内申という評価が育てるもの   

「評価」することの目的は、現状を観測してランク付けして示すことがひとつ。それから、向上のための努力の方向を示すことがもうひとつ。

  にほんブログ村 受験ブログ 中学受験へ←内申が取れないタイプの子が公立中に行くと…

中学という教育の場では、特に後者が重要だろう。内申という評価が「学習コンピテンシー」を測るものであるならば、理屈からいうと、こうなるはず:

評価を上げようとする努力
   ↓
学習コンピテンシーの獲得
   ↓
実際の学力上昇


これが、理想的なストーリーなんだよね。

例えば、またろうの場合、一番得意な数学という教科についても、なかなか5は取れなくて4止まりだった。定期テストでは95点取っているけど…という状況。「5を取るためにはどうすればいいか」を考えるには、観点別評価に戻って確認すればよい。すると、

・95点を仮に100点にしてもダメ
・95点のままノート提出さえすれば十分5に届く

ということがわかる。そこでそれを本人が

(1) 数学のノートを決めて、なくさないこと。
(2) 授業中にはノートを取ること。
(3) 提出物・締め切りの指示を聞き取り、メモすること。
(4) 提出物を整え、締め切りに出すこと。

というふうに分解でき、そしてそれに向かって行動を積み重ねていけるならば、なんとすばらしいことか。またろうが一番苦手としていて、かつ、今後最も必要となる部分はそこなのだから、単に成績をよくするということではなくて、成長のための努力として正しい。

ところが実際にはそのような流れになっていかない。本人の実態が、あまりにも遠すぎるのだ。まず、具体的なステップの分解に至らないし、そのひとつひとつが本人的には「どうしたらいいかわからない」状態。

この問題については、結局、三者面談の中で話をすり合わせ、「ノートをいついつまでに出さなくてはいけない」という情報を共有したところで、「出来杉君のノートを先生が借りてコピーしてまたろうに渡す。またろうはそれを書き写してノートを作り、提出する」という方法で無理やり初回のトンネルを開通させた。

確か中ニの二学期くらいだったと思う。そうやってとにもかくにも5を取る体験をして、それからは本人がノートを取って提出できるようになったのでほんとによかった。

自分でできるようになったといっても、(1)と(4)は親の手出し口出し確認つき、(3)はとにかくいつでも定期テストの日にノートを提出するだけということがわかったので不要、という意味ですけどね。

すべての教科の中で、いちばんなんとかなりそうな数学がこれだから、ほかは推して知るべし。本人が問題の所在を認識できないまま、なんだか成績が取れないよで終わり、というのもよくあった。特に(3)が困難であるところが致命的で、親が手出ししようとしても届かないから…

まぁでもずいぶんがんばったと思う。またろうも及ばずながらがんばったし、母もそりゃがんばりましたよ。学校に持っていくところまではいっしょに確認したのに、出せずに持って帰ってしまったり、空しいことだらけでほんとに疲弊したけど、ついに三年の成績(入試のため提出するもの)は念願の「平均4」を達成したんだもの。

でもね。その結果、またろうの「学習コンピテンシー」がはかばかしく向上したかというと、そうではない。結局、親掛かりで「評価関数」を把握して、姑息に取れるところから取っていく評価向上の努力をしただけで、本人の自然な成長から結果としてそうなったんではないから。

要するに、親ができるだけ踏み込んで情報をキャッチして、勉強させて取れる点数は取らせ、声かけて出せる提出物は出させ、やいのやいのとうるさく言えるだけ言って最大化した結果が「平均4」なのである。本人の成長を最大化するように「待つ」「信頼する」姿勢を持ってやっていたのではぜんぜんない。これって、受験的にはともかく本末転倒では…

このように、現実はなかなか厳しいのだけど、とにかく内申の海をおぼれながら泳ぎ渡って、ある意味「体力がついた」?? またろうも、気がついたら、昔よりはずいぶん、ノートもメモも取れるようになったし、提出物を(親の声かけなしに)出す率も飛躍的に向上した。中学校生活のおかげか、単に時間がある程度解決するということなのか。(*)

