ある公立中のいじめとその収束   

子どもが六年生になると、公立中の見学&説明会というのがあります。

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つまり、またろうが六年生のとき、近所の公立中の授業参観を初めてしたわけです。自分の子どもはいないので、ランダムにいろんなクラスを見て回ったのですが、あるクラスの、授業ちょい前の休み時間に入っていったとき、またろうの幼馴染のAくんが目に入りました。

Aくんの筆箱を別の男子が取り上げていて、Aくんがのろのろとその男子のところへ行くと、近づいたところで別の男子にパスされます。以下繰り返し。その筆箱回しに興じているのは、男子5,6人。ようやくAくんが筆箱を返してもらい、自分の席に戻る途中では、ちょいと足を引っ掛けられてよろめいたところで、また嘲笑を浴びたりして。

Aくんが自分の筆箱を抱えるように席に着いたらほどなく、先生登場。何事もなかったかのように、授業が始まりました。実際、何事もなかった(ととらえられている)のだと思います。他のクラスメイトは彼らにまったく注目することなく談笑していたし、私ほか数人の大人が教室にいたにもかかわらず、筆箱回しはまったく隠すでもなく逆に誇示するでもなく、ごく日常として行われましたから。

あのようなことは、いじめといわずからかい・ふざけと呼ばれる場合もあるかもしれませんが、ひとつひとつはそういう単発の、ちょっとした暇つぶし、ストレス解消であっても、特定の子が、多数の子のイライラを受け止める係に固定されていたらどうでしょうか。つまり、ちょっとつけ込みやすい…ちょっと動作が鈍かったり、気弱で反撃しないタイプだったりする子。

Aくんはまたろうと幼少時よく遊んでいましたので、私もよく知っていますが、そういう意味でよく似ています。またろうの今後を見るようで暗澹たる気持ちになりました。

しかし中一、入ってすぐはあまりそういうことがなく、よく「事件」が起こるようになったのは中二になってからです。中二になると、心がざわつきやすく、一般的にトラブルが起きやすいようですが、担任が気弱でなめられるタイプだったのが拍車をかけたようです。起きたことは、ジャージがゴミ箱に捨てられる、靴の中にハチミツ、石を投げつけられる、などまさにイライラの発露という感じのことで、相手はたぶんその都度いろいろ。特定の子やグループから受けているものではないようでした。

運動会のとき、またろうは三人四脚に出ることになっていましたが、当日見に行ったら、そこにまたろうの姿はありませんでした。出場するため列に並んでいるときに、「おい、代われよ」といって別の子が出たというものでした。そのあと私とよしぞうで担任の先生と、これまでのあれこれについて話し合いを持ちました。先生は、いじめ対策をするということを約束してくれましたが…

朝礼のとき、校長先生が、「いじめは絶対にやってはいけない」というスピーチをされたそうです。
(親向けには、そのように全員に話をした、という「いじめ対策について」のプリントが配られました)

…ま、それで何かがどうなるわけはないので、中二の間はずっとそんな調子でした。私の知る限りでは金品のゆすりや、跡の残るほどの暴力はなかったようなので、程度としては「たいしたことない」と分類されるのかもしれませんが、とにかく本人にとっては、クラスが落ち着ける場ではないわけで、ほとんどの休み時間は図書室に避難していました。

中二の最後のころは、微熱が続き、欠席がちになりました。これから先、どうしよう?? と詰んだ状況になったところで、春休みに突入できたのはほんとに不幸中の幸いでした。

中三になるときはクラス替えがあり、どうやらそれについてはいろいろな配慮がなされたようです。学年主任の指導力がある先生、明るいリーダー気質でスポーツマンかつ学業優秀のBくんがいるクラス。そこに、またろうと、もうひとりよくいじめられていた男の子が入りました。

クラスが替わってからはいじめが激減しました。またろうがいうには、「ハンパをするとBくんが許さないだろう、ってみんな思ってるからじゃないだろうか」とのことです。あと、先生のにらみも効いているのかも。
(また、一般的に、二年生より三年生のほうが落ち着くようです)

