勇気ある撤退、という言葉   

中学受験の場で「勇気ある撤退」という言葉を使う場合は、中学受験自体をやめるとか、現実的な志望校に変えるとか、そういうときに使うことが多いのかな。

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中学受験をやめるとはいっても、まじめに勉強しようとしない子どもの態度に腹を立て、「そんなんだったらやめてしまえ!!」とブチ切れるのは違う話。「勇気」と無関係だからね(^^)

中学受験をやめるという場合の「勇気」の中身は、これまでコツコツと積み上げてきたものの価値を手放すことの損を差し引いても、別の道をとったほうがよりよいと冷静な判断をすること。これまで、時間とお金(と親の気力)をかけて中学受験のために塾通い、勉強をしてきたけれど、そのことから、中学の合格という「果実」を引き出すことなく中断し、高校受験に切り替える。

この判断の中には、実際に通うことになる地元公立中の状況や、子どもが中学生になってどのように伸びるかという見通しや、当面目標にしていた中学の魅力とその合格可能性、とかいろんなものが当然入ってくるわけだけど、けっこうネックになるのは、積み上げてきた中学受験勉強の放棄をどう評価するかということ。

これまでの努力が、中学合格しないのなら無になると思ってしまったら、それにはなかなか耐えられるものではないだろう。もちろん「無」になるということは決してなく、勉強したことはその子の中に残っており、それは中学受験でなくても生きてくるだろうけれども、中学受験をするのでなければやらなかっただろうと思うような勉強をどれくらいと見積もるか…言葉を変えていえば、中学受験を越えて役に立つほんとうの勉強(?)をどれだけしていたと見積もれるかが問われることになる。

それと同時に、何をこれまであきらめてきたかということ。中学で受験しておいて、中高六年間で○○(スポーツであれ芸術系であれ)に没頭しようとしていた場合、それをセーブしてここまできたのに、また高校受験というのはやっぱり犠牲が大きい。

だから、「中学受験から高校受験に切り替える」というのはかなり大きな決断を迫られることなので容易ではない。

私はそんな、のっぴきならないところへ追い込まれるのはイヤなので、そういう事態にならないことを切に祈っている。というか、突然経済的な事情が振ってきた場合はやむをえないにしても、それ以外のことで(たとえばはなひめが算数がわからなくなるとか程度の事情で)そういう判断をするつもりはまったくない。

通える範囲のところに、幅広い難易度の私立中があり、別段、ある特定の中学に行かせるために受験を始めたわけではないし、気持ちの中で偏差値下限というものが特に設定されていないので、なるべく将来の実になるような方法で中学受験にかこつけた勉強をしてみて、それでちょうど行けるところに行ったらいいと思っている。

だから、私にとっては、「現実的な志望校に変える」という意味で「勇気ある撤退」などという言葉を使うことはない。しかし人によっては、どうしても行かせたい学校があるとか(たとえば一族ほとんど同じ学校だとか)、いろんな事情があるだろうから、志望校を変えることも「勇気ある撤退」といえる場合もあるだろう。あくまで価値観の問題だ。

なんでこんな話を突然書いているかというと、昨日の、日特をどうするとかMクラスかAクラスかとか、そういう話をしていて、そういうのが「勇気ある撤退」という言葉に当てはまるのかどうかということをふと考えたからだ。

私自身の気持ちからしてみると、そういった選択は、「撤退」という言葉にもあてはまらないくらいのもので、志望校すら変更していなくて、同じ志望校に向かっていくのに、どっちのやり方のほうがより近いかという、ごく局地的な戦術上の判断にすぎない。

それで、はなひめは、ごくまったりした生活習慣の持ち主だし、お友達と遊んだり、造形教室へ行ったりということをとても大事にしているので、母が「日特を取らない」こととかを提案したら渡りに船で乗ってくるのかと思ったら、案外そうでもなかったのでちょっとびっくりしたところだ。

MクラスかAクラスかということであれば、現在馴染んでいる仲間ということがあるだろうからまさに勇気がなければ撤退できないということは理解できる(中学受験をやめるというほどの大変化ではないにしても)。まだ始まってもいない日特、であっても、塾に勧められる講座を取らないというのはやっぱり、それなりに勇気のいること、というか、みんなにおいてかれる不安と戦わなくてはいけないものなのかな? こじろうが日特やってた、というのもあるかも。

