将棋部の中で
2009年 08月 06日
将棋の話については、このブログ内ではほとんど出てこない(つまり、今は将棋を指す習慣がない)けれども、私は大学のとき将棋部にいた。確かにそのころは将棋を指していたけれども、私が「フルート同好会の中でフルートを吹いていた」というのと「将棋部の中で将棋を指していた」というのは、かなり意味合いが違う。
私は、大学生になったとき、ルールはわかる程度のまったくの初心者で、ただ将棋に興味があったので将棋部をのぞいてみたのだが、実際の将棋部は初心者歓迎などではまったくなく、たぶん弱い人でも三段くらいはあったのではないだろうか (もう少し弱い状態で入部するとしても、指しまくってあっという間に強くなること前提)。
私がその中に入っていっても、部内リーグにすら参加することができないので、誰かに六枚落ち(飛・角・金・銀・桂・香なしにするハンデ戦)をお願いするくらいしかやることはない。ふつう、そんな状態じゃ居心地悪くて逃げ出すこと間違いなしなのだけれども、私が将棋部に参加し続けることができたのは、「女子」だから。
先日、バドミントンサークルの男女のあり方について書いたが、将棋での差はそんな程度ではなく、要するに女子率が限りなくゼロに近い。部内だけではなく、例えば関東の個人戦に男子が600人参加するとしたら女子は10人とか、そんなもんである。しかも、ルールをかろうじて知っている人をかき集めての10人。
一年生秋のとき、私はその関東個人戦に参加して全国大会行きの切符を勝ち取り、年末に行われた全国大会では四位になるのだが、そのときでせいぜい五級か、四級くらいだろうか。部内では、ようやく六枚落ち卒業で二枚落ち(飛・角なし)へ、というころだった。
つまり、将棋部の中で、「女子」枠での活躍を応援する気持ちの人がボランティアで指導してくれてようやく成り立つ活動だったわけである。特に熱心に指導してくれた人は、女子の団体戦を創設してそこで優勝することが夢だったらしいが、仮にその大学で三人かき集められたところで、対抗する大学がない(笑)
トッププロの男女差というのもそれなりにあって、例えば羽生と対等に渡り合える女性は今のところいないのだが、そんな頂点の差はさておき、そもそも、将棋に興味をもってやってみようと思う人の比率の男女差がものすごい。
私が将棋の本を購入してルールを覚えたのは中三くらいのときだったと思うが、そのときは女子校にいたので見渡す限り、相手をしてくれる人などはいなかった。無理やり友人に同じ本を読ませて指してもらったけど(ヒドイ)、なにしろ無理やりなのであまり勝負として成立せず、すぐ挫折。
スポーツよりもっと開いたこの男女差はなんだろう。もしかすると、将棋は、脳の男女差と深くかかわる部分を使うゲームなのかもしれない。社会的な性差だけでは説明がつかないくらいの差があるような気がする。
結局、二年になって少し強くなってからも、今度は全国大会で二位になったけれども、部内標準にはまったく到達することがないまま私の将棋部生活は幕を閉じた (三年以降は参加していない)。
将棋部の一員とはあまりいえない、ただのお客さんだったけれども、それでも居続けることができたのは、将棋そのものの魅力と、二枚落ちのおもしろさ。それと、指導してくれた先輩の献身的な努力だろうか。バドミントンサークルと違って、将棋部にナンパしにくる人はいないので (笑) だいたいの人は異分子がいても空気のようにスルーする。だから、居心地はいいともいえないけど悪かったわけではない。
ピアノでもそうだけれど、生で聴くときの魅力は録音やテレビを通したときとは違う。将棋も、テレビでプロの将棋を見るのと、大学対抗戦などを肩越しに見ているのとではまったく違うのだ。私はちょっとした間違いで(?)全国大会にいったときに、男子団体戦のほうをずーっと観戦して、それですっかりその魅力に取り付かれてしまったのだと思う。
というわけで、何年も、見るほうすらご無沙汰していた将棋だが、ちょっと生の魅力を思い出してこよう。
今日の弁当:
カレーミートボール、厚焼き卵、ひじき煮、枝豆、芋コロ、にんじんと大根きんぴら
by an-dan-te | 2009-08-06 07:46 | 生活 | Comments(12)
男は少ないおかげで出場人数に制限があってもまず間違いなく出られたし、聞こえのいい結果が出るしでなかなかに具合がいいっちゃいい話でした。同好の士が少ないのはちょっとなんですが、達成感という意味では、マイナーなものっていいですよね。
息子が小学校になり教えたところ、5年で負かされました。それ以来どんなにせがまれても指しません。こどもに負けるのって悔しいんですよ。心の狭い母です。
夫が子どもに少し囲碁をやらせているので(夫と上娘が「級位者」、私と下娘が「石取りゲームができる」レベル)、子ども囲碁○○みたいなイベントに行きますが、将棋が同時開催されてるとそっちが絶対人数多いですね。女子の割合はどっちも少ないけど、5パーセント(私が大学の時の男女比)よりは多そうに見えます。
まぁ似てるっちゃ似てますが、いくら男が少ないったってかなりうまくないとそちらは全国行けませんもんね。将棋の場合は、関西は参加2名で、うち全国へ2名。とか(^^;; 全国に出られない人「も」いた関東はハイレベルとも言える!?
囲碁教室やってましたしね。けど私はコーディネーター(?)であって自分が打てるわけじゃないので。あれはヒカ碁ブームの影響…
女子率ちょっとは増えてるかもしれないですね。社会的性差のほうは徐々に崩れてきたとして、どのへんで落ち着くのかは興味深いところだけど。
逆ナンパ目当てで将棋部に入ったりして。(嘘)
息子が最近将棋にはまっています。家庭では主人を相手にいつも負けています。
主人が将棋を指せることを結婚してから○年間知りませんでした。男子とはみな将棋に興味を持ち指せるものなのでしょうか~?
一応簡単なルールを説明されても全く覚えられない(覚える気のない)母は仲間外れです。
教室にあったんですか(o_o)
まず、空気のようにそこに存在すること、ですよね。
子どもたちは学童でときどき指したりしたようです。
段ボールで手作りの盤駒を見かけました。
逆ナン…将棋部というより大学全体が(爆)
将棋に興味がなかったわけではないのですが、あの頃は 一度退場した駒が再出場するというのが どうしても納得できなかった。
そんなとこに そんな駒 なかったでしょうが~~!!って…^^;
pinkもchobiも 夫の弟の手ほどきにあって 数年前 一時期将棋にはまりました。
pinkに至っては区が主催する将棋教室(4回ぐらい会ったかな~?)に通い、学童でさす相手を探したので それをきっかけに将棋が一時流行ったぐらい。
しかし いくら子どもが熱中しても 親に素養がないことは伸びないですね~。今では めったにささなくなってしまいました。
子どもと夫がさせるのに 私だけさせないのは 悔しいので、再チャレンジ。今度は ルールぐらい 頭に入りましたけど、さすこと自体がめんどくさくて…。
どうも 縁がないですね~。。。
そうそう、将棋の前にチェスもやりましたよね。
あれは、復活なしだけど。
将棋は、駒がぶつかるまで(チェスより)時間がかかるから不評だった気が。
pinkちゃんはだいぶ気に入ったんですね。
まぁ親はともかく、周りに相手がたくさんいるかどうか…ということを考えると、やはり将棋部のようなところに入ってないと現実問題なかなか継続しにくいですかね。今はネット対局という手もありますが。