三年生の運動会では、クラスのまとまりもよく、熱血青春の競技風景が見られました。またろうも予定競技に漏れなく参加していました(それがふつうですが)。障害物リレーでは、足のおそいまたろうが、はしごくぐりや網くぐりでタイムを稼いで辛くもトップでバトンをBくんに渡し、Bくんは余裕でトップのゴールイン!!(^o^)/ 競技の合間に、またろうがごく自然な様子で級友と談笑しているのもうれしく…

卒業のときには、よい思い出もたくさんできた中学校生活だったようで、ほんとうによかったです。いろいろあって、それをくぐり抜けて、収束させたというのは人生の中で、よい経験であったといえるのでしょうか? あるいは、はじめからそんなことがないほうがよいでしょうか? 私は、選べるものなら、またろうにも平和な中学校生活を送らせてやりたかったです。毎日まいにち、自尊心がすり減らされていく日々…そんな経験、しかも中学生に、買ってでもさせたいと思う人はいるでしょうか。

(女子の状況はこれとはまたまったく別で、濃い人間関係が崩れてトラブルになることが多いそうです。)

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by an-dan-te | 2012-06-17 11:08 | 中学受験 | Comments(10)

Commented by こまたろう母 at 2012-06-17 13:12 x
またろう君は、その公立を回避するすべを持たなかったようですが、 私立でもどうだったでしょうか?
同じ「またろう族」のこまたろうもターゲットになりやすい性質のようで・・・
ただし、こいつは切れたら大変なやつだった、それはそれでまた問題が・・・
ああ、男子ってなんでこんなに幼稚なんだろう・・・
(女子は女子で、また大変なことでしょう)
Commented by れん at 2012-06-17 17:57 x
うちの次男は、進学した私立中学で、
いじめには満たない「からかい」を受けました。
本人がとてもつらそうにしていたので、学校に何度か連絡をし、
面談の時間も作ってもらいましたが、
結局本人のつらさを理解してもらえるところまではいきませんでした。

もっとひどい目にあっていれば対応してもらえたのか
どうかはわからないのですが、あまりいい印象はないんです。

その部分でだけ言えば、長男の通っていた公立中学のほうが、
よっぽど親身でした・・・。

次男の私立中学も一般的には「評判のいい学校」と思いますし、
楽しく通っている子が大半なので、
次男は「たまたま」ではあるのですが、
いじめに関しては、「私立だから安心」という期待を
あまり持ちすぎないほうがいいかな〜というのが私の見解ですね!
Commented by yoyo at 2012-06-18 08:28 x
娘が通った公立中学でも いじめが起きましたが 先生方が 学年全体をあげて なんとかやめさせようと がんばっていました。
結果的には クラス替えが行われるまで 解決には至らなかったようですが いじめられていた子のお母さんも 納得の対応だったみたいです。

だから 公立が一概に悪いということはないのですが では 校長が変わったらどうなのかとか 担任が他の先生だったら…など 解決が 個人の資質に負うところが多いのが 問題ですよね。

一方 息子の学校や 受けなかったけれど 第2志望だった学校などは 日ごろから なぜいじめがいけないのか 繰り返し教育するし、いじめじゃなくても いじめにつながりそうな要素が入った行為に対しては 徹底的に指導するそうです。

別の学校では 「いじめはあります。停学です。」
停学で 解決するものなのか?と 私は思いましたが 親がその姿勢に納得すれば その学校を選べばいいわけです。

要は 私立でも いじめは 起こるけど いじめに対する学校側の姿勢によって 学校を選択することができるので、
公立よりは 危険を回避できる可能性が高いということでしょうか。  
Commented by AVARON at 2012-06-18 09:04 x
公立でも私立でも「絶対いじめのない環境」はないのでしょうけど、
yoyoさんのおっしゃるように、あらかじめリサーチできる分、私立の方が回避しやすいのだろうと思います。
我が子と似たような雰囲気の子が多い学校を選べば、当然浮いたりする可能性も低くなりますしね。