昨日の夜あらためて、お母さんが日特やクラスについて提案したことは、今行きたいと思っている学校をあきらめる話ではなくて、むしろその学校に受かるために近道はどっちかということを考えての提案なので、後ろ向きと考えないでほしいということは説明した。そのうえで、まずはがんばってみたいと思うならいその方向で、やってみて無理ならまた考えればいい、応援するから、といった。そう、「応援」の中身は、生活にしろ、勉強にしろ、もっとてきぱきできるように、時間を意識するように誘導するってことなんだよね…ふぅ~

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by an-dan-te | 2011-11-08 07:56 | 中学受験 | Comments(20)

Commented by milktea at 2011-11-08 11:17 x
>そう、「応援」の中身は、生活にしろ、勉強にしろ、もっとてきぱきできるように、時間を意識するように誘導するってことなんだよね…ふぅ~

「応援」がほんとに難しくて...

>まじめに勉強しようとしない子どもの態度に腹を立て、「そんなんだったらやめてしまえ!!」とブチ切れる

ってほうについ行ってしまいます。

時間と学ぶ内容について無駄だと思ったことはないですが(もともと小さい頃からの習い事とかもないし)、うちの場合、塾にかかる費用っていう部分はやはり大きいですね。

ただ、無事合格しても、こじろうくんとかも部分的には塾で補強したりされていますよね。「お金かかるなぁ」っていう日々はどっちにしても続くのかと思うときついです〜。
Commented by どん at 2011-11-08 12:09 x
経済的な事情が変わったとか、元々勉強を始めた時と
気持ちが変わったとか、いろいろなパターンがあるとは
思うのですが、受験が終わってから判断では駄目?

小学生なりにたくさんのものを犠牲にして、一般的には
数年をかけて準備するのに、途中で撤退というのは
なかなか想像しづらい気がします。
 はじめてみて、こんなはずではなかった…という
こともあるのかな~。

「勇気ある撤退」という言葉は、
どちらかというと親にとっての勇気という気がします。
子どもにとっては…短期的に見ては何とも言えなそう。
Commented by an-dan-te at 2011-11-08 12:31
milkteaさん、
こういう応援はほんとにたいへんですよね。弁当作るとか、そんなんならいくらでもやるけど。

子どもの態度にブチ切れたいときはいくらでもあるのですが、「やめてしまえ」以外の切れ方をするように心がけて(?)います。いちおう、いったんレールに乗せといてその切れ方は無責任かなーという気持ちがあるので…でも切れますけど。

無事合格したら…お金は、思ったよりかかると覚悟しておいたほうがよいような気がします。
Commented by an-dan-te at 2011-11-08 12:36
どんさん、
まぁ、結果が出てから冷静に検討するのもありでしょうけど、ほんとに撤退したい場合というのは、続けることが苦痛という場合だろうから、一日でも早くやめる意味というのもあるんだと思いますよ。

> はじめてみて、こんなはずではなかった…という
こともあるのかな~。
それは、当然あるでしょう。中学受験に素質がない場合。うちは、またろうはそれでハナっから開始させず、はなひめも四年の間は「撤退あり」を念頭において近所の塾で様子を見てたわけです。日能研に入れてからは、思ったより成果が出ないくらいのことでは撤退しないつもりでやっていますけど。
Commented by あこ at 2011-11-08 12:57 x
アンダンテさんの冷静沈着な思い、すごいですね!中学受験に望んでいる親として自分自身はついつい冷静さを欠いてしまい的確な判断が出来なくなっているような気がします。小学生というあまりにまだ未完成な人たちを対象にしているためどこまでが限界でどこまでが常識範囲になるのかわからず正直おろおろしています。塾の先生の意見だってどこまでその子供に添っているかもわかりませんよね。そういう意味でも親がかなり指針をしっかり持たないと子供を傷つけてしまいますね。気をつけます。
Commented by ぽん at 2011-11-08 14:18 x
興味深いお話です。
塾という責任分担者のいない我家では、親が全部取り仕切っていますが、同じようにどこまでやるか、どこまでがこどもにとって適切かを常に問い直しながら、試行錯誤です。
Z会でも、テキストにある難しい問題を切り、足りないものを補うという取捨選択が常に求められています。
塾でも同じなのですね。