このように、いくつか「ねじれ」はあるにしても、
高校受験では、入試当日のペーパーテストで点を取るといういわゆる「学力」のほかに、提出物を出すなど学習態度について問われる。それが苦手な子にとってはきつい話だけれども、必要なことではあるので努力してみる価値はある。
ということまでは言える。だからといって、またろうタイプの子に公立中進学を勧めたいという気にはならないけど…少なくとも、親の白髪は増えるからね(-_-;;

にほんブログ村 中学受験 ←ランキング参加しています。

(*) この成長はあくまで本人比。十分でもないし人並みでもないので、高専では苦戦中。

by an-dan-te | 2011-01-20 12:49 | 高校受験 | Comments(8)

Commented by とんび。 at 2011-01-20 17:31 x
そもそも「5」を取りたいと思うかどうか
平均でいいやとか、ドベでなきゃいいや
草食なお子さまが多くなったような気がする
Commented by Yoko at 2011-01-20 20:29 x
やっぱり白髪増えますかね~

ただいま4年生の息子2、どうする…?
Commented by an-dan-te at 2011-01-20 21:40
とんび。さん、
確かに、またろうも欲がないところがあったけど。でも、得意の数学でも5を取れないのはやっぱり嫌だったみたいですよ。こじろうは受験のときはほどよく肉食かと思ってたけど、いまや!?
Commented by an-dan-te at 2011-01-20 21:40
Yokoさん、
増えましたね~
ま、「悟りをひらく」って手もありますかね
Commented by milktea at 2011-01-21 10:54 x
締切を守れないタイプ(うちもですが)の場合、受験っていう大きな締切のために何をすべきかってこともわかってない気がするので、結局、親の精神安定のためにも手を出しちゃう気がします。

あと、公立高校受験ほどの重さはないにしても、中学受験も国公立だとやはり小学校からの調査書とかあるし、高校受験でも私立だとそんなに内申の重みはないのかなと思ったりするのですが、どうなのでしょうね。
Commented by an-dan-te at 2011-01-21 12:58
milkteaさん、
高校受験でも、私立なら内申関係なく入れますよ。ただやっぱり、公立中から行くなら公立が魅力的に見えることが多いような気がします。一貫校に高校から入るより都立に行きたいとか…もちろん値段も違うし。

逆に、中学受験の場合、私立が圧倒的な存在感なので、公立を受けないと割り切ってしまえばほとんど関係ないわけです。もともと、中学の内申よりもっとあてにならない(学校ごと、先生ごとにバラバラ)から、どのみち出たとこ勝負というか。
Commented by あんず at 2011-01-22 14:53 x
塾の先生が中学受験をすすめる時に「公立中→高校受験には内申が関係してくる」、「内申は不公平」という話が定番ですが、公立中に進学しようが私立中に進学しようが、やるべきことをやらない、やるべきことが何かわからない子、つまり内申がとれない子は、いずれどこかでつまずくと思います。

最近は私立中に進学しても、公立高校を外部受験する話も聞きますよね。成績低迷で外部に出るっていう人の場合、もともと成績がよくないのと、外部に出るため先生があまりいい内申つけないせいで、公立高校も実力よりもランク落とさないと入れないっていう場合もありますよね。

あと、都内私立高校受験の場合、今併願推薦がなくなり、一般入試を併願優遇で受けるという制度が主になりつつあります。内申点で基準をクリアすれば、一般入試でまず落ちないっていう制度。一つ確実なことを確保して、チャレンジ校受験も可能です。
どっちかというと、公立高校受験より、私立高校受験のほうが、内申は大事かと思います。
Commented by an-dan-te at 2011-01-22 16:49
あんずさん、
> いずれどこかでつまずくと思います。
あーそりゃもぅ、今のまたろうですね。きっぱりまったくシャレになりませんわ(-_-;;

成績低迷で高校を外部受験というのは、ほんとにつらい話で、こじろうもさすがにそんなことにならないように、というあたりでは本気出すと思います。今はそこまでの危機感はないほんわか低迷(?)くらいなので、心置きなくだらけてるようですけど。

高校入試って、どんどん制度も変わるし、それにものすごく話が複雑なんですよね。先生のえこひいきとかそんな話ではまったくなくても本質的に不公平(学校間の差はなくならないから)で不透明なのはやっぱり、うれしくはないです。

<< なんか、文法に自信がなくなってきた 「お母さんが、ゴマダレチョウっ... >>