私の実母が「ムリに私立じゃなくても、公立でもまれるのもいいんじゃない?○○(私の名前)は大変な環境に居たからタフになって良かったのよ」などと言うのですが、自分は某ミッションスクールで6年間平和に過ごした人がよく言うよな~と(苦笑)
私は転勤・転居の繰り返し、女子最難関落ちて公立、友達は居たけれど浮きこぼれ感たっぷりの中学時代だったので、こんな環境を我が子に進んで与えたいとは思いません。
まあ我が子は浮きこぼれる程勉強はできないけれど、真面目に授業を受けたいという気持ちが強いので、今の小学校ですらかなりイライラするみたいです(先生がうるさい子を注意して20分経過、みたいな)。
Commented by an-dan-te at 2012-06-18 22:22
こまたろう母さん、
男子のいじめはほんっとに幼稚って感じで、何がおもしろいんだよと思ってしまいますが、女子のほうは女子のほうでたいへんみたいでしたよ…むしろ不登校が長期化するようにも見えます。

またろうが私立へ行ってたら、というのはリアリティをもって考えにくいですが、無理したとしても入れる私立の中で「居心地のよいところ」があったかというとなかなか難しい話だったと思います。

こじろうも相当いじられやすいタイプだったと思われますが、中学受験がヒットして抜群の環境を手に入れることができてほんとにラッキーでした。
Commented by an-dan-te at 2012-06-18 22:26
れんさん、
私立にはそれぞれのカラーがあるので、多いところから少ないところまでいろいろあり、起こったあとの対応もいろいろで、なんともいいにくいと思います。また、多かろうが少なかろうが、「たまたま」自分の子に降りかかるのかどうかもまた別の話ですしね。でも、とにかくまたろうの中二クラスのいじめ未満(?)事件の多さは半端なかったですよ。あんな頻度でごたすかやってる私立があるとは思えない…というか、あったらつぶれてると思うんだけど…
Commented by an-dan-te at 2012-06-18 22:30
yoyoさん、
こちらの対応(中二時)は、朝礼の訓示とプリント一枚でしたからね!!
> いじめられていた子のお母さんも 納得の対応だったみたいです。
それはすばらしいです…それでも解決は難しいのね。

> 個人の資質に負うところが多い
そうですね。またろう中一の担任は、かなりうまくクラス運営をしていたし、またろう個人のフォローもなかなかきちんとやってくれてました。

> 公立よりは 危険を回避できる可能性が高いということでしょうか。
私は、そう思います。それと、単に「一回多くクジを引く」というのもあります。私立から公立への転校はできても、逆はふつうできませんからね(やったけど)。
Commented by an-dan-te at 2012-06-18 22:33
AVARONさん、
> 自分は某ミッションスクールで6年間平和に過ごした人がよく言うよな~と(苦笑)
はは(^^;;
こじろうも、自分がいったいどんだけ恵まれた環境にいるのかはよくわかってないみたいですしね…誰しもそんなもんかと(不満のない部分に関してはニブい)。

> 真面目に授業を受けたいという気持ちが強い
それはせっかくだから…のびのびその部分を育てていけたらと思ってしまいますよね。
Commented at 2012-06-20 12:16 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by an-dan-te at 2012-06-20 21:13
***(2012-06-20 12:16)さん、
そうですね。ひとつひとつは、「いじめ未満」だとしても、それをあっちからもこっちからも、日々浴びる側としてみれば、積み重ねでダメージが効いてくる。

ターゲットとなりやすい子には特徴があるのかもしれないけど(小さいとか、転校してきたとか)、それはその子がいけないのでもないし、変わらなきゃいけないのでもない。

ようやく落ち着ける環境が手に入ったのは、よかったですね~ここから「青春」本番だもの。

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