未熟で、決断しているように見えても、その責を負うことの出来ないこどもに、判断を代わり、誘導し、その結果をすべて担っていくことが親するべきことなのでしょう。
たとえ、進路の結果を受け止めるのがこども本人だとしても、やっぱり、親の責任だったと判断の責任を負ってやらないといけないんですよね。

>幅広い難易度の私立中
>なるべく将来の実になるような方法で中学受験にかこつけた勉強をしてみて、それでちょうど行けるところに行ったらいい

二人目で冒険心も無い今回の受験は、まさに、そのスタイルです。
Commented by くるみ at 2011-11-08 15:12 x
>無事合格したら…お金は、思ったよりかかると覚悟しておいたほうがよいような気がします。

このあたりもぜひ聞きたいです^^;
先日行われた塾の説明会で、都立の内申の話しを聞いてたらクラクラしてしまいました><。やはり、私立しかないかも・・・。

勇気ある撤退ですが、大人の事情が大きいでしょうね。子供の今の力量に合わせて、志望校を落とす撤退はアリだと思いますが。
中学生以降は、親が望んでないのに、子供が勝手に撤退します(-_-;;
授業を聞かないとか、勉強をしないとか、志望校を落とすとか・・。ふぅ・・。

Commented by yoyo at 2011-11-08 20:34 x
とっても 深刻なムードで始まったので まさかそれが Mにするか Aにするかという話につながるとは…(笑)
はなひめちゃん 結構 抵抗したんですね?^^;
chobiは すんなり納得したな~。
なんか ものすごく信頼されているんですよね。
一方 pinkは言うこと聞かないので 放置。
その結果 今 ものすごく苦しんでますけど それでも自分の思うようにしかしません。

9月以降 Aクラスって話でしたけど、
どうかな~?
chobiは やたらめったら 暇してしまいましたよ。
しっかり基礎を抑えていくと 9月のAクラスの宿題は かなり楽で、早く実際の過去問に取り組んだ方がいいんじゃないかと 思いました。
家で過去問を解かせればいいまでのことなんですけれど、
なんか 散発的になってしまって 系統立てられていないというか こんなやり方でいいのか 不安でした。
もっとも 同じ志望校で1か月前にMに行った子が 偏差値たりないわけでもないのに 降りてきたところをみると Mは Mでいらないことが多すぎるのかもしれませんね。。
Commented at 2011-11-08 22:24 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by an-dan-te at 2011-11-08 22:47
あこさん、
今回は中学受験も二度目ですし、もともと理屈っぽいたちですので、基本ラインについてはわりとブレないんです。そういう意味で安定感はあると思いますが…

ちっとも冷静沈着でなく、日常的にはしょっちゅうキレてます(^^;;
Commented by an-dan-te at 2011-11-08 22:52
ぽんさん、
おうちですべてサポートするのはほんとにイチから組み立てるわけでたいへんだと思います。大手塾のいわばパッケージ製品を利用している場合は、そこを元にして足し引きすればいいわけで、考えなきゃいけない部分は少なくなっているはずです。ま、ともかくお任せってわけにはいかないですね…

子ども本人の意思は尊重されるべきですが、現時点での子どもの考えることというよりは、その子どもが将来感じるであろうことを補足してやりたいと親は思うので、そこが難しいところですね。
Commented by an-dan-te at 2011-11-08 22:55
くるみさん、
じゃ、お金の話はこれまで書いたことがないし、一度記事にしてみましょうかね(^^)

> 中学生以降は、親が望んでないのに、子供が勝手に撤退します(-_-;;
コントロール不可能ですね…いやべつに小学生相手でもコントロールはできてませんが(爆)
Commented by an-dan-te at 2011-11-08 23:00
yoyoさん、
えー、深刻でした?? うちが受験やめるわけないじゃないですか(^^;;
はなひめは今のクラスの雰囲気とか、国語の先生とかがものすごく気に入ってるんで、クラス下げは納得しないだろうと思ってました。でも日特はこれからなんだからいかないのアリだと読んでたんですけどね?? 読み違いでした…

