中高一貫校の教育力: 中一の授業   

中高一貫校の場合、高校受験がない分、中学で何を学ぶかという選択肢は幅が広い。

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六年先の大学受験を今から見据えて先取りする、受験に直接関係ないマニアックなところを深掘りする、いっそ基礎をじっくり固める、部活に熱中する、あるいは思いっきりたるむ(^^;;

そのどれかということではなくて、いろんなバランスで混ぜられますからね…

akira先生のブログで紹介されていた「名門中学の子どもたちは学校で何を学んでいるのか」(おおたとしまさ、ダイヤモンド社)で、おもしろいと思ったのは、この本が「ふだんの授業」や小テストを取り上げ、特に中一での学習内容を丁寧に紹介していること。

この本で取り上げられている「名門」12校は、いずれもすばらしい大学合格実績を出している学校だけれども、著者いわく、「私はもともと、「これらの学校では、授業が大学受験にうまく対応しているからこれだけの合格実績が出ているのだ」とは考えていない。」

大学受験対策ということであれば、各予備校が効率よく提供してくれている。実際、この本に掲載されている学校の生徒も、あるいはされていない学校の生徒も、大学受験が近くなるとこぞって似たような塾や予備校に通うわけで、「対策」に関してはぶっちゃけ「どこの学校に行っていてもできる」という乱暴な理屈も成り立つ。

しかし、仮に同じ対策をしても、「土台」が違うから同じ結果にはならない。この土台部分の作り方に学校の特色が表れるので、中学時点の指導に着目したとある。

確かに、この本によれば、中一に独自色のある科目を置いている名門校は多い。この著者は麻布出身だそうだけど、まず麻布でいうと、「世界」という科目がある。これは、地理と世界史と政経を合体させて文字通り「世界」を学ぶ科目。「まず全体像を捉え、次に細部の各要素について学んでいく」スタイルが男子に向く効率的な学習スタイルであるというのはこの著者の主張で、実際どのくらいの男子にそれが合うのかどうか知らないけれど、この本に紹介されたプリントなどを見る限り、ほんと、おもしろそうだ。

そのほか、
・海城: 年間24回の実験を行うという「化学」。
・桐朋: 一年かけて動植物の分類を学ぶ「生物」。
・東大寺: 50分間、教師が生声で読み聞かせをする「読書」
などなど、この本では、授業で使うプリントや、定期テストの問題なども生々しく掲載されており、見ているとついわくわくしてしまう(^^) ちなみに、この本で取り上げられている学校の出身でもなければ、娘が受ける予定の学校もないのに、そもそもなんでこんな本を買っているんでしょうね私は。

まぁしかし、この著者もいっているとおり、この本は別段、直接掲載されている学校の中から「どれを受けようかな?」と悩むためのものというわけではなく(もちろんそう使ってもいいが)、そういうふうにそれぞれ魅力的な授業が行われている、そのことに大きな価値があるという視点で学校選びをするという提案として受け取ればよろしい。

建学の精神などのような、HPにもパンフレットにも必ず載っている情報や、文化祭など「たまの」行事の際に見られる特色。それもその学校の教育力、特色を表すものではあるけれど、やはり学校の基本は授業にあり。

オリジナルの授業をするというのは、準備の手間からたいへんなことで、プリントなりテキストなりを手作りで準備したり…

「夏に汗だくになりながら、顕微鏡を担いで田んぼを巡り、微生物のサンプルを集めることもある」「珍しい菌類の胞子はいちいち買うと高いので、生物室で培養する」などと気が遠くなりそうなほどたいへんなのが、一学期間で22回もの実験を行うという東大寺の生物。ほんとにお疲れ様です。

とまぁ、この本ではバラエティーに富んだ授業が紹介されているけれども、「おわりに」の部分で著者は、これらの学校に共通する特徴として「教員に裁量があり、教員自身が楽しんで授業を組み立て、試験問題を考えていることである。」とまとめている。

それはそのとおりだと思うけれど、私はむしろ、学校として統一されている、どのように教育をしたいという大きな方向、先生には全力で授業に当たってほしいという強い奨励、というのが重要だと思う。

JGはそういうのなかったな…(注: 今のことは知りません)

市販の問題集あてがって、順番に生徒当てて黒板で解かせて、丸つけしてちょちょいと解説して、なんて楽チンな授業だよねぇ。先生の裁量というなら、それぞれすごく任されていたように見えるけれど(やってたことはばらばら)。その中から、生徒たちはそれぞれ個人的にヒットするポイントがあって、それをタネにそれぞれ生かしているからいいっちゃいいけど。娘はもうちょっと、授業で勝負してる学校に入れたい。

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by an-dan-te | 2012-10-25 13:08 | 中学受験 | Comments(8)

Commented by 21vertex at 2012-10-25 14:00 x
>この本で取り上げられている学校の出身でもなければ、娘が受ける予定の学校もないのに、そもそもなんでこんな本を買っているんでしょうね私は。

