国語苦手男子の霧が晴れるとき   

すんごい遅ればせながら、今年の五月に行われた「ベネッセ進学フェア」のDVDを見たんですが。

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その中で、高濱正伸氏(はなまる学習会)がおもしろいことを言っていました。中学受験向きの子かどうかを見極めるポイントの中で、「他者性」が育っているかどうか、というのが重要なひとつで。

物語文の読解なんかでは、ものすごい長文を短時間で読ませ、登場人物の気持ち、さらにはその変化、機微といったものを聞いてくるわけですよね。たとえば初恋の物語で、校舎の陰から好きな男子の部活風景をそっと見ている女子の気持ちを聞かれたときに、高濱氏が前に教えたことのある男子は

「うざい」
って答えたという(^^;; それは、オマエの気持ちだろうが~

とにかく、他者の立場に立って考える、あるいは、他者にわかるような表現をするという能力があるかどうか。そういうことって、頭の良し悪しというよりは、発達段階の違いということになると思うんですが、それがまだ育ってないなら、無理をせず高校受験へいらっしゃい。というのが高濱氏の主張というか提案だと思います。

それはそれでわかるけど、まぁそれでも中学受験したいという場合には、土を耕し種を撒き(←漢字語句こつこつ)、相性のマシな学校を選び、過去問きっちりつきあって押し込んでしまえ、というのが私の提案ですが。

しかしそれって、別に「他者性」の問題に本質的な解決をもたらしたわけではないです。親とは関係なく、本人のタイミングで、あるとき何かが起こる。つながる。そういうものですね、発達段階というものは。

私が「国語苦手男子をどうする?」という記事を書いたあと、それを引用してくださって「国語苦手男子に少女漫画のススメ」という記事を書いているブログがあります。まだ読んでいない方はぜひ読んでみてね。おもしろいから(^-^)

このブログ筆者のお兄さんは、国語の読解がひどく苦手だったのですが、あるときから「少女漫画」を読みふけるようになって、ものの数ヶ月で模試の点もガーンと取れるようになったそうなんです。

なぜ少女漫画なのか、というと、このお兄さん曰く。
> 「少女漫画には『葛藤』があるんだよ!」

>  少女漫画の主人公は最初と最後じゃ
> 考え方が変わるんだわ。
> 何かの出来事をきっかけに
> 主人公は人間的に成長するわけ。

うーむ、確かに物語文読解的です。こじろうの国語で悩んでいたときに買った「中学受験 必ず出てくる国語のテーマ(小泉浩明)」という本の中でも強調されていた、「テーマ」(たとえば「父親に反抗する少女の成長の物語」というような)に慣れるということ、それを地でいくことになりますね。少女漫画を読むというのは。

そういや、よしぞうは(典型理系だけど国語は得意だった)私よりはるかに少女漫画に造詣が深いのだが…それが役に立っていたんだろうか…

えっとまぁ、しかし、じゃあなかなか国語の成績が上がらないからうちの子にも少女漫画を読ませてみましょうか、というのはちょっと違うかもしれません。前述のエピソードのお兄さんも、自分でそのことに気づけるくらいになって読んだらおもしろく、そして効果も上がったわけですね。

ある「元・国語苦手男子」も、中学三年くらいの一時期、ドラマやバラエティー番組にハマっていましたが、それは、文脈・行間・空気が読めるようになりかけて、そしたらそういうものがおもしろくて、そこからいろんなことを吸収できた、ということだと思うんです。

たぶん、親が、少女漫画やドラマを推奨しても始まらないんですよ。発達の階段をいつのぼるかなんて、本人のタイミングしかないです。親にできることは、土台作り、種撒き…それはきっと、時期がきたときに、より大きな実りを得るためには役立つことでしょう。

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「うちの女子は国語苦手なんですが」というような声もあり、タイトルをどうするかちょっと考えたのですが、もちろん、国語の点数なんて性差より個人差のほうがでかいです。でも、ここで書いたようなパターン(機序)で国語ができない子ってのはやっぱり男子に多いかなと思ったのでとりあえずそのままにしました。

by an-dan-te | 2012-11-10 10:42 | 中学受験 | Comments(8)

Commented by yocchi at 2012-11-10 13:08 x
国語苦手男子(長男)の母だった私は、N塾の「保護者のための勉強会(国語)」に何度か出ました。中学入試国語では、問題文中に何か出来事があって、(受験生と同じ年頃の)主人公の気持ちが出来事の前と後で変わる成長の部分が出題される、と何度も言われました。入試当日 過去に読んだことのある(+他校の過去問でやったことのある)物語文が出て、N塾もビックリの奇跡の合格を果たしました。長男は少女漫画は読みませんが、高3の今は 現代文の成績は普通です。6年間で少しは大人になったのでしょうかねえ。
Commented by でこぽん at 2012-11-11 01:03 x
興味深いです~。
うちの国語苦手男子(大学生)も、小学生のとき、物語文問題になると大量失点を繰り返していて、「だって僕は物語の中の登場人物じゃないんだから、気持ちなんてわかるわけない」と言ってました。確かに当時、少女マンガはおろか、TVドラマもアニメもストーリー性のあるものには一切興味を持ってませんでしたね。そんな男子も、中学に入ったら周囲の影響でかなり長文の小説を次々と読むように。そういえば、そのころから、TVドラマやアニメも見るようになりました。でも、だからといって、現代文の成績が劇的に…とはいかなかったのですが。