Aは暇でしたか?? はなひめが暇になるかどうか怪しい(^^;; のと、足すほうは簡単なので、それで困ることはないと思うんだけど…

> Mは Mでいらないことが多すぎるのかもしれませんね。。
まぁたぶん。。
Commented by an-dan-te at 2011-11-08 23:02
***(2011-11-08 22:24)さん、
非公開でコメントをいただきましたが非公開でコメントを返す方法がないので、ちょっとお返事書きにくいですね。もしメアドを非公開コメントでいただければメールでお返事することもできますし、あるいはそのあたりのテーマでいっそ記事を書きますかね…
Commented by チェシャ猫 at 2011-11-09 06:12 x
「勇気ある撤退」…難しい問題ですよね。
ただ「勇気ある」かどうかは別として、状況によって
撤退もありかな、と思っている今日この頃です。

私事ですが、私が住んでいる地方はかなりの田舎。
当たり前のように皆公立中学に進む環境なので、
中学受験する人は、息子のいる学校では1、2名いるかどうかです。
(例年1人くらいしか私立へ行かない)

周りを見ても、皆外でまっ黒けになって遊んでいる。
そんな中、行きたい中学があり勉強している息子。
受けるのはその1校のみの予定です。

この状況で最後まで頑張れるかどうかはわかりません。
やっぱり皆と一緒に公立に行く、ということもあり得ると思います。

そのような場合はそれでいい、と私は思っています。
受験を希望したのが本人であるならば、本人が辞めたいと思えば
それでいいのでは…と。

ただ、この受験に向けて、机に向かう習慣はついたと思います。
とりあえずは、日々勉強する習慣がついただけでも、
受験を志した意味があるのでは…と思ってるのですが、
甘いかなぁ(^^;
Commented at 2011-11-09 08:38 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by セロリ at 2011-11-09 11:33 x
アンダンテさま。

「勇気ある撤退」・・・トリッキーなコトバです。

すでに、私の頭の中を何度も何度も駆けめぐっております。

でも、これは親にとって魅力的な(勇気より、かなり放棄に近いのだが、そのへんがオブラートに包まれる)コトバであって、
小学生の当事者たちには、そういう感覚はないですよね。

たとえ、チンタラ学習していても、
彼らは彼らなりにいたって真剣なわけで。
すこしでも、成功体験と結びつけたい、っていう思いで
ハハも踏みとどまってます。

ただ、相手が子どもだけに読めない部分もあり、「本当に続けたいのか、それとも引き下がれなくなってしまっているのか」と言われると
すこし自信ないです。

さんざん、「じゃ、やめたら~~~っ!」と
無責任なブチ切れかたしてきちゃったので、
残る3カ月弱は、
ココロを同じくして、戦いたいと思っています。



>「やめてしまえ」以外の切れ方をするように心がけて(?)います。いちおう、いったんレールに乗せといてその切れ方は無責任かなーという気持ちがあるので
Commented by an-dan-te at 2011-11-09 20:12
チェシャ猫さん、
うちが「成果が出ないからといって撤退はしない」なんて言えるのは、近くに選択肢が幅広くあるからであって、学校の密度が薄かったら無理ですね。

そうすると常に「行くか、引くか」を頭に置きながらいかないといけないのですね。

> ただ、この受験に向けて、机に向かう習慣はついたと思います。
だいじですね(^^)

私も、行きたい学校に行くということのほかに、勉強の中身に価値があると思っています。こじろうを見て、この時期こういう(日能研で習うような)勉強をしておくのってとてもいいことだなと思ったので。
Commented by an-dan-te at 2011-11-09 20:14
***(2011-11-09 08:38)さん、
そうですね、よい点というのも…
すごくわかるんです。たぶん、はなひめがこだわりたいのもその部分というか、偏差値輪切りされたところの上のほうには、知的好奇心とか活気が溢れている、それが好きなんだと思います。

で、それと算数の授業のちょうどよさは別(^^;;
Commented by an-dan-te at 2011-11-09 20:17
セロリさん、
「トリッキー」というのは確かに、ぴったりです(^^;;
「放棄」をオブラートに包んでますね。

私も、こじろうを見ていて「最後まで本気にならなかったなー」とか思っていたんですが、あれは本人なりの、ある程度の本気だったのかなとか。

それだったらその、本人が持ってる程度の本気を生かしてやれるようにやるしかないですものね…

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