全落ちで公立中に行った思い出-授業の話
2010年 10月 16日
←失敗も経験のうちではあるけれど
ま、それはアリです、確かに。公立中には公立中のメリットがありますし。親と子の価値観、性格、地域的な状況その他、いろいろ考え合わせて、どの私学ならわざわざ行くのかというのは考える余地のあることですね。
大昔の話ですが、私が中学受験をしたとき、私の親はまさに「行きたいところだけ受けてダメなら公立中に」という考え方で、私もそれでいいと思っていたので、私の受けた学校は桜蔭・慶応・学世田・筑附・御茶大の五校でした。そして、国立三校は抽選で落ち、私立二校は実力で落ちました。
別に高望みをしたつもりはなく、当時最大手だった四谷大塚に通い、合不合では一度も桜蔭の80%ラインを割ったことがなく、受かるつもりでいました。でも落ちました。
そのこと自体は大変ショックでしたが、公立中に行くことに関してはそんなにマイナスイメージは持っていませんでした。近くて楽だし、高校受験で良い都立に行ければ、最終的にどんな大学に行けるかについては、あまり差がないだろうという漠然としたイメージがありました。子どもなので何かデータを元にそう考えていたわけではありません。大まかにいうと親の考えをそのまま持っていただけでしょうけど、それはまぁ正しかったと思います。
それと、公立中であっても、小学校と違って科目ごとに先生が分かれるので、きちんとした授業をやっているだろうと思ったのです。
実際に入ってみると、まずうんざりしたのが、何のつもりだか意味不明な細かい規則の数々…それと、内申をたてにとって(と、私には見えた)妙に先生が高圧的なことです。そういう具合に、嫌な部分はありましたが、すぐに新しい友だちもできて、そんなにマイナスな気分で通っていたわけではありません。少なくとも最初のうちは。
でも結局、私は公立中に通うことに挫折して、半年で転校してしまいました。私が公立中でいちばん苦痛だったのは、なんといっても授業です。
当時の中学校教育では、「校内暴力」と「落ちこぼれ」が二大キーワード(^^;; になっていて、非行化させないための(?)細かい服装規定その他と、落ちこぼれを出さない授業というのが学校のテーマだったようです。理解しやすい授業を心がけるのであればけっこうなことなんですが…
例えば社会科の授業で、まずは教科書の音読というのをやります。ま、それはそれでいいですけど、そこで、一番落ちこぼれそうな子を参加させるために、その子に読ませるんです。ひらがな・カタカナもすらすら読めない子だったので、ましてや漢字とか出てきたら読めません。それを、先生がその子の脇に立ってひとつずつ読み方をサポートしながら訥々と読ませます。ものすごい時間がかかります。授業はそれで終わりです。
聞いているほうにとってもひたすらつらい時間ですが、音読といったら必ず当てられて晒し者にされるその子の心境はどんなものだったでしょうか。
そこまでではなく、いちおう「授業」をやっている場合でも、とにかくものすごく「ぽっちり」のことをずーっと時間かけてクドクドとやっています。とにかく落ちこぼれを出さないように。でも、それが落ちこぼれを出さないのに役に立っていたかというとそのようには見えませんでした。各人のレベルに合わせた演習形式の授業でもやったらよかったんじゃないでしょうか?? でも、実際に行われていたのは、ごく幅広い学習状況にある公立中クラスの中で、底辺に合わせる(少なくとも、合わせようとする)一斉黒板授業でした。