よしぞうさんの出身校が含まれているからよしとしましょう。

教育するのは人なので、学校としての統一感も大事だけど、どんな先生に教わるかも大事かな。
Commented by an-dan-te at 2012-10-25 20:50
21vertexさん、
そうですねぇ。変わったことをやるならなおさら、先生の力量がないと話にならないし、アクの強い先生なら相性もあるし。

JGの先生で私が一番「心の師」と仰いでいるのは国語のO先生なんだけど、それはわりと少数派かも…
Commented by トマト at 2012-10-26 10:06 x
中1理社に限って言うと、中学校の指導要領とはかけ離れているけど、大学受験には全然関係なくて、それでいて深い授業が多い印象でした、うちの場合。化学はひたすら実験とか、生物は大学レベルの分類とか、社会も何やらこ難しいことやってました。

中受で一般的な内容は終わってるし、中1から大学受験の勉強をしても仕方なくて、要は各教科その世界の魅力にはまった先生が熱く嬉々として授業する場というか(笑)

確かに理社オタクの長男には、とっても刺激的かつ楽しい授業だったようですが、ただ楽しい~楽しい~って授業受けてると、試験でとんでもないことになるという…。男子校ってそういう授業が多いのかな?先生によってバラバラの授業だけど、バラバラであることが学校としての統一見解なのかな?と感じました(要は知的好奇心をくすぐる)。ただ、英数に関しては積み重ね教科だけに、学校としての方向性なり、基準なり、統一感があって欲しいと、兄弟同じ学校に通わせてみて切に思います。
Commented by yoyo at 2012-10-26 10:49 x
とらの話しによると うちも トマトさんのところとおなじような授業みたいですね~
理科は ひたすら 実験と観察。
今は カメラだか なんだか忘れましたけど そういうものをつくっているらしいです。
中間で レンズが出ていたから その関係かな?
設計に失敗したとか 不器用だから うまくいかないとぶつぶつ言っていますけど できないと 放課後残って 教えてくれるみたいで 楽しそうですね~

生物は やたらと細かい!そして スケッチ地獄 ^^;
歴史は なんで よりによって その時代?!って 時代を 春から ずーーーっと ひたすら 調べてます。

男子校は どこも そんな感じの授業が多いように 感じましたけど 女子校は どうなんでしょうね?
Commented by an-dan-te at 2012-10-26 17:01
トマトさん、
そうですね、ふつうの中学理・社はほとんど中学受験でカバーしていたようなものですし、特に理・社で「先取り」して大学準備っていうようなものではないですからね。

「好きなところ深堀り」(^^;;
> 要は知的好奇心をくすぐる
そんな感じ。英数国はきっちり積み重ねておいたほうがいいですよね。上記の本でも、いわゆる「出口のよい」学校はそこんとこ、きっちりシメてますよ(^^;;
Commented by an-dan-te at 2012-10-26 17:07
yoyoさん、
楽しそうですね(^^) ともかくなによりです。

女子校といえば、JGも女子校だけどね。なにしろあまり聞いてなかったもので記憶にない(^^;; まぁ先生方、好き勝手なところ深堀りしてたんじゃないですか。でもあんまり用意周到な感じはしなくて場当たり的じゃなかったですか? 女子校がどうだというんじゃなくて。もちろん。

上記の本で、女子校は豊島岡のみでした。
Commented by AVARON at 2012-10-27 11:38 x
この記事や「面倒見の考え方」を読んで、私と娘で「いいと思う学校」が食い違う理由が改めて分かりました。
私が学校に求めるものは「自由(大人からの過剰な干渉・管理がない)・知的好奇心を充たしてくれる授業・生物多様性(様々なタイプの生徒・先生が居る)」。
もちろん”いじめをするのも備品を壊すのも自由だ”とかアホみたいなことを言う生徒が居ない、つまり一定レベル以上の子が集まっているのが前提ですが。
娘が落ち着くのは「ある程度似た雰囲気の子が集まってる・大人によって適切に管理されてる(威圧的・理不尽なのはイヤだけど、校則などはキチンと守らせる)」学校のようです。
まあ、通うのは娘ですから彼女の好みに寄せたチョイスにします・・・

トマトさんのお子さん達の学校、いいですね~「先生によってバラバラの授業だけど、バラバラであることが学校としての統一見解なのかな?と感じました(要は知的好奇心をくすぐる)」
まさに私の理想(^o^)
Commented by an-dan-te at 2012-10-28 00:18
AVARONさん、
なるほど~
確かに、食い違いといえば食い違いですが、ベクトルが「逆」とまではいかず、なんとなく両方にとって雰囲気OKな学校もありそうな気はします。

> まあ、通うのは娘ですから彼女の好みに寄せたチョイスにします・・・
そうですね(^^)

> トマトさんのお子さん達の学校、いいですね~
すごく、よさそうですよね~

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