潜在記憶的アプローチ「マイクロステップ学習法」   

一夜漬けして定期テストをなんとか切り抜けて、どっと忘れる…という勉強法では、もちろん入試の役には立たない。

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長持ちする記憶にしないとね。でも、私は基本的に一夜漬け得意なので(笑)、入試のための勉強も一夜漬け的アプローチで考えていた。つまり、なんとかして、短期の記憶でいいから必要事項を詰め込んでみる。そして、10分後、夜寝る前、翌朝…と繰り返していき、ものにもよるし人にもよるけど、忘却曲線に対抗するように、一週間後、一ヶ月後とリフレッシュすればまぁ覚えるかなというような。

このやり方は、まず、頭っから記憶が「使える(顕在)」状態になっているのがミソで、それなら定期試験であれ、週テストであれ、クリアできるでしょ。それであとは、それが賞味期限切れにならないようにメンテしていけばよい。

前にちょろっと紹介した、岡山大学の寺澤先生の講義では、実力=潜在記憶というような説明になっていたけれど、別に潜在記憶でなくては入試に役立たないということはない。エピソード記憶のようなものであっても、長期記憶の一種ではあって、授業で聞いておもしろいと思った話を、家で親にも説明したんだけど、かくかくしかじか…というような歴史上のイベントがあったとして、そうやって強く印象に残っているものは充分使えるよね。

ただ、確かに、そういう「いつどこ」式の記憶というのは、使うのにやや意思と時間を要するのであって、たとえば日本語で自然~に作文しているときには、文法や語彙についてあらためて思い出そうと必死になったりしない(もろ潜在記憶)とは使い勝手が違う。

違うけど、でもエピソード記憶的なものも、ほんとに使い込んで定着してくるうちに、「いつどこ」はどうでもよくなって、意味記憶として、さらには母語の語彙のように潜在記憶として自由自在に使いこなせるレベルになる、ような気がする(以上の説明は、私の個人的な理解であって、学術的なものではありません)。

で、寺澤先生の提唱するマイクロステップ学習法というのは、このまったく逆をいくアプローチで、発想としてはなかなかおもしろい。つまり、一度見たもの聞いたもの、意識の上ではまったく記憶できていないと思われるものでも、実験してみると、ほんとうに一度も聞いたことがないものとはくっきりと異なっている。たとえば、まっさらから覚えるより早いとか、ともかく、本人は「知らない」と思っていることであっても潜在記憶にはいろんなものが残っている。

もちろん、そんな実験しないと表に出てこないレベルでは入試の役には立たないが、そんな痕跡程度の記憶でもいいから、数を繰り返すとそれが定着してきて、一定レベルから「あふれると」いつしかテストでもちゃんと点がとれる状態に達する。

マイクロステップ学習法では、そんな、役に立たないレベルの範囲内の繰り返しの効果についても、ちゃんと目に見える形で提示してやって、学習意欲を保ちつつ、必要な反復回数を稼がせようとしているらしい。要は、あんまり気合い入れるとか、「あーん、覚えられないよう」なんてことを言わなくていいから、たんたんと、「見流す」「聞き流す」。それで、繰り返すと、いつのまにか。

これ、心理学的には非常に興味深い話題だけれど、放送大学で見た感じからいうと、実際の学習場面で使うにはまだまだだね。でもあえて、この、現在差し迫った入試に応用するなら…

私の好きな、一夜漬け方面アプローチを主流にしつつ、あまりなじみがなくて覚えにくくて、ほんと嫌になっちゃうようなこと(はなひめだと、公民特に国際分野とかね)は、さらーっと紹介してあまり追求せず、何度も何度もまたさらーっと見せる。説明しつつ、「なんかぜんぜん頭に入ってないじゃん!!」とか焦らず、寄せては返し、また寄せては、いつかふっと「なじみ」ができたらこっちのもの。あとはそのまま「さらっと」繰り返して定着を狙うもよし、一気に一夜漬けアプローチで決めるもよし(残りの日にちからいうとこっちか…)。

えぇ、国連の機関とかぜんぜんもうわやくちゃなんです。間に合うかな。

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by an-dan-te | 2012-12-19 13:22 | 中学受験 | Comments(2)

Commented by 21vertex at 2012-12-20 11:01 x
>入試のための勉強も一夜漬け的アプローチで考えていた。

最初、これ読んだとき、入試=大学入試と考えていて、特に二次試験の科目なんか、一夜漬けするようなものないでしょ、とスルーしていたんですが。ひょっとして中受の理科・社会とかの話でしょうか。

>意識の上ではまったく記憶できていないと思われるものでも、実験してみると、ほんとうに一度も聞いたことがないものとはくっきりと異なっている。

そうですね。私も以前、ある人のことを名前だけ知っていてあったことないと思っていたんですけど、あるとき、その人の顔を思い浮かべることができることに気付き、びっくりしたことがあります。それで記憶の糸を手繰ると、遠い昔にある会合で「見た」ことを思い出したものでした。

Commented by an-dan-te at 2012-12-20 13:32
21vertexさん、
いや、「一夜漬け的アプローチ」とここで勝手に呼んでいるものは、短期記憶からつっこんでその後定着を目指して繰り返すもので、中学受験、大学受験を問いません。大学受験の英語とかは丸暗記とは違うんですが、このアプローチで「定着」させるとちゃんと応用の利く文法知識に育つんですよ(と、私は思ってるんだけど)。

> それで記憶の糸を手繰ると、遠い昔にある会合で「見た」ことを思い出したものでした。
人間の記憶メカニズムって、まだまだ不思議ワールドですよね。心理学の話、いろいろとおもしろいんですが、まだかゆいところに届かない感じです。

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