だから、とにかく授業の1コマ1コマを、ただひたすら退屈に耐えながら、5分…10分…時計の針がものすごく遅く感じられます。内職できたら楽なんですけどね。そういう雰囲気はありませんでした。寝ている人もいません。
あるとき国語の授業で、そうやってひたすら時計の針を見ているときに、ふと「スモール」ってどういう綴りだっけ、と思ったんです。aだっけoだっけ…。何でそんなことを思ったのかわかりません。脈絡もないんですけど。それで、ノートのはしっこに、「small」と書いてみたら、おぉ、こっちだこっちだ。aだね。と、ひとりで納得したところへ、黒板消しで頭をなぐられました。紺色の制服はチョークの粉で真っ白です。
そんな具合で、もちろん内職はできずに、ただ時間をやり過ごすには、授業にかかる時間が長すぎます。
受験のために通った塾では、たいへんだけど実のある授業をたくさん受けていたわけで、勉強でわくわくする体験もたくさん積んだあと、公立中の授業はつらすぎました。
そんな感じでどうすればいいのかわからなくなって、とりあえず早々に塾通いを始めました。そこで教えてもらったのが、私学の欠員募集の話でした。私は中学校始まってたったの半年で、公立中から逃げ出したというわけです。
何をいいたいかというと、中学校の三年間、どんな授業を受けるのかというのをあまり軽く考えないほうがよいということです。計算したらすぐわかるように、たいへん膨大な時間を過ごすのですから。
…ものすごくマイナスな話をしてしまいました。またろうが行った、現代の公立中の授業はそこまでひどくはなかったです。そのうち、プラス面の話もしたいと思います。
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by an-dan-te | 2010-10-16 15:10 | 中学受験 | Comments(14)
とにかく毎日、「学童は楽しかったけど、学校はつまらない」と言うので、何かたのしいことはないかと探していたときにたまたま編入募集を見つけ、「そういう道もあったか」と。
家で勉要させていたわけではないし、学校で特別ひどいことがあったわけでもないんですけどね、幅広い1年生40人を担任1人で相手にするのがいかに大変なことかわかるだけに、先生に要求するよりも避難を選んだわけです。
小1の1学期の間に一回だけ目を輝かせて報告してくれたことがありました。「おねーさんっていうのはね、『おねいさん』じゃなくて『おねえさん』って書くんだって!」と。
私は,中学校2年~高校1年まで,計3年間,つまらない辛い授業でした.私は,寝てるか,ペンで教科書に色をつけているかのどちらかでした.寝るにも限界ってもんがあります.6時間授業全部は寝れません.
つまらない授業,本当に時間が過ぎないんですよね.
父の転勤に伴い普通の進学校(県立)に行ったら,こんなに授業の差があるなんて・・・と思いました.同時に転校してきた子は,前の学校の面倒見が良かったらしく多少不満だったようです.私は,「こんなに面倒みてもらえるなんて,幸せ!」状態でしたが・・・
いやもう、Yokoさんの息子1くんはそりゃ、公立にはおさまらないでしょう…豊かな才能を持つ「不思議ちゃん」ですから、早々に編入試験を受けたのは正解ですね(^^)
> 小1の1学期の間に一回だけ目を輝かせて報告してくれたことがありました。
ふふ。知らないことを知ったり、わからないことがわかるようになったり、できなかったことができるようになったりするのって、楽しいことですよね。
だから、もっと授業って楽しくなれると思うんですけどね…
> 6時間授業全部は寝れません.
