空から見たら楽しいだろうな~と思い、次回は持って乗ろうと思っています。

Commented by gura at 2013-03-24 23:02 x
実体験だけはばっちりです。自然いっぱいなところで育っています。色々つかまえて飼って増やしたり、拾ったものを植えて育てたり、勝手にやっています・・・。庭や家の中に謎の生き物がいたり、りっぱな苗木が育っていたり。つくしも猫じゃらしも、子供の好きそうな草は一通り蒔かれ、育っています。

そして親がいい加減なので、家事も大好きで、色々やってくれます・・・。昔の子供のよう。(このほったらかしの、子供の時間も大事かも。言い訳・・・。)

好きなことなら延々としゃべってくるので聞くほうは大変ですが、話題にことかかず、楽しいです(^-^)

これだけでいいなら、本当に楽しいです。楽しいことしかしないけど(^-^;)
Commented by ももんが at 2013-03-25 01:06 x
遅れましたが はなひめちゃん ご卒業おめでとうございます
ひと足早い春休み 楽しんでいるでしょうね

わが家は体験はたくさんした方かな と思います 自分が好きなので子どもに乗じてたくさん遊びました
ただ 受け止めかたはその子によるなー と思いました

長男は鉄道好きでよく見せたり 乗せたり しているうちに 時刻表や雑誌に発展して 日本の地理にずいぶん詳しくなったり

お城が好きになり 国宝のお城などを見に行ったりして 興味を持って本を読んでいるうちに歴史に詳しくなったり と体験が知識につながっていくタイプでした

一方妹は 同じようにしたつもりですが 発展が今一つで体験が流れがちだった気がします 幼いころは兄の興味につき合わされますし…

ただ 「みんなビーカーや試験管も知らないんだねぇ」とビックリしていたことがあり 体験型科学館で小さい頃から実験していたのは 理科好きにはつながったかも 兄があんまり楽しそうにしているので影響されるのもあるかな
地理などがつながってきたのは中学生になってしばらくしてからのような気がします 気長に見れば どこかで生きてくるかな 
Commented by an-dan-te at 2013-03-25 06:51
みさままさん、
ありがとうございます。友だちと遊んだり、テレビゲームしたり、弛緩しきった生活を送っています(^^;;

「勉強のため」と思って低学年からやってたら、それはしんどくて続かないかもしれません。テレビもゲームもなしだと、自然と実体験が多くなり、対話も増えたのでしょうね。

うちのあたりもいろんな植物は豊かにあったと思うのですが、なにしろ親もそのへんの素養(と関心)が薄かったのと、いつもそんなあたりに目をやらずに特急でせかして通り過ぎていたのが敗因です(-_-;; 植物はテキスト上のやっつけになってしまいました。

> いわゆる理科の実験教室に行きましたが
ちゃんとお膳立てされ工夫されていたのでしょうけど、「とってつけた」ようになるとなかなか生きないのかもしれませんね。
Commented by an-dan-te at 2013-03-25 07:33
ハナミズキさん、
次女さんは理科好きの芽をお持ちとはすばらしい(^^)
うちは全員に社会苦手を遺伝(環境遺伝)させてしまいました~
最後にちょっと、私自身が「日本史おもしろい!」と浮上しましたが時すでに遅し。

> 立体のものを平面の紙に書かれた状態で理解する、というのが私自身苦手なので、
私も実は苦手です。星の問題とかでややこしいのになると「うっ」と思うんですが…でもまぁ手順を追えばできないことはないです。苦手なままでも練習すれば問題は解けるようになるでしょうけど。でもそれだけじゃつまらないものね。
Commented by an-dan-te at 2013-03-25 07:41
guraさん、
自然もですけど、家事を担うというのも何かとっても根っこのところで重要な気がします(中学受験の話から離れますが)。

> このほったらかしの、子供の時間も大事かも。
たぶんそうですね。

> 楽しいことしかしないけど(^-^;)
まぁ、低学年からやる分は、そのスタンスでないと息切れしますね。
Commented by an-dan-te at 2013-03-25 08:10
ももんがさん、
ありがとうございます(^^)

受け止め方は子どもそれぞれでしょうね。
私も、物理好きには育ちましたが、心に響いたのは力学部分だけで、電気関係はすべて謎で「わー、ラジオ聞こえた~」で止まってました。中身ナシ。

> 気長に見れば どこかで生きてくるかな
そうかもしれません。流れてしまったようでも、奥底にはちょっと残っていて…少なくとも、改めてやるときに抵抗がなくなるとかいうくらいに。
Commented by アケボノ at 2013-03-25 13:05 x
質問させていただいた者です。記事にしていただき、ありがとうございました(^^)

〉ただ、「ぱっと色が変わった!!」とか楽しくても、意味不明じゃ、ディズニーランドいってエレクトリカルパレードみるような娯楽と変わりません。

・・・ですよね。日々バタバタの生活ですが「体験のあとの対話」をちょっと意識していこうかな、と思いました。
私がばりばり文系なので、うちの場合は理科に結び付けるのが難しいなと感じています。先日ムスメと「蒙古斑」の話題がでたときに「蒙古」ってモンゴルのことだよね、地図で場所を確認してみようなんてことは楽しくできたのですが、人体の不思議的なことに結び付けるのは無理でした。私も子育てをきっかけにちょっぴり理科に興味を持てるようになったら嬉しいな。


Commented by an-dan-te at 2013-03-26 08:10
アケボノさん、
まぁ、子どもは親を選べませんので、親の素養の範囲内でしか対話できないところは、まるっとあきらめてもらうしかないですけど(^^;; でも、子育て(中学受験)きっかけで親の世界もちょっと広がったりして、何歳になっても楽しいですね。
Commented by AVARON at 2013-03-28 08:17 x
「親が意識的にさせる体験」であれ「自然と存在している環境」であれ、実体験として経験したことは子供にインパクトを与えるでしょうね。私が「生物・科学(化学もまあ好きですが)好きな文系」なのは、自然の多い場所で育ったことと無縁ではないです。

それでも子供がそこから何を感じるか・学ぶかは、それぞれだと思います。例えば「天気のよい春先に、花の咲く道を通ってお母さんと買物に行く」という経験に対するリアクション。
子供A:道すがら見た綺麗な花や蝶を絵に描いてみる。
子供B:帰ったら花や蝶の名前を図鑑で調べる。
子供C:スーパーで何か買ってもらうべく母を攻略する方法を考え、実行する。
子供D:スーパーでセールになってる商品を見て「割引」「割合」の概念に目覚める。
子供E:スーパーのレジ打ちのおばちゃんの顔と名前を覚える。「あの人は愛想がいいがレジ打ち遅いので、こっちのレジに並んだ方がいい」などと判断。
その他イロイロありそうですね。こういう個体差が私には面白いです。ちなみに私はB、娘はEです。
Commented by an-dan-te at 2013-03-29 18:57
AVARONさん、
実体験はやっぱり感情や感動、たくさんの手がかり、ひっかかりが多くて、記憶にとどまりやすいと思います。テキストにのってるだけの植物なんてほんとどーでもいいっていうか(^^;;

でも確かにそうですね、何に感動するかでぜんぜん違うものが残りますよね。見れども見えず。このコントロール不可能感が「生」ですな。

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