京大物理の佐藤文隆先生が、岩波ジュニア文庫の著書に、読書のタイプには「情報収集型」(解説文など)と「鑑賞型」(物語など)があると分類されていて、学生時代、「情報収集型」の自分は、「鑑賞型」の人たちが読む本を読みこなせなかった、と書かれていました。だから理系の研究者、なのだろうな、と、妙に納得。不得意を無理に伸ばせというより、伸ばせるところを伸ばした方が良いのかな、と、息子へのあきらめがつきました。そんなんでも、高3時の国語の成績は人並みにはなりましたね。
Commented by ぎどん at 2012-11-11 07:06 x
前にtwitterでつぶやいたのですが、石原千秋さん(早大教授で国文学者)の
「秘伝 中学入試国語読解法」
という本に、中受国語問題について、将に

>  少女漫画の主人公は最初と最後じゃ
> 考え方が変わるんだわ。
> 何かの出来事をきっかけに
> 主人公は人間的に成長するわけ。

ということが書いてあります。
中受国語の文章は変化タイプによって4つに分けられる、という分析でした。

この本、前半は受験ブログ(ブログじゃないけど)風で、私はそっちは共感できなくて苦手ですが、
国文学者が中受国語の文章分類しているのは面白かったです。
この分類できる子供なら国語もできるだろーよ、という話はさておいて(苦笑)。

この本、下ムスメの担任の先生が「研修で教わった」と教えてくださったのですが、小学校の国語に対してかなり批判的なこの本が、どういう文脈で小学校の先生の研修で引用されたの?って思うとwktk (笑)。
Commented by 21vertex at 2012-11-11 07:34 x
↑ そうですね。私も「秘伝 中学入試国語読解法」を思い出しました。物語・論説文の4つの型とか、受験で取り上げられる物語はたいてい「○○の成長物語」と要約出来るとか。学校国語=道徳教育という主張は、賛否分かれるところでしょう。

1999年刊行とあって、第一部の受験体験記は大分古くなっているようです。あとがきに書いてあった、開成と麻布の国語の分析ももう古い感じです。概略、開成は算数強い子を集めるために国語は誰でも得点できるように易しくしてある。一方、麻布はヘビーな国語があるため、東大の前期試験では開成に勝てないが、後期試験では互角に勝負できる、と書いてある。しかし最近(しか知らないけど)の開成の国語を見る限り、誰でも高得点取れる問題ではなくなってきているし、東大の後期試験でも麻布はもはや開成の敵ではなくなっている。
Commented by an-dan-te at 2012-11-11 20:48
yocchiさん、
保護者のための勉強会なんてのがあったんですね~
> 問題文中に何か出来事があって、(受験生と同じ年頃の)
> 主人公の気持ちが出来事の前と後で変わる成長の部分が出題される
確かに、それに尽きるって感じですね。物語文は。

読んだことのある物語文が出るのはラッキーですね。読むのが速くなりそうで。でもまぁ、それだけで解けるとも限りませんし(問題が同じわけではないから)、受かったのは、実力ってことで!!

> 6年間で少しは大人になったのでしょうかねえ。
いろんな経験を通して、得るものがあったのでしょう(^^)
Commented by an-dan-te at 2012-11-11 20:52
でこぽんさん、
> だって僕は物語の中の登場人物じゃないんだから、
はは(^^;;
小学生で、本を読んでも物語はまったく読まない子っていますよね。図鑑くんって感じの。

> 不得意を無理に伸ばせというより、伸ばせるところを
> 伸ばした方が良いのかな
もぅ、いいも悪いも、コントロール不可能じゃないですか?? たいていの場合。自分がおもしろいと思わなかったら読みませんよねそりゃ。

> そんなんでも、高3時の国語の成績は人並みにはなりましたね。
よかったです(^^)
Commented by an-dan-te at 2012-11-11 20:55
ぎどんさん、
あ、私もその人の本が頭に浮かんだのですが、引用しようと思ったら、もう手元にありませんでした。そういや捨てたな、あんまり好きじゃなくて。

> この分類できる子供なら国語もできるだろーよ
はは(^^;;

で、どういう研修だったんでしょうね。気になる~
Commented by an-dan-te at 2012-11-11 21:00
21vertexさん、
そうそう、「道徳」。面接の代わりであるとか。まぁ確かに、国語はその学校のカラーが出る(出せる)ところですよね。やっぱり国語を解いてみてあんまり違和感のあるところは嫌だなぁって思いますもん。こちらが学校をそう判断するのと同じように、学校はこの問題に合う子をほしいって面はあるでしょうね。

なるほど、算数で勝負させたければ国語を簡単にしておくか、あるいは圧倒的に難しくしておく(これはこれで点差がつかない)ということになるけど。開成は算数ができる子が好き?

開成と麻布の比較とかよく知らないけど、麻布は別に東大向きの入試とか教育とかしてないイメージだなぁ…

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