(^^;; 確かに。
JGに転校してからも、全部の授業がおもしろかったわけじゃない(というか、私がおもしろいと感じたわけじゃない)ですけど、一生響くようなすばらしい授業もあったし、興味のないものであれば寝たり内職したりできたのでぜんぜん困りませんでした。
転勤で学校を変わるときは、なかなか選ぶ余地も少なくてたいへんだと思いますが、良いほうに転んでよかったですね!!(^-^)
まさにそのとおりですね。うちの息子は中受はしませんでしたが、それでも授業は恐ろしくつまらなかったそうです。だから私立中最難関を受ける力があったアンダンテさんはさぞ辛かったでしょうね。学習が心配な生徒のための授業であって、理解力のある子の学力を伸ばす配慮はなし。でも最低基準を保障するのが公教育の使命です。でもそれを真面目に受けて模範生になっていなければ、内申にも響く。息子にはそんなこと無理。
息子の時は真剣に私立中への編入を考えましたが、なかなか見つかりませんでした。息子も毎日「学校行きたくねえ」を繰り返していました。一方で、カリスマ的な先生と優秀な(内部進学が厳しくてみな高受の勉強をする)国立中の生徒や公立中トップクラスの子たちが大勢集まる進学塾。刺激に満ち、友達ともとても親しくなりました。
すみません、こういう話題ではつい、反応してしまいます。でも知り合いの娘さんの公立中では授業がとても充実しているそうですから、公立中といってもいろいろですね。
うちの長男の時にはまさしくアンダンテさんの親御さんと同じ考えで中学受験をし、
第一希望1校のみを受け、見事不合格でした。
その結果、公立へと通うわけですが、まさしく内申をたてにとり高圧的な授業を・・・
長男はヘタレなくせに、そういうところでは反骨精神が強く、何と言われようと何をされようとも屈せず、授業中には内職に励み、学年トップの成績でありながら内申はというと・・・4、なかったですね。(^^;
で、当たり前ですが、内申重視の公立高には進めず私立へ、となるわけです。
そうしたいろいろな経験を踏まえて、長男の受験時の「第一志望に受からなかったら公立へ通い高校受験」という考えは捨て、今は下の二人は迷わず私立へ通わせています。
一概に公立中はすべてこうだというわけではありませんよね。ただ、うちの子どもが通う校区の中学校がたまたまこうだという話です。
そう、公教育の使命…で、幅広すぎる生徒のそれぞれにマッチした教育ができるわけもないんですが、それにしてもちょっと…と思いました。またろうの行った中学はそこまでじゃなかったと思いますし、だいたいまたろうの授業を受け取る能力のほうがちょっとナンだったりして(^^;; 授業が問題だとは思わなかったんですけどね。
どのみち、内申をそろえるための努力は、勉強でもなく、人としてあるべき態度の基本を学ぶ?? ということとも違うし、何かずれたことをしているようで、空しいです。自然にできる子もいると思うんですけどね。
それは…公立向きとはいいにくい息子さんでしたね。
またろうは受験をせず公立中に進みましたが、いやもう昔の公立中と違って先生はちっとも高圧的ではなく、いろいろいっしょうけんめい考えているんだなぁと思いました。それでも内申はつけなくてはいけないですからね。昔と違って、明朗会計で「意欲・関心・態度」をつけようとしているので要するに「提出物」。これがまたろうの最も苦手とするところなので「詰んで」ました(-_-;;
公立もいろいろあるし、子どももいろいろあるので、公立中でうまくやっていける子もいると思います。はなひめは…私立のほうがいいんじゃないかとにらんでいます(^^;;
もし差し支えなければ教えて頂きたいのですが私学の欠員募集はどうやって情報収集したのでしょうか?
只今、6年・・わが子も公立には絶対に向かないのでぜひとも知りたいです。宜しくお願いします(と、親が後ろ向きではいけないのですが)。
塾で、そういうことがあるという話を聞いたので、親が直接学校に問い合わせました。でも今はJGの欠員募集をやることはないみたいです。今でも欠員募集をやっている学校はあるようですが、転勤の条件がついていることが多いのかな?? 一般で募集すると収拾がつかないから??
ともかく、あてになるような制度ではまったくないので、通常ルートで万全を期すことを強くお勧めします。
詳しいいきさつを記事に書きましたが、まったく役に立たないと思うので、あと100日でばしっと決めちゃってください!!
塾なんて人間を馬鹿にするところ。勉強する力を削ぎ取ってしまうところです。
それにしても文章内の公立の学校の様子は酷すぎますけどね。でも、それも塾の影響ですけど。
塾産業は日本を滅ぼします。
塾の勉強が点取りテクニックの習得にすぎないとお考えだということは、変な塾しかご覧になったことがないのでしょう。
とある公立中の状況のひどさが塾の影響だとするのも根拠のない話ですね。
特定の塾に対して何か具体的な恨みをお持ちなのでしょうか?